ツルゴアXXX

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30 2011

マーク・ミラー&スティーブ・マクニーブン/シビル・ウォー

シビル・ウォー本編表紙

「やめてくれ、キャップ。
 怒る気持ちはわかる。これまでには考えもつかない大改革だからね。
 だが、これが現実だ。もう1945年じゃないんだよ。
 今の社会はもはやマスクで正体を隠した人間を信用しなくなった。
 何よりも安全を求める人々から再び信頼を勝ち取るにはこうするしかない」


WHOSE SIDE ARE YOU ON?

世界を激震が襲った。
一つの悲劇をきっかけに、合衆国政府は超人登録法を可決。
全てのスーパーヒーローに対し、正体を明かすよう迫った。
登録法の対処を巡って二つに割れたヒーロー達は、ついに苦渋の決断を下す。
それは正義を志す者達が二手に分かれて相争うシビル・ウォー(内戦)への茨の道だった……。

マーベルユニバースを、コミックスシーンを揺るがした問題作、マーベルコミックス最大のクロスオーバー大作、ついに邦訳なる!

君はどちらに付く?


◆収録作品

2006年07月:Civil War #1
2006年08月:Civil War #2
2006年09月:Civil War #3
2006年10月:Civil War #4
2006年11月:Civil War #5
2007年01月:Civil War #6
2007年01月:Civil War #7


◆関連作品過去記事
【ニューアベンジャーズ:ブレイクアウト】
【ニューアベンジャーズ:セントリー】
【X-MEN/アベンジャーズ ハウス・オブ・M】
【ニューアベンジャーズ:コレクティブ】

◆WHOSE SIDE ARE THEY ON?
『THIS SUMMER WAR!』という翻訳予告から随分経ってようやくの発売となりました!
正直夏かどうかは微妙…というかぎりぎり過ぎてしまった気もしますが待ち望んでいた作品です。

この『シビルウォー』は2006年に発表されたかなり大規模なクロスオーバーイベントとなっています。
上記の簡単なあらすじを見て分かるとおり、ありていに言ってしまえばヒーロー同士の内ゲバなお話。

「ニューウォリアーズ」というヒーローチームがあるヴィランを追い詰めた際、そのヴィランが自爆してしまい近隣の学校を吹き飛ばすという事件が発生。
犠牲になってしまった一般人の数は800~900人にも昇ってしまいます。

しかもニューウォーリアーズはTV中継を行いながら戦っていたために
世間は一気にヒーロー批難の流れに。
ファンタスティック・フォーのメンバー、ヒューマントーチが市民に暴行されるというような事件まで起こる始末。

シビル3_convert_20110929035209

そして「ヒーロー達は統制されるべき」という考えが生まれ、
政府によって超人登録法なるものが制定されようとしてしまいます。

この登録法をめぐってヒーロー達が賛成派・反対派に分かれてしまい、
大規模な「シビル・ウォー(内戦)へと発展していくというストーリー。

シビル1_convert_20110929035437 で、この『超人登録法』自体は決して悪法ではないのがミソ。
「信頼を得るためにも世間に正体を明かさなければならない上、政府の管理下に入る必要があるが、給料がしっかり出るうえにヒーローとしての活動もできる」ので、要は公務員のような扱いになるだけの法律。
存在が合法化されることで、訓練も積めて社会にも認められるという事なので、アイアンマンを筆頭に賛成派が現れます。
しかし、「マスクは伝統なんだぞ」と考える者や、街に根ざしてヒーロー活動を行っている者、そして、キャプテンアメリカの「誰がスーパービランなのかワシントンが決めるような事態を避けるためにも政治とは無縁でいなければいけない」という主張に同意する反対派も当然現れ始めます。
(秘密を公表したり、政府の管理下に置かれてしまうと防御力が削がれるという考え方)
結局、アイアンマンとキャプテンアメリカは袂を分かったまま登録法は成立。
賛成派であるスパイダーマンがTVの生中継でマスクを脱ぐ事によって市民の信頼度を得るという行動を起こし、アイアンマンの計画が動き始めます。

シビル2_convert_20110929035523そしてアイアンマンは最後のチャンスを与えるためにキャプテンアメリカ率いる反対派に説得を試みるのですが、キャプテンアメリカはこれを拒否。
ヒーロー同士の内戦に発展しちゃうわけです。
もうこうなったら口で言って止まるような状況じゃなくなってしまったわけで、力と力のぶつかり合いに。

とにかく戦力を拡大するために、賛成派は左の「サンダーボルツ」(スーパービランを集めて組織された
”ヒーロー”チーム)
とも手を組むことに。
「ブルズアイ」「ベノム」「タスクマスター」「ジャック・オランタン」などが所属していますね。
こんなんと手を組むから余計に話がこじれていくんじゃないかという気はしますが。
反対派は反対派でパニシャーを仲間に引き入れたことから後々トラブルが起こることに…

しかしどちらが悪なのか分かりにくい…というかどちらの主張もそれなりに筋が通っており、裏で何かしら陰謀が渦巻いているという展開でも無い為、ストーリーの展開には目を惹かれます。
(ただ、実際読んでみると賛成派寄りに描かれているような気はしましたが)
このシビル・ウォーでは少なからずヒーローの犠牲者も出るため、正史に組み込まれるストーリーなだけに色々衝撃的な作品です。

シビル4_convert_20110929035550

ちなみに、今作は大規模クロスオーバーなだけに登場人物も多いのですが、殆ど顔見せだけで出番が終わったりプロモーションポスターぐらいにしか登場していないヒーローもちらほらいます。
本書はあくまで本編ストーリーのみの邦訳なため、本国で行われた個々の作品のクロスオーバーについては一切触れられていません。
過去に『ハウス・オブ・M』が翻訳されたときもクロスオーバータイトルはスルーされましたし…。
以下のタイトルがクロスオーバー作品。

「アメイジング・スパイダーマン」#529-538
「ファンタスティック・フォー」#536-543
「ウルヴァリン」#42-48
「シーハルク」#8
「サンダーボルツ」#103-105
「ニューアヴェンジャーズ」#21-25
「X-ファクター」#8-9
「ケーブル&デッドプール」#30-32
「ブラックパンサー」#18-25
「Ms.マーベル」#6-10
「ヒーローズ・フォー・ハイア」#1-5
「キャプテン・アメリカ」#22-24
「アイアンマン」#13-14
「パニシャー:ウォー・ジャーナル」#1-4
「ムーンナイト」#8
「ブレイド」#5
「ゴーストライダー」#8-11


この他にもシビル・ウォーのための新規タイトルが大量に発表されています。
実際の所こちらも読んでおかないと個々のヒーローの内面描写が薄く感じてしまうわけで…

と、やや不満に感じていたところ、ヴィレッジブックスの翻訳予告チラシに「シビル・ウォー クロスオーバータイトル出版検討中」という文面が!
全部翻訳されるのかは分かりませんが、シビル・ウォーのストーリーを補完できる重要な翻訳になる事だけは間違いないはず!
楽しみ。是非出版に踏み切って欲しいです。

ここから余談。
本書ではなんか色々な名称がそれまでの表記からちょっと揺れています。
『パニッシャー』の名前が『パニシャー』で統一されていたり、悪役を指す呼称『ヴィラン』『ビラン』に統一されていたり…
あと解説ページの『ドナルド・ブレイク』の項では、
ソーの持つハンマーの名称『ムジョルニア』『ミヨゥナ』なんて妙な読みになっています
(アスガルドギャグ)

結構違和感があるんですが今後もこんな感じの表記に統一されていくんでしょうかね?

※追記
調べたら『パニシャー』表記は過去に光文社から発売されたスパイダーマン8巻(1979年10月15日発行)でも用いられていました。

パニシャー
ちなみに本書の登場エピソードはパニシャー初登場回でもある

あと、これは表記揺れの話じゃないですが、タスクマスターの喋りはさすがに
MVC3の『~である!』口調ではなかったです。

キャラが_convert_20110930034355

◆後に邦訳されたクロスオーバータイトル
【ニューアベンジャーズ:シビル・ウォー】
【ロード・トゥ・シビル・ウォー】
【アメイジング・スパイダーマン:シビル・ウォー】
【キャプテン・アメリカ:シビル・ウォー】
【アイアンマン:シビル・ウォー】
【ウルヴァリン:シビル・ウォー】
【パニシャー・ウォージャーナル:シビル・ウォー】
【X-MENユニバース:シビル・ウォー】
 
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4 Comments

久仁彦  

シビルウォー、読んでて非常に面白かったのですが
「もうちょっとアイアンマンさんもキャプテン・アメリカさんも話し合いの精神をですね…」
と思いながら読んでて、結局最後まで殴り合いで終わってしまったのが哀しいです。
クロスオーバータイトルも読めばもっと違う印象が持てるかな?

このちょっと後のファンタスティック・フォーでMr.ファンタスティックさんが
「あの時とかあの時とか自分がもっと上手く立ち回れば違った展開になったかもしれない」と
色んなパラレルワールドを覗くシーンがあるのですが
ある世界ではアイアンウーマンと化したスタークさんがロジャーズさんと結婚してました。
仲良きことは美しき哉。

2011/09/30 (Fri) 15:09 | EDIT | REPLY |   

michael  

>>久仁彦さん
『色々衝撃的~』と記事ではちょっとぼかして書きましたが読み終わってみると「あ~…何か皆色々やらかしちゃって終わった感じだなー」という感想を持っちゃいました。
本作の感想に『賛否両論』という意見が多いのも分かる感じが。
『ヒーロー同士が争う事になる』という結末が気になるストーリーでしたからそこは楽しんで読めたのですけど…
スパイダーマン、せっかく正体ばらしたのにこんな事になって可哀相過ぎる(悲)

>ある世界ではアイアンウーマンと化したスタークさんがロジャーズさんと結婚してました。
えっ?

2011/09/30 (Fri) 21:39 | EDIT | REPLY |   

ピーマン男  

僕はまだ未読ですが・・・キャップが反対派のリーダーになって内戦を起こすっていうこの行動にはあらすじの段階でちょっと違和感を感じました。
たしかにジェネレーションギャップから社会に寄り切れてないところはありましたが・・・w
やっぱヒーローはヴィランと戦ってナンボだと思うのですよ、うん。
しかしほんの一昔前は一山いくらのヒーローだったアイアンマンも出世したもんですねw

2011/09/30 (Fri) 23:07 | EDIT | REPLY |   

michael  

>>ピーマン男さん
賛成派のヒーローが基本的に一般人にもすでに正体が認知されている人らばっかりなのも対立が起こる原因につながったんじゃないかなーとは思ってます。
自由と平和のために戦い続けているキャップにとってはやっぱり正体を公表されて動きづらくなるのは受け入れづらいことだったのかなと。
なかなか考えを曲げない頑固な性格のキャラクターですし。
やっぱり本編ストーリーでも心理描写をもうちょっと増やして欲しかったなぁ。

>>しかしほんの一昔前は一山いくらのヒーローだったアイアンマンも出世したもんですねw
初代アーマーのダサさは異常。

2011/10/01 (Sat) 03:59 | EDIT | REPLY |   

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