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28 2020

SAMURAI SPIRITS(2019)(Nintendo Switch版)

令サムタイトル画面
天下無双の血闘活劇。

時は天明七年
先の日輪國での大乱と
時を同じくして
老中 田沼意次が失脚
新たに老中の任に就いた
松平定信により
寛政の改革が執り行われた
しかし各地の飢饉や大火
打ち壊しによる混乱は猖獗を極め
悪気 邪気とも言える暗雲は
今や日ノ本全土を覆わんとしていた


◆剣戟対戦格闘『サムライスピリッツ』シリーズ第11作目、約11年ぶりの新作
11年もの間シリーズが止まっていたSNKの格闘ゲーム『サムライスピリッツ』の完全新作!!!!!

2005年には2Dサムスピの最終作となるも残虐表現が取り払われ、攻撃力も大幅に下がり連続技の幅を増やすという普通の格ゲーに歩み寄ったゲーム性に変化した『サムライスピリッツ天下一剣客伝』が稼働。
その3年後の2008年にはサムスピは3D格ゲーとなり、相変わらず残虐表現はカットして(ただし海外版には搭載)、軸移動や空中コンボといったシステムが追加と、ぶっちゃけソウルキャリバーっぽくなった『サムライスピリッツ閃』が登場。

2004年の『サムライスピリッツ零SPECIAL』以降のサムスピはこんな感じでゲームデザインそのものを大きく弄りまくり、閃サム以降は長らくサムスピの新作は停止してしまいます。その後は家庭用ハードで過去作の再移植などを行い、お茶を濁し続ける状況が続いていたのですが……2018年の9月10日、ソニーによる映像ライブショー、『PlayStation LineUp Tour』にて突然シリーズ最新作『SAMURAI SPIRITS』が発表!!
そして、2019年6月27日にPS4とXbox ONEにて発売され、同年10月24日にはアーケード版も稼働開始、12月12日にはニンテンドーSwitch版も発売されたのでした!!!

令サム1 令サム2

令サム3 令サム4

というわけで、本記事はニンテンドーSwitch版をプレイしてのレビューとなっています。
……といってもSwitch版はグラフィックが他機種よりも少し荒くなっている事と、コラボ系のDLCコスチュームが未配信な事以外は全然違いが無いと思うのですが。
それと本作にはこれまでのような副題がなく、シンプルに『SAMURAI SPIRITS』というタイトルなのもあって、ファンの間では過去作との区別のため、令和最初のサムスピということで『令サム』という略称が定着しております。本記事でもこの略称を使っていきます。

ちなみに11年ぶりの新作といっても、厳密には2007年に『サムライスピリッツ外伝 チャムチャム』、2011年に『サムライスピリッツ鬼』、2014年に『サムライスピリッツ~剣豪八番勝負~』といったタイトルがパチスロで稼働していて、サムスピのIP自体はちょくちょく活用されてはいたんですけどもね。パチスロだったけど(しつこい)

***

今回の時系列は初代サムライスピリッツの一年前の日の本、天明七年(1787年)という設定を見るに、2003年にリリースされた『サムライスピリッツ零』一年後の世界観な模様です。
あと、参戦キャラのうちポリサムから再登場となるは左目が赤くなっていたりする点やストーリーを見るに、彼女は本作の時点で既にユガに操られているみたいですが、武器は陰魔輪と陽神輪ではなく無名の刀となっており、時系列に合わせた設定に変更されているのがしっかりしている。

また、ほぼ毎回主人公が変わる事でおなじみのサムスピですが本作の主人公はちゃんと覇王丸っぽいです。
とはいえ実際のところストーリーに大きく関わるのは新キャラクターの鞍馬夜叉丸であり、彼を使っているとラスボスの『静御前』の対戦前デモの台詞も専用のものに変わったりします。
今回のサムスピは源義経の物語がベースなのだ!

で、まず注目すべきは残虐表現の復活!!
残虐表現が許されたってのは色々あって移植に恵まれていなかった『サムライスピリッツ零SPECIAL』が、2年前にようやく家庭用ハードに完全移植された事からなんとなく分かっていたのですが、それでも新作にもちゃんと搭載されたのは嬉しい!!
サムスピは対戦時のひりつくような『死合』の雰囲気が魅力の一つでもあるので、個人的にはこのシリーズに欠かせない大事な演出だと思うのです。
【過去記事:サムライスピリッツ零SPECIAL】

ちなみにSwitch版の公式トレーラーでは残虐表現の存在が徹底的に伏せられていたのですが、結論から言うとこのSwitch版にもちゃんと残虐表現は搭載されています。
もうズバズバ切れる。ナコリムだろうが容赦なく真っ二つにされる。なぜCEROが『D』で収まっているのかが不思議……といっても切断された相手は消滅するってのが結構ゲーム的な演出であり、意外とそこまでグロテスクではなかったり。

令サム5 令サム6

令サム7 令サム8

下記にリンクした電撃オンラインでのインタビューによると、『残虐表現は過去作よりもややマイルドにしつつ、想像は掻き立てられるレベルに落とし込む』ことを意識していた模様です。
確かにあまりにグロすぎるとただのスプラッタ格ゲーになっちゃうので、そこを押し出すよりもサムスピの持つハードな世界観と死合いの緊張感を前面に出し、時代劇風の演出としてしっかり凝るようにするバランス感覚は大事だと思う。
実際今回は零SPほど死亡演出にバリエーションを用意しているわけではないです。でも戦ううちに返り血を浴びていったり、血溜まりが残ったりする新演出はなかなかに生々しい!

お次はゲームシステム。
今回は完成度が高かった一方で、結構システムが多くごちゃごちゃしていた『零サム』からすっきりシンプルにまとめた感じの作りになっていて、ゲージ関連も体力ゲージ怒りゲージのみになりました。
流石に初代ほどではないですがゲームシステムがやや単純になった事で、異様に隙が大きい代わりに他の格ゲーとは違って必殺技や連続技よりもよっぽど強い通常技の『強斬り』……。あの手この手でなんとか相手のガードをこじ開けて、ようやく作り出した隙を突いてこの強斬りを叩き込む!!……という、そんな昔ながらのサムスピの分かりやすい爽快感が今回完全に復活しています。

それと本作は、怒り爆発からの『一閃』、それと各キャラに一つ用意されている『秘奥義』の威力がデフォルトで異様に高い。
どちらも『一試合に一度だけ使用可能』という条件付きであり、『一閃』は発生が早く無敵も長い、リーチも長いとまさに最強の技なのですが、発動すれば怒りゲージは消滅してしまいます(威力は怒り爆発ゲージの残量に依存)

一方の『秘奥義』は、怒りゲージや体力ゲージの残量なんて一切関係なくいつでも出せる技であり、どのキャラの秘奥義も当たれば体力の約7割は奪えるという、まさに一発逆転のソレなのですが、とにかく発生が遅くキャンセルもできないので、対戦で当てるには工夫が必要になります。
例えば全キャラに搭載されている『弾き返し』が成功すれば相手がひるんでいるスキに秘奥義はほぼ確定させられますし、首切り破沙羅の飛び道具『鵺魂』のような、ふよふよ漂う気弾などがヒットして相手がのけぞったタイミングで秘奥義を出すと、うまく連続技として繋がったりとか……まあ後述のヤツは対戦でもそうそう狙えるものじゃないですけど。
基本的にはやっぱり弾き返しが成功した時か、相手が防御崩しをミスって隙だらけになった時を狙うのがベター。一応秘奥義は出始めにめちゃくちゃ短い無敵時間があるのでぶっ放しで使う選択肢も無くはないんですが、まず普通に潰されるレベルであり、バクチが過ぎるのであまりオススメしない。

もう一つ、本作は怒りゲージMAX時に発動できる、その名の通り相手の武器を吹き飛ばして素手状態にできる『武器飛ばし必殺技』が、大抵のキャラが防御崩しや通常技からのキャンセルで入りまくるのが非常に強力。
防御崩しから入るのはやりすぎじゃないかって気もするけれど、そこは防御崩しをとっさに回避できて反撃に移れる『避け動作』を使いこなす事で対処できます。
対戦に慣れると相手が防御崩しを狙ってきてるのはなんとなく読めたりしますしね。

こんな感じで、今回のサムスピはマジでギリギリまで逆転できる要素が常にある格闘ゲームに仕上がっています。対戦中、体力がリードしていても油断すれば即『死』に繋がるというこの緊張感がたまらない……!!
今までのサムスピの中でも一発逆転のエクスタシーをトップクラスに感じる事ができる作品じゃないだろうか。

令サム9 令サム10

令サム11 令サム12

キャラバランスについては『どのキャラを使っても、どんな組み合わせでもそれなりにちゃんと戦える』とだけ。
いやもう今の格ゲーってアプデでどんどんゲームバランスが調整されるから……!レビューで断定的な事を書いても後に修正されるのがザラなので……。『誰々が強い』ってのを書いても後のアプデで弱体化が入るかもだし……。
初期は幻十郎が異様に強くて対戦で猛威を奮っており皆使用していたとは聞きますが、現在ランクマで遊んでいる身としては結構みんな色々使ってる感じですね。まあそれ以前にSwitch版は人が少ないんですけど。
今の強キャラは(2020年1月現在)はアイツとかアイツとかアイツとか……気になる人は「令サム キャラランク」とかでググったりしてみてください。
ちなみに僕は千両狂死郎をよく使っています。右京さんも好きだけど、狂死郎は技がどれも派手なので昔からもっと好き。

◆〆
面白い!!!!!!!!
少し前にも書いたけど、今作は昔ながらのサムスピのゲーム性が完全に復活していて対人戦が本当に面白く楽しすぎる!!!!!
サムスピは他の格ゲーのように画面を大きく動き回ったり、複雑な連続技を繰り出すことは重視しておらず、冷静に立ち回り続け、極力隙が少なめな様々な技で牽制し合い、シンプルな通常技である『強斬り』で大ダメージを狙っていく……そんな『差し合いの緊迫感』を味わうゲームデザインになっています。
これは常々言ってるんだけど、サムスピは複雑な操作が求められない分かなり初心者がとっつきやすい格ゲーに仕上がっているので、格ゲーデビューを考えている人にもオススメしたいシリーズなのだ。

令サム13 令サム14

令サム15 令サム16

ここからは余談ですが、このSwitch版令サムでは、早期購入特典としてネオジオポケットの『サムライスピリッツ!2』の移植版もオマケで手に入ったりしました。ハイパーネオジオ64で1998年にリリースされた『SAMURAI SPIRITS 2 ~アスラ斬魔伝~』貴重な移植版でもあります。
ゲーム自体のレビューは以前に実機で所持しているのを元に執筆しているのでそちらで。
【過去記事:サムライスピリッツ!2】


てっきりシンプルなベタ移植かと思ったら設定でスキンを色々変更できたり、当時の説明書をスキャンして取り込んでいたりするなど中々力の入った移植でビックリ。ダウンロードソフトだからセーブデータ消失の心配もほぼ無いし!独自要素である『キャラクターカード』集めをし直すのが大変だけど……!
あと、隠しキャラのユガを使うのに隠しコマンドを入力する必要がなくなっており、黒子にカーソルを合わせてAボタン(ネオポケ的にはBボタンにあたる部分だけど)を押すだけでOKになってます。
単なる特典ソフトで終わるのがもったいないデキだったので、今後も同じ形式でネオポケソフトをどんどん移植してDL販売とかしてほしいなと思いましたね……。

令サム覇王丸エンディング

◆中国版令サムのタイトル『サムライスピリッツ 暁』の話

◆関連リンク
【SAMURAI SPIRITS PORTAL  |  SNK】
【SAMURAI SPIRITS 公式サイト  |  SNK】
【SAMURAI SPIRITS Nintendo Switch版 公式サイト  |  SNK】

【SAMURAI SPIRITS(サムライスピリッツ) 究極攻略最前線】
【ゴジライン サムライスピリッツ攻略記事】
【SAMURAI SPIRITS user's Wiki*】

【「SAMURAI SPIRITS」開発者インタビュー。令和に蘇ったサムスピの進化と,SNKが目指す新しい試みを聞いた】
【『サムライスピリッツ』DLCで“いろは”の参戦はありうる? 新キャラの誕生秘話や没ネタも】
【「SAMURAI SPIRITS」SNKサウンドチームインタビュー。独特な世界観を生み出している楽曲はどのように作られたのか】
【サムライスピリッツキャラクター制作事例 キャラクターモデル編】
【サムライスピリッツキャラクター制作事例 アニメーション編】

【「SAMURAI SPIRITS」と「FOR HONOR」がまさかのコラボ。新キャラ「ウォーデン」を選んだ理由や苦労話を開発ディレクターが語る】
 
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