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02 2022

ジョシュア・コリン&トッド・ナウク他/デッドプール:トゥー・スーン?

デッドプールトゥー・スーン?表紙

「さっぱりわかんねぇ。フォーブッシュマンの捜査だって五里霧中だ…
 グルートによると、あの屋敷にゃ招かざる客がいたらしい…
 さらに、アントマンまで傷口に闇の力が残ってたとか言いだす始末…
 もっと聞き込みせにゃならん。
 容疑者を脅して、揺さぶって、逆さづりにして…」


フォーブッシュマン殺害──
それは、笑い事で済まない大量虐殺の始まりか?

マーベル・コミックスで古くから愛されてきたコミカルなキャラクター“フォーブッシュマン”が何者かによって殺された!現場に居合わせたのはスクイレルガール、ロケット・ラクーン、グルート、アントマン、スパイダーハム、パニッシャー、そしてデッドプール。悲しみをいやす間もなく犠牲者は増え続け、冗舌な傭兵はドクター・ストレンジまで巻き込んで、謎の解明に挑むが……。


◆収録作品

2016年12月:Deadpool: Too Soon? #1
2017年01月:Deadpool: Too Soon? #2
2017年02月:Deadpool: Too Soon? #3
2017年02月:Gwenpool Holiday Special: Merry Mix Up
2017年03月:Deadpool: Too Soon? #4


◆デッドプールがマーベル・ユニバースを襲う連続殺人事件の解明に挑む!
Not Brand Echh Vol 1 5

フォーブッシュマンとは!!!!!
あのスタン・リーとジャック・カービーのコンビによって生み出されたヒーローの一人であり、その登場も1967年8月のパロディコミック誌『Not Brand Echh』#5とかなりの古株キャラクター(厳密には#1のカバーにも描かれている
さらに起源をたどると、1955年にスタン・リーが『Snafu』というコミックの中でアービング・フォーブッシュという、風刺雑誌『MAD』のマスコットキャラクターであるアルフレッド・E・ニューマンを意識したおバカキャラを登場させていたのだとか。
フォーブッシュマンことアービング・フォーブッシュは、元々はマーブル・コミックス(Marble Comics)で働く雑用係の男だったのだが、ひとたび鍋をかぶるとフォーブッシュマンという自称ヒーローに変身でき、様々な悪人と戦うのである!ちなみにスーパーパワー的なものは持ってない。ただただ鍋をかぶっただけの人間。

そんな古株ベテランヒーローが何者かに殺害されてしまうという衝撃的なプロローグから始まるのが本作、『デッドプール:トゥー・スーン?』です。
偉大なるヒーロー、フォーブッシュマンが命を落とすという悲劇……!

そもそもの始まりは、デッドプールがクリスマスカード用の写真を作るためにとある屋敷を借り切り、適当な理由をつけてパニッシャー、スクイレルガール、ロケット・ラクーン、グルート、ハワード・ザ・ダック、アントマン(スコット・ラング)、スパイダーハム、そしてフォーブッシュマンを呼び出した事がきっかけ。
ヒーローたちの中に妻のシクラーも入れた集合写真を撮るために照明を(物理的に)消し、写真を取り終えて再度明かりを付けた瞬間……みんなの目に飛び込んできたのは首を切り落とされたフォーブッシュマンの亡骸であった。
突然の出来事に困惑するデッドプール達。容疑者は屋敷にいたヒーローたち……果たしてフォーブッシュマンを殺したのは誰なのか!?
「あんないい名前のやつが殺されるなんて……!」と怒りをあらわにするデッドプールは、犯人を見つけ出してぶち殺すために捜査に乗り出す!!!

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とりあえず全員を水責めで拷問しようとしたパニッシャーを一撃でのしたスクイレルガールの図

……って感じで一見シリアスな感じでスタートする本作ですが、その内容はめちゃくちゃバカミスです。まあバカミスレベルの推理すらほとんどしてないけど……!

ぶっちゃけ結構なマイナーキャラであるフォーブッシュマンがメジャーキャラの死亡展開並の扱いで葬儀が行われている描写にも笑うし、図らずもスクイレルガールとコンビを組んで捜査を進める中で瞬間移動機を一緒に使ったことで『スクイレルプール』という合体モンスターを生み出してしまったり、並行世界のスパイダーマン達と並行世界のウルヴァリン達……『アメイジング・アラクニッズ』『シーシング・スニクターズ』の野球の試合に乗り込んだりなど(どういう経緯でスパイダーバースの面々と並行世界のウルヴァリン達が野球をしてるのかはただただ謎)徹頭徹尾カオスの極みのような光景が繰り広げられるギャグ作品に仕上がっているのが特徴。
あとこの作品の連載当時は映画『デッドプール』が大ヒットしていたので、その辺を意識したネタもちょこちょこあります。

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んでもって本作、正史世界(アース616)が舞台なのに、フォーブッシュマンだけで終わらず、他の容疑者たちも容赦なく謎の殺人犯に襲われてバンバン命を落としていくという連続殺人事件に発展していきます。メジャーキャラが多いのに扱いがとんでもねえな!
デッドプール誌は正史世界の設定であってもゲストで登場したヒーローはキャラ崩壊させられたりする(例:本作のパニッシャーは『スター・ウォーズ』の新作映画で泣いたりする一面がある)のは日常茶飯事なんですが、まさか普通に死ぬとは思わなんだ。
このバカバカしくてブラックユーモアも全開な連続殺人事件、果たして真犯人は誰で事件の真相はなんなのか……ぜひ実際に読んで確かめてみてほしい!

◆感想
めちゃくちゃ面白かった……というか笑った!!!!!
ここんとこ手を出していたデッドプールの邦訳はアクションコメディをやりつつもきっちりシリアスパートを挟む感じの作品が多く、もちろんそれはそれで楽しんで読んでましたが、本作『デッドプール:トゥー・スーン?』は一貫してギャグコミック。最初から最後までギャグたっぷりの構成だ!
海外コミックでギャグメインの作品は笑いのツボがいまいち合わない事がちょくちょくあるんですが、本作は全体的にパロディのネタが日本人にも馴染み深いものが多かったり、あとシンプルにキャラクター同士の掛け合いが分かりやすく面白おかしいのでもう……ネタに気づいてニヤニヤする系のやつじゃなく、とにかく笑えて楽しめたよ!

あと巻末には『グウェンプール』誌の特別号『Gwenpool Holiday Special: Merry Mix Up』に収録されたデッドプールの短編が掲載されています。こちらはチャイナ・クラグストン・フロレスという方が物語とアートの両方を担当した一編。
『今日はハロウィン』という事に気づいたデッドプールが街に繰り出してテンション高くイタズラを仕掛けまくっていると、映画『デッドプール』の影響で自分の仮装をしている人が大幅に増えている光景に遭遇。
ハロウィン特別企画のデッドプール仮装大会なるものが行われている事を知り、デッドプールは会場に飛び入り参加をキメる!!……というお話。

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ドマイナーキャラながらその見た目のインパクトで地味に知名度があるレザーボーイがメインヴィランだったり、『コロッサスにちょっかいをかけるデッドプール』というこれまた映画を意識した関係性の1シーンがあったり、チャイナ・クラグストン・フロレスの描くスクイレルガールがかわいかったりなど、こちらもユーモラスで楽しい短編でした。
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