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18 2020

天使にラブ・ソングを…

天使にラブソングを予告編天使にラブ・ソングを…
【原題】SISTER ACT 1992年【米】


ネバダ州リノのナイトクラブ「ムーンライトラウンジ」のクラブ歌手デロリスは、ネバダ一帯に縄張りを持つ大物マフィアのボス、ヴィンスの愛人。だがある日、ヴィンスが裏切り者を始末する現場を目撃したために命を狙われる。重要参考人として警察に保護された彼女は、ヴィンスの裁判の日までカトリック系の聖キャサリン修道院に匿われることになる。尼僧として振舞うことを余儀なくされたデロリスは堅苦しい生活に辟易するものの、やがて聖歌隊の指揮者を任され、俄然、歌手としての本領を発揮する。自身のノウハウから下手糞な聖歌隊を鍛え上げ、退屈な聖歌をモータウンの楽曲の替え歌にアレンジして派手なパフォーマンスを繰り広げ、保守的で厳格な修道院長との対立をよそに、一躍町中の人気者になる。そして、最初は疎んじていた修道院のシスターたちと、歌を通じて徐々に友情を育み、固い絆で結ばれていく……。

***

エミール・アルドリーノ監督によるコメディー/ヒューマン・ドラマ映画。
邦題と原題はだいぶかけ離れているものの、そのセンスから「名邦題」としてよく挙げられることとしても有名。
ただ原題の「SISTER ACT」も、直訳すると「シスターのふり」という意味で主人公デロリスの設定を指し示した題になってますがそれだけではなく、黒人女性という意味合いも含む「SISTER」「ACT(ショーを行う)」という意味、また「ACT」は『使徒行伝』の事でもあり、原題もシンプルでありながら様々な意味合いが込められた秀逸なタイトルである事もここで書いておきたい。

で、ストーリー。
身の安全を確保するためとはいえ、お硬い修道院での生活に嫌気がさし始めるデロリスなんだけども、厳格な修道院長に聖歌隊の仕事を担当させられた事から少しずつ流れが変わってきて、前時代的な修道院を、そしてお世辞にも治安がいいとは言えない町の雰囲気を『歌で変えていく』その展開が実に秀逸。
賛美歌を大胆にアレンジした各楽曲は最高の一言で、聴いていると思わず身体が動き出すほどにノリノリに。
「Hail Holy Queen」「I will follow him」はもう何度聴いたかわからん……!

主人公の周りを固めるキャラクター人も実に個性豊かで、大人しく弱気な性格のロバートや、とにかく陽気なぽっちゃり体型のパトリック、年配でありながらデロリスの作る新しい賛美歌を即気に入り、普通の賛美歌とデロリスの賛美歌のどちらを歌うかで多数決を求められた際もいの一番にデロリス派として手を挙げたアルマなど、とにかく印象深い人が多い。
終盤デロリスを捕らえたマフィアの手下ですら彼女が尼になっていたためにうかつに手を出せなくなってしまったりと、最初から最後までシスターという題材を使ってのコミカルな要素を入れる事を忘れない楽しい作風です。
もちろんコメディ一辺倒なわけでもなく、例えば型破りな行動ばかりを取るデロリスが結果として修道院を立て直し、周りの尼に良い影響を与えていったため、「規律に厳格な自身は古い人間」だと修道院長が自覚していく場面は少し悲しく、でも感情移入もしてしまうシーンに仕上がっていてとても好き。

この間久々に金曜ロードショーで再鑑賞しましたが、今見ても全く古びていない不朽の名作だと改めて感じました。オススメの一作!

 
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