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23 2012

ジェフ・ジョーンズ&アンディ・キューバート/フラッシュポイント

フラッシュポイント表紙

「そうか…去年…
 アクアマンが治めるアトランティスがヨーロッパを沈め…
 …その前に、ワンダーウーマンとアマゾンの軍団がロンドンを奇襲したのか…
 記憶が書き換えられてる。
 並行世界やミラーワールドじゃない…僕の世界…現実だ」


◆アニメ『フラッシュポイント:パラドックス』トレーラー

EVERYTHING YOU KNOW WILL CHANGE IN A FLASH

全ては一瞬に変わり得る。そう、ほんの一瞬フラッシュで……。

世界最速の男の名を欲しいままにしてきたフラッシュことバリー・アレン。
ある日、まどろみから目覚めた彼は、かすかな違和感に眉をひそめた。
いつもの見慣れた光景のはずなのに、何かがおかしい……。

やがて彼はその真相を知る事になる。
彼がまぶたを閉じていたほんの刹那に世界は姿を一変させていたのだ。

この世界には、ジャスティス・リーグもスーパーマンも存在しない。
アクアマンとワンダーウーマンは世界の覇権をかけて死闘を繰り返し、
人類を破滅の瀬戸際に追いやっている。
そして、バットマンは……。

果たしてバリー・アレンは並行世界に来てしまったのか?
敵の作ったミラーワールドに閉じ込められてしまったのか?

いや、そのどちらでもない。これは紛れもない事実なのだ。
そして、世界を変えた張本人とは、フラッシュ本人……!?

2011年、創立76年目に突入したDCコミックスが展開したクロスオーバー大作が早くも邦訳!
世界を一変させた大事件の果てに、DCユニバースを待つ運命、
そして、謎のキーワード「NEW 52」とは!?


◆収録作品

2011年05月:Flashpoint Vol.2 #1
2011年06月:Flashpoint Vol.2 #2
2011年07月:Flashpoint Vol.2 #3
2011年08月:Flashpoint Vol.2 #4
2011年08月:Flashpoint Vol.2 #5


◆DCユニバースの崩壊
「その……僕がフラッシュです!」

『世界改変』というのは割りとメジャーなストーリー展開ですが、本作『フラッシュポイント』ではDCユニバースの世界が改変された結果、DCコミックスの全レギュラーシリーズが一度終了するほどに大規模な影響を及ぼす内容になっています。
『世界観が変化してしまったままになる』というのは新しいのではないでしょうか。

2011年5月に本作が発表され、2011年9月に52作もの新シリーズが新しく創刊。
この邦訳版ではその52作品全てを簡潔に解説してくれているのも嬉しい点。

『NEW 52』と呼ばれる現代的リニューアルが行われることになるこの作品。
DCコミックスの新たな歴史が始まるきっかけになったこの『フラッシュポイント』とはどんな内容なのか軽く紹介したいと思います。

◆BEYOND THE FLASHPOINT
母親
幼い頃に殺されたはずの母親が生きている

フラッシュことバリー・アレンが目を覚ましたその時には既に知っている世界とは大幅に異なっています。
死んだはずのバリーの母親が生きていたり、アメリカを象徴するヒーローがスーパーマンではなくサイボーグになっていたり、フラッシュの宿敵・『キャプテン・コールド』ヴィランではなく『シチズン・コールド』というヒーローとして活動していたり等々…

そしてこの世界には『フラッシュ』というヒーローはいないため、誰もフラッシュの事は知らない上に、バリーもフラッシュとしての能力を消失してしまっています。

唯一改変前の記憶を持っているフラッシュが、世界をもとある姿に戻すために奔走するというストーリー。

サイボーグ
ジャスティス・リーグが存在しないとはいえすごく濃いメンツだ

世界改変モノはマーベルでは『ハウス・オブ・M』『エイジ・オブ・アポカリプス』、DCでは改変とはちょっと違いますがエルスワールドモノの『キングダム・カム』『バットマン:ダークナイト』など邦訳だけでも色々出版されてきました。
それでもこういう本来の世界観とは異なる作品を読むのは楽しいです。
世界観が刷新されるとやっぱり凄く新鮮。

そして読んでて衝撃だったのがスーパーマン、バットマンの2大ヒーローの改変。

スーパーマンは『フラッシュポイント』の世界ではケント夫妻とは出会わず、研究者に拾われてしまっています。

サブジェクト1
外界とは完全に隔離されている

太陽を浴びることなく、さらに人間も見たこともない状態で生かされてきたスーパーマン。
(この世界では『サブジェクト1』という名が与えられているのですが)
やせ細っている上に青白い肌になってしまっているその姿はなかなかショッキングです。

『フラッシュポイント』でのバットマンの設定もまた驚き。
この世界では強盗に襲われて死亡したのはウェイン夫妻ではなく、なんとブルース・ウェインなのです。
そして父トーマス・ウェインは犯罪と戦うことを決意しバットマンになるという…
『じゃあ母親のマーサはどうなったの?』って感じなのですが、その辺の解説は何故か折り込みの解説書でもぼかされているんですよ。
これは邦訳予定である『フラッシュポイント・クロスオーバー』バットマンのミニシリーズが収録されると思ってても良いってことなんでしょうか。

◆感想
改変設定が面白い本作。
もちろん改変設定以外にもバリーが母親を思う姿リバース・フラッシュ(ズーム)との決戦バットマンファンなら間違いなく感動するエンディングなど見所が非常に多いです。
改変されたヒーローたちとの共闘や絶望感溢れる世界観が特徴的な作品なんですが、それよりもストーリーに盛り込まれている『親子』というテーマ性が本作の最大の魅力だと思います。

本書は本編のみの邦訳になるのでフラッシュ以外のキャラのエピソードがやや弱いのが難点なぐらいでしょうか。
それでもクロスオーバー誌が邦訳される事は決まってるっぽいので期待。

ソーン
意外と乱暴なしゃべりのズームにちょっと驚き
バットマンB&Bでは一人称が『私』の高圧的な口調だったから余計に

◆フラッシュポイント関連ストーリー紹介
(※アメコミスレより転載 ネタバレ注意)

【フラッシュ 10-12】

時間軸を修正すべく、
ホット・パースート(バイク型のタイムマシン)に乗って現れた平行世界のバリー・アレン。
ズームによる恋人のパティを殺害を阻止するも、
プロフェッサー・ズームによって平行世界のバリーは殺される。
ズームは「母親の事は始まりにすぎない」と言い残し逃亡。母親の墓参りをするバリーに赤い稲妻が。

【キッドフラッシュロスト 1-3】

ブレイニアックに支配された31世紀に目覚めたバートはパティの助けを借りて能力を取り戻し、
時間を遡る。
自身がブラックフラッシュ(スピードスター達の死期に現れる黒い死神)となったバートは
心ならずもマックスとジェイ・ギャリックを殺してしまう。
ウォーリーの墓前でシチズン・コールドによりウォーリーが殺された事を知ったのち、
バリー・アレンに追いつく。
速度限界を越えスピードフォースと一体となったバートは、
「世界を救って」とバリーを励ますのであった。

【シチズンコールド 1-3】

セントラルシティのヒーローとしてたたえられるシチズン・コールドは
自分の正体を探ろうとしたウォーリー・ウェストを殺害。
コールドに対し、復讐に燃えるかつての仲間ローグスはコールドの妹リサを誘拐し殺してしまう。
一方、
恋仲になっていたアイリスはバイドパイパーと共に甥のウォーリーをコールドが殺したことを知る。
ローグスを全滅させたコールドはアイリスによって冷凍銃で撃たれる。
「あなたはヒーローではないわ。冷酷な殺人鬼よ」

【ブースターゴールド 44-47】

フラッシュポイントの世界に来たブースターはアトランティスの一員と思われ、
ナサニエル・アダム(正史ではキャプテンアトム)率いる軍に追われることとなる。
軍によりコントロールされたドゥームズディとの戦いの中、
アレクサンドラという女性と知り合い改変された世界がプロフェッサーズームが原因ということを知る
捕えられたブースターだったが、アレクサンドラの機転によりドゥームズディを自滅させる。
フラッシュと合流しアレクサンドラと一緒に時間流の流れにのり帰還しようとするも
彼女はアトランティスの軍によって撃たれる。
ブースターはバニシングポイントに帰還するが、自分が何をしたかも覚えていないのだった。


 
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7 Comments

流浪牙@光の速さで歩け  

フラッシュはクリエイティブだった

セントラルシティのヒーローとしてたたえられるシチズン・コールドは
自分の正体を探ろうとしたウォーリー・ウェストを殺害。
コールドに対し、復讐に燃えるかつての仲間ローグスはコールドの妹リサを誘拐し殺してしまう。
一方、恋仲になっていたアイリスはバイドパイパーと共に甥のウォーリーをコールドが殺したことを知る。
ローグスを全滅させたコールドはアイリスによって冷凍銃で撃たれる。
「あなたはヒーローではないわ。冷酷な殺人鬼よ」


ブレイブ&ボールドでは(原作コミックスでもそうらしいですが)フラッシュへのツンデレ愛に満ちた、
敵ながらも憎めない面々だったってのに……いくら何でもこんな改変展開は無いでしょうよ。
結局「大切なモノは何時だって 無くしてから気付くよ」って事なんでしょうか。
あんたって雲は、あたしがいないとどこに流れてくか、わからないからね……

2012/06/09 (Sat) 17:22 | EDIT | REPLY |   

michael  

>>流浪牙さん
ズーム曰くフラッシュポイントの世界は『素晴らしく狂った世界』。
基本悲惨な展開になっている人々だらけなのはなんていうかもう…なんでだ?

邦訳しか読んでいない身なんで、原書話はどうしても本に挟んである解説やネットだけで知識を蓄えてる状態ですから、『フラッシュポイント・クロスオーバー』では出来る限り色々なタイトルを収録してほしいところです(個人的に壮絶な展開のシチズンコールドや、ブゴッさんらしいエピソードとかは実際に読んでみたい)。

2012/06/10 (Sun) 21:31 | EDIT | REPLY |   

流浪牙  

俺としては其の辺より、フラッシュで有名なローグス関連のタイトルを
フラッシュポイントに限定せず編集・邦訳して貰えると嬉しいのですが……ダメですかね?

2012/06/13 (Wed) 22:26 | EDIT | REPLY |   

michael  

>>流浪牙さん
そもそもフラッシュ主役のタイトルの邦訳が殆ど無い状況…
あのコミカルなヴィランたちの活躍は是非一冊に纏まった状態で読んでみたいものですね。
ヒエヒエガンで地面を凍らせてフラッシュを転倒させようと目論む宿敵キャプテン・コールド!なごむ!
http://t2.gstatic.com/images?q=tbn:ANd9GcTBEeo7JYabE4Jrf_w7GypXbFRpgsBBm8wArOwIv88sRaRBYati

2012/06/14 (Thu) 20:18 | EDIT | REPLY |   

流浪牙@  

せ、あ

 フラッシュ主役のタイトルの邦訳が殆ど無い状況
昔作られた実写版(映画+ドラマ)が日本国内でもうちょっとでも評判になれていたら、あるいは……
曲りなりにも日曜洋画劇場上映作品なのに一体、なにが悪かったって言うんですかね? 

2012/06/16 (Sat) 01:07 | EDIT | REPLY |   

流浪牙  

タイトルの誤送信につき訂正です。

せ、あ→世界改変展開に何故か疲労感を感じちゃったのは無駄に年取った証拠なんでしょうか

2012/06/16 (Sat) 01:11 | EDIT | REPLY |   

michael  

>>流浪牙さん
>日本国内でもうちょっとでも評判になれていたら、あるいは……
現在持ち上がっている再実写化の話が上手く進んでヒットすればひょっとすると…ひょっとするかも…!
http://geektyrant.com/news/2012/3/28/the-flash-movie-isnt-dead-warner-bros-working-on-new-dc-stra.html

2012/06/16 (Sat) 18:20 | EDIT | REPLY |   

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