ツルゴアXXX

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20 2011

ギャグ漫画家『G=ヒコロウ』先生の魅力的な作品群

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『G=ヒコロウ』というペンネームの、超ハイテンションなギャグを描かれる漫画家さんがいます。
カートゥーンのような記号化されたシンプルな絵が特徴的。
僕はこの先生を故・新声社が発行していたゲームパロディの4コマアンソロ本で知りました。
同人活動を高校の頃から始めており、その傍らこのような商業仕事を行っていたのだとか。

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かなりのゲーム好きっぷりが伺えるほどに様々なアンソロに執筆しています。
適当に新声社の『4コマ決定版』を購入したらかなりの頻度でこの人の名前があります。
あまりにも頻繁に見かけることと非常に個性が強い絵柄、そして先生が作り出す独自のカオス空間に魅了されてヒコロウ作品に嵌りだしたクチです。

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新声社以外の出版社のアンソロでも作品を描かれていたりします。
下のは光文社から現在も発売され続けている『火の玉ゲームコミックス』の零サムアンソロから。
他にも先生がFF11に嵌っていた時期もあってかエンターブレインから刊行されていたアンソロにもちらほら作品が収録されているとか。

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正直、アンソロでは(キャラ崩壊っぷりはスゴイですが)まだ比較的おとなしめな作品が多いです。
ホントに凄い事になっていくのはオリジナル作品のほうでして…
みんなはどう?

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「今月からオイラの日記マンガがはじまるよーー!!」
「相方のREY'Sだぜーー!!イヤだけどーー!!」
「無理やり始めたこの企画!! でもね!!」

「何も描くことがありゃしない」
「死ね。」


『月刊コミックゲーメスト』上にて1996年から3年の間連載された日記マンガとエロ漫画雑誌に掲載された短編をいくつか収録したヒコロウ先生初の単行本です。

~収録作品~

・みんなはどう?
・イン謀のセオリー
・ロシアより愛をこめて。
・バーバラデストロイド
・ブラッド アンド スカイ
・スーパートリックスーパースター。
・レオソ
・多重人格の探偵プシチョ
・ネコガミハカセ
・猫神博士2
・私とマタドールとこの部屋で。


日記マンガ『みんなはどう?』は掲載誌がゲーム雑誌の姉妹誌なのもあって、AOU、AMショーなどの様々なゲームショーのレポやコスプレイベントの取材、先生の同人活動の話やマンガのネタにするためだけに普通に漫画家仲間と遊びにいく話などをとてつもないハイテンションで描いています。

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左から、
『よっちー4才(現・白石ルチアーニ)『G=ヒコロウ』『道満晴明』『REY'S』『伊藤真美』となっています。
他にレギュラーキャラとして『OKAMA』『コドノマサオミ』(みんなはどう?9話で取材したコスプレイベントで知り合った人)が登場。
いやぁそうそうたるメンツですね。

アンソロのときと比べ、血管が切れそうなくらい高いテンションを持続し続けている他に類を見ない日記マンガです。
マンガのキャラ並みに個性的な先生方は必見。
人との約束をまるで守らない道満先生。
高校の頃からの腐れ縁で突っ込み役のREY'S先生。
やたらナヨナヨしたキャラのOKAMA先生。
数少ない女性メンバーの伊藤先生とよっちー4才先生と…

同時収録の短編マンガは先生の趣味の人外っ娘ネタが大量。
そしてカオスなネタと台詞回しで読者に疲労感を与えてくれます。

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掲載誌がエロ漫画雑誌なのに何一つエロくないのが素敵。
言っても下ネタレベルに留まっています。
(※左上の「イン謀のセオリー」という作品のみ唯エロ漫画誌デビューという事で直接的なエロ描写が含まれています。エロくないけど。結局ヒコロウ作品ですけど)

この辺からちょっとターボがかかった気はしますが
これはまだまだ序の口で、ここからさらに描かれる作品がさらにすさまじいテンションに変貌していくのでした
不死身探偵オルロック&プロフェッサーシャーボ

オルロック&シャーボ

「スーパーロボット くしゃみに反応して悶えるんだよ」
「聞くからに役立たずだね」
「はくしょっ」
「あっふん」
「はくしょっ はくしょっ はくしょっ」
「あうっふん うほほほん うおほおん」
「そのロボット 2億円で私が買おう」
「はっ!!出たわね物好き紳士!!」
「誰だよおい」

~収録作品~

・不死身探偵オルロック(※第11話まで)
・プロフェッサー・シャーボ


アスキー大爆発
月刊ファミ通ブロスに2000年6月号から2001年5月号までに掲載されていた分の『不死身探偵オルロック』と、同誌に1998年1月号から2000年1月号まで連載されていた『プロフェッサーシャーボ』を纏めた単行本です。
不死身探偵オルロックに関しては後述の完全版の紹介で解説するとして、まずはプロフェッサーシャーボの紹介。
女科学者のプロフェッサーシャーボが訳のわからない発明をしまくっては千葉県生まれのよっちゃんに辛辣な突っ込みを入れられるギャグ漫画となっています。
第1話~第9話までは4コマ漫画形式で、第10話から最終話までは唐突に普通の漫画形式に変更されているのもこれまた特徴的。

シュワちゃん猫パロディネタが豊富な作品なんですが、非モテな女好き『サトス』というポケモンのサトシのパロディキャラや、幽霊旅館に唐突に現れる『タムラマサカズ』やシャーボの発明した『ミニミニSPEED』貞子などを登場させたり、『暴いておやりよドルバッキー』『おれはグレートマジンガー』の歌詞パロや、ホラー映画によくある復活オチのパロディなど、パロディを主体とする他のギャグ漫画と比べてみてもネタのチョイスが非常に独特。
それにヒコロウ節が合わさるのだから、もうてんやわんやのしっちゃかめっちゃかってなモンですよ。
ちなみに『プロフェッサーシャーボ』は後述の『不死身探偵オルロック完全版』にも収録されているのですが、何故か4コマ漫画時代の第1話~第9話がまるまるカットされているのには要注意。
プロフェッサーシャーボが全話読めるのは本書だけ!
ついでに描き下ろし?の2P漫画『@ダイノフラゲラータ。』というオルロックとシャーボの共演エピソードが読めるのも本書だけ。

デビオと部下

みんなはどぅ?メガキューブ

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「走れ!!走れ!!火の山へーー!!!」
「進め一億火の玉だーー!!ギャー?!!一人?!」
「働くんだ生きてくんだショがないんだ」
「メーデーメーデーエスオーエス!!!」
「俺のため走れ小田急線!!白くて青くてカッコ…イイ…」
「池袋とーちゃーく 怖いね!!死ぬかもね!!!」
「今月2本マンガオトしましたーーオレハダレダオレハダレダ」
「働かザルもの喰うべからズ 墓からあの娘がグーテナハト」

「ムジーク。」



「どうすかドーマンさん。」

「何が。」


エロ漫画雑誌、ホットミルクメガキューブに掲載された『みんなはどぅ?』と各短編作品を纏めた単行本です。
この辺りから先生のカオス空間と異常なまでのハイテンションが最高潮にまで上がってしまった感じがします。
さらに見る人が見たら病人扱いしそうな絵柄に変貌。

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もう一コマ一コマの密度も尋常じゃないです。
日記マンガは基本2P程度の作品なんですが、一コマに書き込む量が多い上に小さく詰め込むもんですから1P読むのにも結構時間がかかるんです。
購入したゲームの話や唐突にぶっこまれるショートマンガなど自由すぎる内容。

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これなんてもうマンガですらない。

そして何よりも凄いのはホンの2P程度の連載ながら原稿を落としまくっているという話まで飛び出す点。
何で漫画家として生活できているのか不思議な人です。

~みんなはどぅ? #8から引用~

Q:「ヒコロウはいつ働いているのですか?」
A:「そうですね。」

Q:「ヒコロウって食えてるの?」
A:「パンとかね。」


ヒコロウ先生が原稿を落としてしまったために代打として掲載されたREY'S先生の『みんなはどぅ?』も本作に収録。
ネットで死亡説が流れたという話が出てくるあたりヒコロウ先生は普通のギャグ漫画家ではないと再認識させてくれます。
(これ以降も何度か死亡説が流れる)

~収録作品~

・イラストコレクション
・バルハラーバルキラー
・猫神博士(1~3を収録)
・みんなはどぅ?(ホットミルク版)
・まじで代打…
・みんなはどぅ?メガキューブ
・みんなはどぅ?番外地
・ミェールガール
・私とマタドールとこの部屋で。
・ボクサーラ
・GSGS3
・ライカバール
・刑事カランバ
・悪魔ガール デビーチカ
・電人バーホーゲン
・TRIMAID
・3mのコミケ人。
・とらのススメ。
・みんなが書く日記漫画(ゲストページ)


また、巻末の作品解説で「ウツではない」と明言。
実際短編マンガの方は日記マンガとは違い割りとちゃんと書いてますからね。
どっちにしても普通の内容じゃないですけど。

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みんなはどう? ZOMBIE

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Q.百問連続バトル!!さて君の親の誕生日は?
Q.ダールシールのラスボスって何?
Q.「いまどきいねえよこんな泥棒。」これ何のマンガのオビ文?
Q.ジルオーーール!デスサイズ持ったあのコは誰?
Q.カオスエンジェルス問題だ!忍者に首をハネられないためには誰と交わればいい?

Q.ごめん、飽きてきた。君、誰だ?


ヒコロウ先生の初単行本『みんなはどう?』まさかの復刊本となっている一冊。
タイトル通り、まさにゾンビのように蘇った単行本であります。
表紙も『みんなはどう?』を意識したようなモノになっていますね。

~収録作品~

・イラストコレクション
・なぜなにG→A/S→A it's ALIVE!
・みんなはどう?
・イン謀のセオリー
・ロシアより愛をこめて。
・バーバラデストロイド
・ブラッド アンド スカイ
・スーパートリックスーパースター。
・レオソ
・多重人格の探偵プシチョ
・鬼灯
・ロッカウェイナイト
・フリスクス
・ニクゲナテッキントレイン
・メンコ
・みんなが描く日記漫画
・あとがき


基本的には『みんなはどう?』の復刊なので収録作品の多くが単なる再録となっています。

ただし、『みんなはどう?』に収録されていた『ネコガミハカセ』、『猫神博士2』、『私とマタドールとこの部屋で。』『みんなはどぅ?メガキューブ』に再録されたのもあってか未収録
あと、『みんなはどう?』にあった作品解説とあとがきマンガも未収録となっています。

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その代わり本書には『鬼灯』、『ロッカウェイナイト』、『フリスクス』、『ニクゲナテッキントレイン』、『メンコ』という短編5作品が収録されています。
クリーチャーが登場するハイテンションギャグ系やちょっといい話系、下ネタ系とバランス良く(?)取り揃えられている印象。

『みんなはどう?』『みんなはどう?ZOMBIE』、どちらか片方購入するのであればこちらをおススメします。
両方買うのが一番ですが。

本書だけでも『コミゲ版みんなはどう?』の全話再録かつ書下ろしや新作短編収録という充実っぷり。
さらにお遊び要素としてページ下部には『百問連続バトル!』と称した謎のクイズコーナーがあったりもしますしね。
解答は書いてないですけど。

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佐倉ケンイチ先生、結城心一先生、有賀ヒトシ先生という、
絶妙に豪華な執筆陣による日記漫画も要チェック。
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書き下ろしのマンガはやや狂気を感じる。

不死身探偵オルロック 完全版

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「俺の名はオルロック!!」
「不死身探偵!!不死身の!!探!!偵!!」

「ワカルカナー?不死身の探偵 かなりのー本格派ー」


月刊ファミ通ブロスに2000年6月号から2002年9月号まで連載されていたギャグ漫画です。
探偵モノっぽいタイトルながら中身はマニアックなパロディネタと超ハイテンションギャグで構成されている作品です。
ファミ通ブロスは低年齢層向けの雑誌だったので何故ヒコロウ先生を起用したのか純粋に謎。

~収録作品~

・不死身探偵オルロック
・プロフェッサー・シャーボ(※第10話から最終話まで)
・オダキュー


201109201547165a9.jpgこのオルロックは過去にも一度ブロスコミックスから11話まで収録された単行本が発売されていたのですが、ブロスそのものが休刊してしまったため、そのまま続刊されずに終了。しかし2005年にビームコミックスが全20話を収録して完全版として復刊してくれたという流れがあります。

それでも一話4Pという短さなため、下記の『プロフェッサー・シャーボ』『オダキュ~』という作品も同時収録という形に。

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『プロフェッサー・シャーボ』という作品はブロスコミックスの『不死身探偵オルロック』にも収録されていたのですが、
この完全版では一話~九話がまるまるカットされています。
オルロックは確かに完全版と言える内容になっていますが、シャーボの方は何故か中途半端な収録という謎。
XXXのゴアちゃん

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「お…ッおおッ お”ほおおおッ」
「あんあんあんあん」
「(なん……だろ!?)」

「ようこそ!ベッドクライ道場へ!!ばあんずすたいる!」
「みっ みるなぁ みるなあああっ」
「よもや身内にお”ほぉ派がいようとは。」


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去年ようやく出たヒコロウ先生の単行本です。
様々な雑誌に掲載された作品が一冊に纏まり、非常に中身の濃い単行本。
現在も連載している?4コママンガ(全然4コマじゃない)「コアマガのGOREちゃん」「みんなはどぅ?メガキューブ」「都市伝説イラストコラム」、そして様々な短編作品などを多数収録している本書。
どれも1話1話のページ数は案の定少ないものの、すさまじいまでのコマ数や一コマに詰め込まれたパロネタとカオスギャグで面白さと疲労感を与えてくれます。
左の『王女はあの事件のショックで狂っていた…』の元ネタなんて何人の人が分かるのか。

~収録作品~

・コミックマーケット78・紙袋イラスト
・マトメナス(加筆修正)
・みんなはどぅ?ZOMBIE 宣伝マンガ
・1P田中さん
・2P田中さん
・帰ってきた1P田中さん
・嗚呼!!花の1P田中さん
・閃光の2P-1P田中さん
・コアマガのGOREちゃん(4コマ)
・コアマガのGOREちゃん
・水漬け!!オカルトうすら狩り部
・デイジーデイジー
・累ガイダンス
・メガストア ワールドビジネスサテライト
 (4コマ・みんなはどぅ?メガストア・イラスト)
・メガストア ワールドビジネスサテライト号外
・みんなはどぅ?メガキューブ
・都市伝説イラストコラム
・ハチミツとグローバー
・ザリ
・ケイ×ドロ
・ギドララ
・ミミズ
・アワレナマッシーン
・本日晴天 電波良好。
・スモーキン ザ ウォラー
・モンスターNo.9
・剣も魔法もないけれど。
・ゾンビ
・G=ヒコロウのセルゲームイラスト


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収録されているイラストカットなどを見ていると、
キャラクターのデザインセンスの高さもヒコロウ先生の魅力のひとつだと再認識させてくれます。
何かしらキャラデザの仕事を与えたら良い物を出してくれると思うのですがどうでしょうか。

◆まとめ
持ってない単行本やアンソロがちらほらある上に同人活動の方は全く追いかけていないので半端な感じのエントリーですが、とにかく嵌れば面白い作品を描かれておられる漫画家です。
仕込まれている小ネタも万人に伝わるかは分からない映画ネタ、ゲームネタ、漫画ネタ、ネットネタが豊富。
さらに登場する女の子は幅広い萌えジャンルに応えるものばかり。
(個人的に人外っ娘のデザインセンスが特に好き)
どの単行本も読了後の満足感が非常に高いので少しでも『合う』と思ったのならどれもおススメです。

個人のHPを持っていないために非常に動向を知りづらい漫画家としても有名だったのですが、
(それもあって定期的に死亡説が流れた)
現在はPixivやツイッターに登録されているのでそれなりに追いかけやすくなったのが嬉しいです。

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【関連記事:やたら印象に残ったゲーメスト作家たち】
【関連リンク:G=ヒコロウ同人作品】
  
  
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