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11 2011

『ゲー夢エリア51』の発行する同人誌がスゴイ

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『ゲー夢エリア51』というサイトさんがあります。
管理人は『ZEK.』さん。
7年以上前からZEK.さん含む様々な方が投稿したアーケードエミュレータ、『MAME』のリプレイ動画を掲載しており、多くのハイレベルなプレイ動画を閲覧することが出来ます。
現在はニコニコ動画でも公開されており、多くのプレイヤーによる様々なゲームのリプレイを楽しむことが可能です。


そして、ビデオゲームを後の世にまで伝える事に力を入れているZEK.さんは今、レトロゲームを深く検証した批評系・資料系の同人誌の制作も行われています。
これがまた商業のゲーム雑誌顔負けな力の入れようで、その内容の濃さには驚かされるばかり。
本記事では現在まで発行されたゲー夢エリア51さんによる同人誌を紹介していきたいと思います。

◆ビデオゲームクロニクル ①「奇々怪界」

奇々怪界同人_convert_20111111005554
【サンプルページ】

1986年にタイトーがリリースしたアーケードゲーム『奇々怪界』
本書は奇々怪界という作品を徹底的に掘り下げて編纂された、238P(Ver1.5のページ数)にも及ぶ同人誌です。
何がスゴイってこのページ数は、あくまで『初代奇々怪界』についての内容だけでこのような膨大な同人誌を作成したという部分。
(シリーズに触れる章もちゃんとありますが)
ここまで1つの作品を徹底的に考察したという点に並々ならぬ情熱を感じます。

中身は奇々怪界というゲームの紹介や、攻略、小ネタ集は当然のように収録されているのですが、以降の章が個人が作成した同人とは思えないようなすさまじい内容で、なんと『製作スタッフインタビュー』を行い、さらにそのスタッフ達と座談会まで行い貴重な当時の話を収録しているという代物。
特別寄稿も充実しており、スゴイ名前が並んでおります

◆「シューティングゲーム奇々怪界に対する寄稿」
・中野龍三氏(プロゲーマー・中野プロモーション社長)
・やまかわ悠理氏(元ゲーメストライター)
◆「奇々怪界のゲームミュージックに関する寄稿」
・罰帝氏(ゲームミュージック評論)
・T.J!++氏(元ゲーメストライター)
◆「奇々怪界・タイトー・そしてあの頃…という形で振り返って頂く寄稿」
・石井ぜんじ氏(元ゲーメスト編集長)
・小山祥之氏(アーケードゲーム愛好会AMP代表)
・見城こうじ氏(元マイコンBASICマガジンライター)

◆スペシャルゲストイラストレーター
・杉浦俊朗氏(代表作:超絶倫人ベラボーマン、他)
・スケーリーフット氏(代表作:遊戯王カード、他)
・転清氏:(代表作:キャノンダンサー、他)
・雑君保プ氏【飛び入り】(代表作:軸盆&ハーポのドメジャーハンター、他)


幻の続編『最後の奇々怪界そしてアメリカへ』についてのインタビューやその企画書も見やすい形で収録されており、内容が気になっていた人には堪らないページになっています。
キャラクター大図鑑や藪崎久也さんによるアートワーク、広告やインストカード、関連グッズなどが紹介されているデータベースなど資料も充実。
すさまじく濃密な一冊です。
【本書の攻略記事と連動している奇々怪界プレイ動画】

【藪崎久也氏デザインのぬいぐるみ『おしゃべり霧姫』】

◆テレビゲーム綺譚(きたん)
テレビゲーム同人_convert_20111111005610
【サンプルページ】

ゲーム製作者のインタビュー集となっている同人誌。
第一弾となる本書には山口正中村伸武小倉久佳の3名のインタビューを収録。
今になって多くのレトロゲームの開発秘話が読めるというだけでも貴重な内容となっています。

【山口正インタビューで取り上げられているゲーム】
クラッシュローラー
・コロスケローラー
・タルボット
・チャンピオンベースボール
エキサイティングサッカー
・エクイテス
・スプレンダーブラスト
・ハイボルテージ

【中村伸武インタビューで取り上げられているゲーム】
・ブラックパンサー
・サイバータンク
メルヘンメイズ
・ブラストオフ

【小倉久佳インタビューで取り上げられているゲーム】
メタルソルジャーアイザック
ダライアス
ダライアスバースト


ゲームの貴重なお話はもちろん、当時のゲーム開発の内情が伺え、また豊富な図版と注釈、用語解説も設けられており、読み応えたっぷりの同人誌となっていました。
少しノスタルジーな気分にも浸れたり。

【プログラマーの1人であった中村伸武が手がけた作品・ブラックパンサー】

◆転清(うたた・きよし)・アート・ドット・ワークス【アートワーク編】
転清アート同人_convert_20111111005622
【サンプルページ】

ドット絵師、『転清』の手がけたドット絵やイラストを集めて1冊の本に纏め上げられたものすごくピンポイントな同人誌。
掲載されている作品は以下の8作品。

キャノンダンサー
・神仙伝
重力装甲メタルストーム
・ココロン
・ノスタルジア1907
・聖鈴伝説リックル
・ファンキージェット
・チャタンヤラクーシャンク


原画を見てそれを参考にドット絵に落とし込むその技術の素晴らしさ、こだわり抜かれたアニメーションなど、芸術的とも入れるその仕事の功績を見ることができる貴重な一冊。
参考動画の作品、キャノンダンサーは転氏のドット絵技術の極致とも言える作品です。
主人公・麒麟の滑らか過ぎるドットアニメーションの凝りっぷりに注目。

【転清・アート・ドット・ワークスとの連動動画】

また本書はドット絵やイラストだけでなく作品紹介そのものも非常に充実しており、各作品のストーリーの概要や制作経緯、考察などこれまた膨大なテキスト量で解説されています。
そしてこれまた図版も豊富なのでページごとの見栄えが非常に良いです。
個人的にはキャノンダンサーの資料の充実っぷりが嬉しい。特に没キャライラストとか。

◆転清(うたた・きよし)・アート・ドット・ワークス【インタビュー編】
転清インタビュー同人_convert_20111111005634
【サンプルページ】

アートワーク編に続き刊行された『インタビュー編』
こちらでは転氏が係ったゲーム全てを取り上げているため、インタビューされたゲーム作品の数は18作品と非常に膨大。
没ゲーム同人ゲーム国内未稼働のゲームまで徹底的に掘り下げられており、めちゃくちゃ貴重なインタビュー集になってます。
『ノスタルジア1907のメガCD版に関する話』や、押井守四井浩一が対面!?』『キャノンダンサー開発秘話』など色々目を引くお話が多い非常に濃い内容です。

【ノスタルジア1907・メガCD版プロモーションビデオ】

【X68000版・ノスタルジア1907・オープニング】

【神仙伝・プロモーションビデオ】

収録タイトルは以下のようになってます。

【タムテックス時代】
不如帰
・神仙伝
重力装甲メタルストーム

【タケル時代】
・ココロン
・ノスタルジア1907
・聖鈴伝説リックル
・ガイアーム(同人)

【ミッチェル】
・ファンキージェット
・チャタンヤラクーシャンク
・ダブル・ウイングス
・プックン・オトト(没)
・燃えよ!ゴンタ!!
・ミラージュ妖獣麻雀伝
・チャーリー忍者
・がんばれ!ゴンタ!!2
キャノンダンサー
三刻志
・レール・ナンバー・ファイト(没)


同人ゲームのガイアームや『キワモノ脱衣麻雀』という事で名前だけ知ってるミラージュ妖獣麻雀伝など色々ありますが、今になってこういう作品の詳しいお話が読めるってのはやっぱり凄い事ですね~。

【ガイアーム】

【ミラージュ妖獣麻雀伝】

そして、一番楽しみにしていた『キャノンダンサー』の開発秘話も20P近く用いての充実したインタビューになってました。
色々と謎の多いストーリー展開のゲームでもあったので、今になってその辺の話が読めたのは本当に嬉しい。

さらに、本書はインタビューメインではありますが巻末に資料ページが付属。
転氏が高校時代に書かれたマンガ(ゼビウスのコミカライズ等)やイラスト、発行した同人誌(スペースハリアーなどの攻略本。コミカライズも掲載)メスト投稿時代に掲載されたイラスト(ワルキューレなど)が閲覧できる素晴らしい内容になっています。
さすがに当時の同人を全ページ掲載しているわけではないですが、どんな内容かを知る程度には収録されています。
個人的にストライダー飛竜のコミカライズ、『飛行艇の女』バオー来訪者ワンダーモモでパロディ化した『MOMO来訪者』がお気に入り。全部読みたい。

◆遠山茂樹作品集・インタビュー前編
遠山表紙
【サンプルページ】

かつてマッピーやピュータン、ロボットバンド・ピクパクなどのロボットやゼビウスのメカデザインなど様々な作品を制作し、現在もバンダイナムコゲームスの第一線で活躍している名クリエイター・遠山茂樹氏のインタビュー本。
本書も読み応えたっぷりな全256ページという分厚さで、さらにこの文章量でまだ前編というのが驚き。
ゲームやロボットの話だけでなく、遠山氏がナムコに入社する前のの子供時代から学生時代のエピソードまで掘り下げられており、アイディアの源がこの時代の経験にある事が分かるようにもなっています。
『爆竹を使って爆弾を作った』り、『戦車のプラモデルを改造して火炎放射戦車を作った』などというエキセントリックなエピソードは読んでいて面白い!
収録タイトルは以下の通り。

【ゲーム】
◇ゼビウス
◇スターラスター
◇サンダーセプター

【ロボット】
◇アトマ
◇ニャームコ
◇ラルゴ
◇ロボットシアター
◇ピュータン
◇サンダユウ
◇ノボット
◇ムーンチャイルド
◇マッピー
◇ロボットバンド・ピクパク
◇グレートモジュール(仮称)
◇キュージくん

【その他】
◇ゲームスペース・ミライヤ
◇NG(エヌジー)
◇つくば博覧会


遠山氏の豊かな発想力がいかにして形成されたのかを探るために幼少期まで遡ってインタビューするという内容の『濃さ』と、ゼビウスのデザイン画や当時の様々な広告など貴重な図版の大量収録などなど、ナムコの歴史を知ることも出来る素晴らしい1冊になっていました。

【遠山氏はゲームスペース・ミライヤの室内設計と宇宙船のデザインを行った】

【ナムコのアミューズメント・ロボットの集大成 それが『ロボットバンド・ピクパク』】

◆感想
どの同人誌もページ数が豊富で読み応えたっぷり
何より読んでいて楽しい。コレに尽きます。
今になって商業でレトロゲームを深く研究・考察するような本は決して多くないので、今後発行されていくであろう同人誌も非常に楽しみです。

【関連リンク:転企画】

【「ぜくう」氏にインタビュー前編】(※『BEEP mag.』様)
【「ぜくう」氏にインタビュー後編】
    
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