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25 2012

ポール・ジェンキンス&アンディ・キューバート/X-MEN ウルヴァリン:オリジン

ウルヴァリンオリジン

"虎よ!虎よ!夜の森に燃え輝く虎よ
 いかなる神の手が、神の目が
 その恐ろしき体躯を創りしか?"

カナダ西部にある"悲嘆の館"に、領主の息子ジェームズの話相手としてやってきた美しい少女ローズ。
病気がちで優しいジェームズ、粗野な使用人の息子ドッグと共に、幸福な子供時代を過ごすローズだったが、幸せな日々は長くは続かなかった。3人が成長するとともに、館に立ち込める憂鬱はますますひどくなり、やがて館に悲劇が訪れる。
そして惨劇の中、呪われた少年はついにミュータントとしての能力を発動し......!?


◆収録作品

2001年11月:Origin #1
2001年12月:Origin #2
2002年01月:Origin #3
2002年02月:Origin #4
2002年03月:Origin #5
2002年04月:Origin #6


ヒーローの誕生秘話である『オリジン』というものが『あえて』用意されていなかったウルヴァリン。
ウルヴァリンはハウス・オブ・Mまで『記憶喪失キャラ』という魅力を兼ね備えていたキャラでもあったため、オリジン話を描くことはタブーであるという暗黙のルールが存在していたのだとか。

しかし、2001年にウルヴァリンのオリジンを描くミニシリーズがついに発表。
そして映画『ウルヴァリン: X-MEN ZERO』の公開に乗っかって2009年に邦訳されたのでした。

本書で描かれるオリジンそのものは、もうアメコミの情報サイトでは当たり前のように取り上げられているので、
ネタバレ全開で紹介したいと思います。
19世紀のカナダ、アルバータ州から物語はスタート。

大きな館を持つハウレットの家に雇われた赤毛の少女、ローズ。
その館の庭師トーマス・ローガンの息子・ドッグ。
父ジョン・ハウレットと母エリザベス・ハウレットの息子・ジェームズ・ハウレット

やんちゃなドッグと病弱で気弱なジェームズ、そしてローズ。
子供時代は仲良く過ごしていた三人だったのですが、成長するにしたがって三人の関係に亀裂が生じるのでした。
ミスリード
庭師の息子・ドッグとお手伝いとして働く少女・ローズ

ドッグの父親、トーマス・ローガンは小さな小屋で貧しく生活しているのに対し、雇用主のハウレット家は何でも持っている資産家。
トーマスはその格差から逆恨みにも近い憎悪を募らせていたのです。。
ローガン
酒飲みのトーマス・ローガン 現在のウルヴァリンにそっくり

ある日ドッグがローズに乱暴しようとし、さらにジェームズに暴力を振るったのがきっかけで彼ら親子は解雇を言い渡され、トーマスはついにその感情が爆発。
夜、彼ら親子はハウレット館にライフルを持って侵入し、トーマスはジェームズの父親を射殺してしまうのでした。

その衝撃的な事件をきっかけにミュータント能力が発現したのです。
ジェームズが。
ジェームズ
ミスリード

お前だったのかよ!…と言いたいところですが、実際読んでみるとこのミスリード、結構露骨な感じに描かれているので、あまりサプライズ感はなかったりします。
ウルヴァリンにそっくりなトーマスの息子・ドッグがさも現在のウルヴァリンであるかのように見せ付けられると、なんか逆に疑ってかかってしまうというか…

ちなみに、トーマスが現在のウルヴァリンにそっくりな理由は「ジェームズの母親は庭師のトーマスと不倫関係にあったから」なようです。
(それっぽい描写がちょこっと挿入される)
つまりジョンはジェームズの実の父親ではないという事ですね。

その発現したミュータント能力でトーマスらを切り裂いてしまったジェームズは、ローズに連れられ逃走することになってしまうのでした。

ハウレット家を離れ、とりあえず生活していくために北の辺境の採石場で住み込みで仕事をする事に。
ジェームズの素性を知られるのを防ぐために、『ローガン』という偽名を名乗ることにしたのです。
そっくり

そしてどんどん逞しくなっていくジェームズ。
少年時代のヒョロさは何処へやらというぐらいに外見が変貌し始めます。
少年時代のジェームズ
少年時代のジェームズ。でも目つきが悪いときはトーマスの面影があったりします

過酷な仕事環境で鍛えられたジェームズは仕事仲間からも信頼されるようになり、いつしか『ウルヴァリン』と呼ばれるようになったのでした。
他のX-MEN邦訳本とは異なりド派手なバトルシーンは存在しない作品です。
オリジンというタイトルからも分かるように、ウルヴァリンというヒーローの過去を描くのがメインとなっています。

上で書いたあらすじ以降はさらに理不尽な不幸に見舞われることになるウルヴァリン。
でもぶっちゃけ大きく盛り上がることなく、静かにストーリーが終了する感じの一作でした。
「面白い」という感想はあまり抱けなかったかも。

「ウルヴァリンはジーンにローズの面影を重ねていたのかな」とか読了後に何かしら思わせてくれるような要素はあるのですが…

とはいえ、ずっと謎だったウルヴァリンの過去をすることができるという点ではなかなか重要な作品かもしれません。
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3 Comments

No Name  

これ読むとウェポンXでアダマンチウムと爪が移植されたのが無かったことになる気が

2012/07/13 (Fri) 19:27 | EDIT | REPLY |   

michael  

>>名無しさん
本作で生えた爪はアダマンチウム製でも何でもなく骨格に収められた爪でしかないみたいですし、少なくとも「ウェポンX」の実験でアダマンチウムが移植されたという設定はしっかり生きているんじゃないでしょうか?
ウェポンXは未読なんであんましハッキリとは答えられないんですけれども。

2012/07/14 (Sat) 23:24 | EDIT | REPLY |   

No Name  

wikiなどを見ると元からある爪だということになっていました
誤解させるような書き込みをしたことをお詫びします

2012/08/04 (Sat) 06:04 | EDIT | REPLY |   

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