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14 2012

レン・ウェイン&ジェリー・オルデウェイ他/DCユニバース:レガシーズ Vol.2

レガシーズ2

「言ったとおりだろう!
 ヒーロー達を信じれば間違いない…彼らは必ず応えてくれる」

「これは神の思し召しだわ!」


DCコミックス創立75周年記念、DCユニバースを凝縮した傑作、ついに完結!スーパーマン、バットマン、グリーン・ランタン!DCクロスオーバー大作登場!!

全宇宙を揺るがす危機(クライシス)が去った後も、世界に平穏が訪れる事はなかった。
反ヒーローを標榜する狂信の波が去ったと思いきや、バットマンとスーパーマンという二大ヒーローをかつてない悲劇が襲う。
二人の英雄は不屈の闘志で立ち上がったものの、史上最強のグリーンランタンは魔人パララックスに身をやつし、地球は幾度となく滅亡の危機に追いやられた。
そんな絶望的な状況の中でも決して膝を折ろうとしないヒーロー達。
彼らを支え続けたのは、人々が寄せる夢の力だった。

メトロポリス市警に勤務する刑事ポール・リンカーンの目を通して、DCコミックス75年の歴史を振り返る記念作もついにクライマックス。
スーパーマンの死、バットマンの敗北、パララックスの誕生など、未だ記憶に新しい事件の数々の果てにDCユニバースを待つ運命とは。

ライターは前巻に引き続きレン・ウェインが担当。アーティストには、数々の名作、話題作を手がけたジェリー・オルドウェイ、世界的な話題となった『デス・オブ・スーパーマン』で有名なダン・ジャーゲンスに加え、キース・ギフェン、ブライアン・ボランド、ビル・シンケビッチら個性的なベテランが参加。
一方で、フランク・クワイトリー、ヘスス・サイス、ゲーリー・フランクら、現役陣も負けじと腕を揮っている。

下巻となる本書では、クライシスの終焉から、新たなる(インフィニット)クライシスの勃発までを、190人以上のキャラクターを織り交ぜながら再構成。
今なおDCユニバースに影響を及ぼす大事件が次々と語られる、ファン注目の一冊である。


◆収録作品

2010年12月:DC Universe: Legacies #6
2011年01月:DC Universe: Legacies #7
2011年02月:DC Universe: Legacies #8
2011年04月:DC Universe: Legacies #9
2011年05月:DC Universe: Legacies #10


『Vol.1』は最古参ヒーロー達の活躍がメインな内容でしたが、この2巻目からはスーパーマン、バットマン、グリーンランタンなどなど数多くの現役ヒーロー達の活躍と歴史がメインとなっていきます。

簡潔に纏められているとはいえ、これまで邦訳が出なかったために独自に調べたり各所で解説を読んだりするだけだった様々なエピソードについてコミックで知ることができるのは非常にありがたいです。本当に。
アンチモ
DC世界の一般人は頻繁に世界の危機にさらされて大変だなぁ

前巻に引き続き登場キャラクターが非常に多く、なかなか邦訳で拝めないようなキャラクターも数多く登場してくれるのも本作レガシーズの魅力の一つです。
また、例によって語り部となるポール・リンカーンの各エピソードの把握っぷりも凄まじいです。
あくまで一般人なのにやけに詳しい。
アズニャん
一時期2代目バットマンを襲名していたアズにゃんことアズラエルも登場。
異様にメタリックなコスチュームと暴力的な戦闘スタイルが特徴的です。

この邦訳版レガシーズは投げ込み解説がいつも以上に力が入っており、このあたりのエピソード(バットマンのコミックシリーズ『ナイトフォール』から『ナイトエンド』)の流れが非常に密に解説されています。
『邦訳レガシーズだけではフォローできない部分は解説書で』ってな具合に。
ていうかもうオチまで分かりやすく簡潔に纏めてしまっています。
その解説文の中で『ベイン』『アズラエル』といったキャラクターについてもしっかりと記述。

もちろんこのバットマン以外のエピソード解説もものすごく力が入っています。本書の邦訳版を刊行するにあたって、解説にかなり力を入れていることが良く分かる感じでした。

クライシスにより5つの世界が統合された点、O.M.A.CやリージョンⅠ~Ⅳ、レガシーズの脚本の引用元になったエピソード解説などなど読んでいて興味深い内容が多いです。
分量が凄まじすぎてもうこれだけで小冊子が作れそうな勢い。
訳者さんにお疲れ様と言わざるを得ない。

また、1巻に引き続き『SNAPSHOT』という短編が収録。
これまた本編とはちょっと趣が異なるもののギャグ系、冒険系、シリアス系とバラエティに富んだ内容が多いです。
ドアを開けたらダークサイド!
「ドアを開けると部屋にダークサイド」というシュールな光景がついに邦訳で拝める

邦訳版がそうそう出そうにないヒーローの活躍が楽しめるというなかなかにありがたい短編集となっています。
個人的に読めて嬉しかったのはブルービートルが主役の短編。
名コンビ
ブースターゴーストとブルービートルの名コンビっぷり

読者を楽しませてくれるコメディアンっぷりで人気を博したブルービートル。
このレガシーズでの短編はオリジン、ブゴッさんとの友情、『インフィニット・クライシス』直前の行動と、色々詰め込まれている作品です。

また、引用元となったエピソードの解説では『ブルー&ゴールドコンビはリゾート開発で一儲けしようとチームの資金を横領したことがある』というぶっとんだ話も取り上げられており、この二人がいるJLAのストーリーがどれだけ面白いかがよく伝わる内容となっています。
ギャグ路線の作品かぁ…是非邦訳されてほしい。
個人的にこの作品、レガシーズは『DCキャラクター大事典』よりも数多くのキャラクターや事件を分かりやすく把握できる作品だと思いました。
キャラの扱いに差はあれど、これだけ楽しみながらDCコミックスの歴史を学べる本はなかなか無いのではないでしょうか。

DCコミックスの歴史と並行して描かれる語り部のポール・リンカーンの人生も、ちょっとした感動映画みたいな内容で楽しめます。

ただ各イベントを並び立てるだけではなく、とある一般人の目を通して、キチンと一本のストーリーとして綺麗な纏め上げれられた本作は非常に良い作品でした。
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4 Comments

流浪牙  

スーパーマンの死、バットマンの敗北、パララックスの誕生
レガシーズの邦訳もいいけど、どうせならその辺(ファイナルナイトまで、でしょうか?)を
ちゃんと邦訳やって貰えると……昔の邦訳コミックスではどうもはっきりしない抜粋だった様なので。
あと当作品に限らず読んでみたい邦訳作品は数々あるのですが、やっぱり一冊辺りの値段や長期展開に対する
参加し辛さなどを考慮すると読まずに過ぎてしまう事が多々あるので何とも。

ついでにDCの世界再構築展開のペースは日本人の感覚からするとチョット奇妙なところがありますね。

2012/06/02 (Sat) 01:49 | EDIT | REPLY |   

michael  

>>流浪牙さん
重要イベントである作品はどんどん邦訳していって欲しいところではありますね。
邦訳が出ていないエピソードはwikiや原書を紹介している個人サイトなどで軽く説明を読んで補完しているのが現状なので。
ヴィレッジは新しめの作品が中心、小プロは古典や新作を邦訳する傾向にある気がします。
個人的には読みたいと思っている作品の邦訳は小プロさんに期待してます(価格設定を最近見直してくれていたりもするので)。

>DCの世界再構築展開のペースは日本人の感覚からするとチョット奇妙なところがありますね。
世界観を再構築するのにわざわざ理由付けまで行っているってのも独特ですよね。

2012/06/03 (Sun) 10:42 | EDIT | REPLY |   

No Name  

今日届きました。
前巻も読んだので、素晴らしい作品でした!
本編のポール・リンカーンの物語に感動し、二代目ブルービートの奮闘話も楽しめました。
ちなみに、このレビューでは取り上げられなかった『オマック』のエピソードはどこから?

2015/01/19 (Mon) 18:33 | EDIT | REPLY |   

michael  

>>No Nameさん
P121 PANEL3の解説で「O.M.A.C.」が取り上げられてます。
ジャック・カービーのオマックについては軽くしか触れられていませんけどね。

2015/01/19 (Mon) 19:08 | EDIT | REPLY |   

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