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11 2019

ジョナサン・ヒックマン&マイク・デオダート他/インフィニティ I・II・III

インフィニティ1 インフィニティ2 インフィニティ3

「期待通りですな、我が君。お喜びで?」
「否。地球こそが我が喜びだ」
「地球?」
「ご無体な。地球を狙って無事だった者はおりません」
「かの星は真夜中の闇をも打ち払います」
「地球は…愚か者の目指す地で」
「いかにも、その地球だ。
 なれど、かの星は変容し、かつてなく脆弱な状況にあるのだ。
 インヒューマンの王室には不和が満ち、ミュータント達は分裂した。
 そして何よりの朗報がある…兄弟姉妹よ。牙を研ぎ、大いなる饗宴に備えよ。
 今、地球には…アベンジャーズがおらぬ」


INFINITY COMING!

世界の崩壊を招く多元宇宙の衝突「インカージョン」。
生命の創造を司る超宇宙的存在「ビルダーズ」の到来。
桁外れの能力を秘めた新たなる超人「スターブランドとナイトマスク」の誕生。

世界最強のヒーローチーム、アベンジャーズと
世界を影から見守ってきた秘密結社「イルミナティ」は
かつてない激動の中にいた。

そして今、これらの事件が見えない糸で撚り合わされていく。

その行く末を見守るアベンジャーズだが、
彼らは自分達の挙動を見つめる者の存在に気づいていなかった……。

***

創生種族ビルダーズと対峙すべく、
アベンジャーズは、スターブランド、ナイトマスク、エクス・ニヒロ、アビスという異分子を戦列に加え、
宇宙へと旅立った。

しかし、その一方で、
多元宇宙の衝突であるインカージョン、ワカンダとアトランティスの戦争、
超人類インヒューマンズのニューヨーク到来と、騒乱の火種は燻り続けている。

しかも、この混乱に乗じ、かの狂えるタイタン人、
サノスまでもが腰を上げたのだ。

留まるところを知らない混乱の嵐は、人類をどこへ誘おうとしているのか……。

『アベンジャーズ:アベンジャーズ・ワールド』
『ニューアベンジャーズ:エブリシング・ダイ』
『アベンジャーズ:ラスト・ホワイト・イベント』
気鋭ジョナサン・ヒックマンが紡ぐ3つの物語が交わるクロスオーバー大作、ここにスタート!


◆収録作品

○Vol.I
2013年08月:New Avengers Vol.3 #7
2013年08月:Avengers Vol.5 #14
2013年09月:Avengers Vol.5 #15
2013年09月:Avengers Vol.5 #16
2013年10月:Avengers Vol.5 #17
2013年10月:Infinity #1

○Vol.II
2013年09月:New Avengers Vol.3 #8
2013年10月:Avengers Vol.5 #18
2013年10月:New Avengers Vol.3 #9
2013年11月:New Avengers Vol.3 #10
2013年11月:Avengers Vol.5 #19
2013年11月:Avengers Vol.5 #20
2013年11月:Infinity #2
2013年11月:Infinity #3
2013年12月:Infinity #4

○Vol.III
2013年08月:Infinity: Against the Tide: Infinite Comic #1
2013年11月:Infinity: Against the Tide: Infinite Comic #2
2013年12月:Avengers Vol.5 #21
2013年12月:Avengers Vol.5 #22
2013年12月:New Avengers Vol.3 #11
2013年12月:Infinity #5
2014年01月:Avengers Vol.5 #23
2014年01月:New Avengers Vol.3 #12
2014年01月:Infinity #6


◆関連作品過去記事
【アベンジャーズ:アベンジャーズ・ワールド】
【ニューアベンジャーズ:エブリシング・ダイ】
【アベンジャーズ:ラスト・ホワイト・イベント】

◆CONSTRUCTING APOCALYPSE(黙示録を成す)
『アベンジャーズ:アベンジャーズ・ワールド』では広い宇宙を旅し、生命の創造を使命とするビルダーズと、その尖兵として生み出されたエクス・ニヒロ、アビスとアベンジャーズの戦い、そして彼らが地球にもたらした超化学兵器『創世爆弾』により、世界中に「変容」を巻き起こす新生命が生み出され、混沌が巻き起こる様が描かれました。

次の『ニューアベンジャーズ:エブリシング・ダイ』では、秘密結社イルミナティが『インカージョン』と称される多元宇宙同士の衝突による地球滅亡……ないし自身の存在する宇宙そのものの消滅の危機を防ぐために様々な対策を講じ、その過程で並行世界の住人であるブラックスワン、テラックスと出会い、毎度のように巻き起こるインカージョンをなんとか防いでこの世界を延命させる物語が展開。

そして『アベンジャーズ:ラスト・ホワイト・イベント』では、かつて並行世界のマーベル・ユニバースで起こった『ホワイト・イベント』と呼ばれるマーベル・ユニバースの変革がこの正史世界、アース-616でも発生。新たな超人、ナイトマスクとスターブランドが生まれ、「アベンジャーズ:ワールド」から登場し続けている超人、キャプテン・ユニバースの謎はここでより深まっていくことに。

実力派ライター、ジョナサン・ヒックマンによる新たなアベンジャーズの物語はこの前3巻で伏線に伏線を重ねており、壮大なスケールのストーリーが近づいている事を予感させてきたところでついにスタートしたのが、一大クロスオーバーイベントとなる本作『インフィニティ』だ!!

***

創世爆弾の各落下地点から発せられる謎のシグナルにより、地球の電力の90%がダウンするという事件と、なんらかの計画を企てているA.I.M.の面々をアベンジャーズはひとまず退け、メンバーのキャプテン・ユニバースの指示に従い、チームのさらなる強化……エクス・ニヒロとアビス、そしてスターブランドとナイトマスクの加入を決定する。
しかし、かのシグナルの本来の目的は意味もなく地球の電力をダウンさせる事では当然なく、「宇宙の保全」と「浄化」を理由に惑星を破壊し尽くす、宇宙最古の文明民族である超宇宙的存在、ビルダーズにメッセージを届ける事であった。

メッセージを受信し、宇宙を耕作するために圧倒的な武力で各惑星を蹂躙、最後には消滅させていくビルダーズの艦隊。
人類の常識や価値観が通用しない、独自の思考回路を持つこのビルダーズの地球襲撃を喰い止めるため、アベンジャーズは銀河へと飛び立ち、銀河評議会に参加。
そこには同じくビルダーズの脅威にさらされている各銀河の戦士たち……スクラル人やクリー、ロナン率いるアキューサーズ、シーア―のインペリアル・ガード並びにブルードの艦隊、ネガティブ・ゾーンのアナイアラス、その他何十万もの星々から代表が集まり、銀河中の戦士が共通の敵を倒すために一時同盟を組むというクロスオーバーならではのアツイ展開が!!

しかし、ここまでの戦力が集まっているにもかかわらずビルダーズの艦隊の戦力は圧倒的で、ヒーローらは苦戦を強いられ続けてしまう事に。絶望しか見えないこの戦いで、アベンジャーズらは一体どのようにしてこのビルダーズから勝利を収めるのだろうか……?

ビルダーズに大敗を喫する銀河評議会
ビルダーズに大敗を喫する銀河中の戦士たち

一方、キャプテン・アメリカをリーダーとするアベンジャーズが離れた地球では、万が一宇宙でビルダーズを止められなかった場合に備え、防御を固める役としてアイアンマンが残っている状況。
そこを狙い、イルミナティがインカージョンを止めようとして失敗し、インフィニティ・ジェムが破砕したもののタイム・ジェムだけは『消滅』して地球のどこかへと消えた情報を掴んでいたサノスは、アベンジャーズの中心メンバーの大多数が地球を離れたタイミングを狙い、自身の配下ブラックオーダーを引き連れて地球を襲撃しはじめる。
地球に残ったヒーロー達で何とかサノスの軍勢に対して抵抗を続けるものの、こちらもまた強敵であり、なかなか退けるには至らないという拮抗した状況が続いてしまう。
また、サノスが地球を訪れた理由はタイム・ジェムだけではなく、インヒューマンズの都アティランを襲い、“とある人物”の命を奪うという目的もあった事が明らかになる……。

サノスの真の目的とは

で、それに加えてビルダーズとは別に宇宙消滅の危機となる超常現象「インカージョン」も、この大戦争の最中にあっても無慈悲に発生。
地球に混乱を巻き起こさないために、今回もイルミナティは秘密裏に、少人数でこの現象の対処にあたる事になるのです。やることが……やることが多い……!

普通なら「ビルダーズとの戦い」、「サノスとの戦い」、「インカージョンへの対処」のどれか一つで作品を一作やるところを、この『インフィニティ』では全部盛りで展開してしまうのだから恐れ入る。
それだけに終わらずかつてのクロスオーバーイベント『AVX』で出来上がったアトランティスとワカンダの対立がこの『インフィニティ』でより根深いものになったり、インヒューマンズの王、ブラックボルトが目論んでいた計画が物語の中で着々と進行したりするなど、重要エピソードを複数進行させながらなおかつ他の人間ドラマも絡み合っていく構成であり、ここまで詰め込んでもストーリー展開がぶれる事無く進行していくのだから、ヒックマンの頭の中の処理能力は一体どうなっているのかと本気で気になる。

◆感想
めちゃくちゃ面白かった!!!!!
物語の大ボリュームっぷりもさることながら、壮大なスケールの物語を息もつかせぬハイテンポで魅せ続けるという構成もあって、とてつもなく傑作な長尺の大作映画を見終えたかのような満足感のある作品でした。

とりあえずこのエピソードで『アベンジャーズ:アベンジャーズ・ワールド』から示唆されてきたビルダーズとの戦いにひとまずケリが付き、サノスとの戦いも意外な形で幕が下りる事になります。
ビルダーズ、サノス、アトランティスとワカンダの戦争、ブラックボルトが目論んでいた計画、インカージョン……それぞれが生存のための戦いという共通テーマで描かれていき、物語が瓦解せずにしっかり終結していくというストーリー展開の巧みさには唸らされる。

アベンジャーズは暴君サノスと戦う

そしてこの一大スケールの戦いを終え、ようやく一時の平和を掴んだかと思えば、最後の最後にイルミナティがブラックスワンから“絶望的な事実”を口にされるという不穏なエピローグで締めくくられる。ジョナサン・ヒックマンが綴る、このマーベル・ユニバースを襲う脅威の物語がまだまだ通過点に過ぎないというのがもう……!
『インフィニティ』という大ボリュームのクロスオーバーで『アベンジャーズ・ワールド』『エブリシング・ダイ』『ラスト・ホワイト・イベント』から続く物語を見事纏め上げたかと思えばここから更に風呂敷を広げていくのには驚かされるし、何より続きが気になる。
この後の展開も気になるので、どんどん続きの邦訳にも手を出していきたいと思います……マイペースにですが!!
【マーベルコミックス|アメコミガイド|ヴィレッジブックス】
  
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