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14 2011

駕籠真太郎/アナモルフォシスの冥獣

アナモルフォシス表紙_convert_20110907170837

「…まさかマジでミニチュアの世界に迷い込んだんじゃなかろうな…」

事件や事故の現場を再現し被害者の霊を呼び出す降霊イベント"アナモルフォシスの館"。
特撮セットの中で非業の死を遂げた男の霊の降霊に成功するが、
イベント参加者の男女6人が次々と怪死を遂げていく…。


奇想漫画家駕籠真太郎先生の最新作、『アナモルフォシスの冥獣』を最近読み終えました。
まず一言、この『アナモルフォシスの冥獣』すごく面白かったです。

説明しすぎると面白さが削がれていきそうな気がするので、
多少踏み込んだレビューを見てからでも良いと思っている人だけスクロールしてください。


自らを『奇想漫画家』と名乗る駕籠先生、そんな先生がそれまで描かれてきた作品は、
『エロ、グロテスク、猟奇、スカトロ』、そして『人体改造、人体破壊モノ』ばかり。

ありていに言えばエログロ漫画家の一人です。
ただ、作品では悲惨なストーリーを描くわけではなく、基本的にどぎついブラックユーモアとして楽しめる作品ばかりなのが魅力となっています。

しかし本作はれっきとしたミステリー作品
本の帯で『長編奇想空間』だとか、レビューサイトでは『ホラー作品』だとか描かれているのですがミステリー作品となっています。

【駕籠真太郎・最新作『アナモルフォシスの冥獣』ブログ】

【宣伝ブログが制作した予告編】


ストーリーは、あるバラエティ番組の企画で睡眠中の芸人に怪獣の着ぐるみを着せ、ミニチュアで制作した町に放置し、
自身を怪獣だと錯覚させるドッキリが行われるシーンから始まります。
その後ヒーローに扮した仕掛け人の役者に退治され、怪獣の着ぐるみは軽く爆発ドッキリ大成功!となるはずだったのですが、火薬の量を間違えた事により着ぐるみの中にいた芸人は死亡。
この死亡事故の後、番組の関係者は地方へ左遷、退職、自殺するという事態に。

アナモルフォシスの館の主人、平山はこの封印されたバラエティ番組のテープを、招待された人のみが参加できる肝試しゲーム、『アナモルフォシス』の参加者に見せます。

このアナモルフォシスというゲームは、殺人事件の被害者を降霊させ、参加者を閉鎖されたセットの中で何日過ごせるかを競うもの。
特定の日数を耐えることが出来れば賞金が出ます。
噂では死亡した参加者もいるという黒いゲームでもあるのですが…
アナモル_convert_20110913225205

そうして被害者の降霊が終了し、
参加者の肝試しゲームがスタート。

そして次々に起こる怪死事件…
かたやミニチュアの車に引かれ、かたや突然消失してミニチュアの町で人形と化して死亡、そして極限状況に陥り発狂する者…。

また、このアナモルフォシスと平行して別のストーリーも展開されます。
ミニチュア特撮を作るために町で色々撮影をする監督と助手のストーリー。
彼らは何故かアナモルフォシスで死亡した参加者をその町で発見します。

このように、傍目には超常現象ばかりが起こっているようなストーリー展開ですが、
ラストではしっかりと納得かつ驚愕のトリックが語られます。

いや本当感服しました。

これやろうと思えば実写ドラマにも出来そうなんですよね。是非観てみたい。
誰か作ってください。
tenngaisagiri_convert_20110913233329.jpgちなみに、本書は135ページまで丸々書き下ろし作品『アナモルフォシスの冥獣』となっていますが、それ以降は普通にエロ漫画が掲載されており、
『うぶモード』(※リンク先アダルト注意)に掲載された短編作品となっています。
エログロナンセンスな作品ばかり(っていうか普段良く見るほうの作風なんですが)さっきまでのシリアスは何処に行ったのかといった感じのブラックなギャグが満載。
これらが同時収録なのもあって本作を他人に勧めづらいという罠。

【収録作品】

・美少女探偵 天外沙霧
・雨女
・おすそわけ
・転校生
・忘れ物
・乱獲
・押し売り
・転移
・改造

『アナモルフォシス』とは打って変わって「ねーよ!」と叫びたくなる探偵モノエロ漫画や、猟奇殺人事件モノ、人体の一部が入れ替わる話など普通の発想では生まれないような作品ばかり。
最後の『改造』という作品だけは収録誌が同じエロ雑誌なのにもかかわらずエロ抜きのホラー短編でしたけど。

忘れ物_convert_20110913233424
エログロ漫画といってもギャグ交じりの妙な明るさのある作品が多いので、あまり抵抗無く楽しめるとは思います…多分。

氏の過去作品、『輝け!大東亜共栄圏』のような人体改造ネタほどはキツくないし、『正しい変態性欲』で見られたバラエティ豊かなうんこネタも無し。
色々と抑え目な感じでした。

それでも十二分に面白い短編ばかりだったんで満足。

【印度で乱数】(公式サイト)

本書とは関係の無い話ですが
ツイッターなどで更新されている駕籠先生の日刊マンガはエログロ要素も薄め(大体)普通に楽しめるものとなっているので、フォローしていると面白いですよ。
今ちょっと日刊マンガは休止中らしいですけど。

【ツイッター】
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