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04 2012

グラント・モリソン&トニー・S・ダニエル他/バットマン:ラーズ・アル・グールの復活

ラーズアルグールの復活表紙

「オレみたいな息子がいて父さんは喜んでる。
 けど、そんな素振りは少しも見せてくれない。
 そういうのって…ちょっと傷つくんだよ」


悪魔が再び舞い降りる時、父子の絆が試される……。

これは『バットマン・アンド・サン』から 『バットマン:ブラックグローブ』へと続く過程における “もう一つの父子の物語”でもある。ラーズ・アル・グール、バットマン、ダミアン……
彼ら3人をつなぐ親子の系譜、さらにバットマンの養子であるナイトウィングとロビン。
各人の立場によって何層にも重ねられた父子の絆と葛藤が描かれたドラマの結末はいかに!?
 
黄泉の国から舞い戻った宿敵ラーズ・アル・グールは、新たな若い肉体を必要としており、バットマンの息子ダミアンに狙いを定める。精神寄生体と化したラーズを阻止することはできるのか……。

三代目ロビン(ティム・ドレイク)をはじめ、初代ロビンだったナイトウィング(ディック・グレイソン)や暗殺者集団“7人の死の使徒”を率いる老師センセイ、ラーズの忠実な下僕ホワイトゴースト、謎の戦士イーチンなど様々なキャラクターが登場する本書は、2007年12月号から2008年2月号にかけて行われたイベントをまとめた作品群である。
著名な作家陣が紡ぎ出した珠玉の物語を堪能あれ!


◆収録作品

2007年08月:Batman Annual #26
2007年10月:Robin Annual #7
2007年12月:Batman #670
2008年01月:Batman #671
2008年01月:Robin #168
2008年01月:Nightwing #138
2008年01月:Detective Comics #838
2008年02月:Robin #169
2008年02月:Nightwing #139
2008年02月:Detective Comics #839


◆複数のバットマン関連誌を巻き込んだクロスオーバー
月刊バットマン第2弾!
…ってな感じで邦訳されたこの作品『バットマン:ラーズ・アル・グールの復活』
読んでみるとどうも『バットマン・アンド・サン』から話が飛んでいる印象があったのですが、これは本作の時系列が『バットマン・アンド・サン』『ブラックグローブの前半』『本作』となっているからなのだとか。

また、この作品はクロスオーバー作品("BATMAN ANNUAL #26" "ROBIN ANNUAL #7" "BATMAN #670-671" "ROBIN #168-169" "NIGHTWING #138-139" "DETECTIVE COMICS #838-839"を収録)という事もあり、一編ごとにライターとアーティストがころころ変わります。

イケメンダミアン
デイビット・ロペスによるなかなかイケメンなダミアン



クソガキさん
ジェイソン・ピアソンによるクソガキ感溢れるダミアン

絵柄だけでなくキャラクターのデザインまでやたらと変わるので、読んでてちょっぴり戸惑いを覚えなくも無い感じです。
登場人物の服装が変わったりするのは他誌とのクロスオーバー作品であるため、キャラデザインを統一するわけにはいかなかったというのが理由らしいですが、アルフレッドの髪の毛が後退してたりラーズの髪の毛が後退してたりする光景若干シュールでした。

◆父子の絆
終始一貫してストーリーのコンセプトは『父子』『家族』『絆』
キャラクターもナイトウィング(ディック・グレイソン)ロビン(ティム・ドレイク)ダミアンの3名が中心となっています。
バットマンファミリーの活躍をたっぷり楽しむことが出来るのが本作の魅力。

ダミアンが『バットマン・アンド・サン』の頃と比べると多少は心を開いてきている光景を拝む事が出来るのも少し面白い点。
といってもこの時点で信頼を寄せている相手はまだアルフレッドとバットマンの2名だけで、ティムとディックに対しては相変わらず超ナマイキな態度をとるのですが。

長男
正直ダミアンにイラッときているティムと長男っぷりを存分に読者に見せ付けてくれるディック

本作の『父子』というコンセプトはバットマンサイドだけでなく、ラーズ側のほうでも多く描写されるのですが、触れすぎると作品のストーリーのネタバレになるので割愛。

もう一つの魅力はクロスオーバー作品ならではの登場人物の豊富さ。
本作で新たな設定が明かされる"7人の死の使途"を従えた無慈悲な暗殺者『センセイ』
邦訳しか読んでいない僕にとっては久々の登場となる謎の老人『イーチン』『月刊スーパーマン5号~8号』に収録の『呪われたクリプトナイト』『ワンダーウーマン』のエピソードに登場)

イーチン
ダイアナさんに空手やヨガを教えたとか

そしてマイナービランな上に本作では散々な扱いの3人娘、『タイガーモス』『シルケンスパイダー』『ドラゴンフライ』などなど、バットマンファミリーやラーズサイド以外のキャラもかなり多いです。
このあたりも結構お祭り作品的な面白さが出ているのではないでしょうか。

ラーズアルグール

そんな中、どうしても読んでて気になったのが驚くほど急なラスト付近の展開。

伝聞なのですが、これはモリソンが最後の展開を突然変更し、それに合わせて他の作家陣も自分のパートを一から書き直させられたため、結果ストーリーとして一応の整合性は取りつつも、ラスト付近が唐突な内容になってしまったのだとか。
他の作家陣が怒ったという話もちょっとわかる気がする。

ちなみに、あとがきには本作の後日譚となる『ディテクティブコミックス』#840(2008年3月)の大まかなあらすじも載っています。
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