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14 2019

キャビン

キャビン予告編キャビン
【原題】The Cabin in the Woods 2012年【米】


真面目な女子大生デイナは、友人のジュールスに誘われ、ジュールスの彼カートと、カートのアメフト部の友人ホールデン、そしてマリファナが手放せない変わり者のマーティの5人でバカンスへ出かけることに。行き先はカートのいとこの持ち物だという山奥の別荘。途中道に迷った彼らは朽ち果てたガソリンスタンドに立ち寄るが、全く愛想のない怪しい老主人は、「そこに行ったら帰れない」と言うばかり。なんとか目的地に辿りつくが、それはGPSにも表示されない深い森の奥、湖のほとりにあり、別荘というより山小屋といった風情の建物だった。その夜、楽しく飲んで騒いでいた彼らは、地下室へと向かう入口を見つけ、中に入ってみることに。地下室は、古びた人形やドレス、オルゴール、置物、絵画などで埋め尽くされている異様な空間だった。デイナはそこで古いノートを見つける。

─父が泣き叫ぶ母の腹を裂き石炭を詰めた。兄は肉を切り刻むと興奮するらしい。私の腕は食いちぎられた─

アナ・ペイシャンス・バックナーの日記と記されたそのノートには恐ろしい描写が綴られていた。そして彼らは酔った勢いと好奇心で、そこに書いてあった復活の呪文を読んでしまう。すると山小屋を囲む森の中で、何者かが目覚め、地中から這い出してきた。何も知らないデイナたちは、地下室を出てパーティーを続けていた。
そんな若者たちの行動をすべて監視している管制室。山小屋の中はもちろん、森の中、湖の周り、すべてに監視カメラが置かれ、そこで起きることはすべて、この管制室でコントロールされていた。デイナたち5人を山小屋へと向かわせ、ガソリンスタンドで道を尋ねさせ、山小屋で地下室へと招き入れたのは、この組織がすべて入念な計画と準備をした結果だったのだ。そして、最初の犠牲者は「金髪の娼婦」、つまりジュールスだ。

若者たちは、裏で起きていることも知らず、一人また一人襲われていく。謎の組織の思うままに。しかし、ある一人の若者の意外な行動から、計画は狂い出し、組織の目的が明らかになっていく。ここまで起きていたことは、壮大な計画の入り口にすぎなかった。その先は世界の破滅へと繋がっていたのだ──

***

ドリュー・ゴダート監督が手がけたホラー映画であり、共同脚本としてアメコミ好きなら名前を知っているであろうジョス・ウェドンが参加している一作。
上記のあらすじがややネタバレ成分強めな気がしますが(当時の)公式サイトのテキストそのままですし、『組織』の存在も予告編の時点で先んじて明かしている設定であり、こういう普通ならラストのオチに持ってきそうな展開を序盤の時点で判明させているのがミソな作品だったりします。

湖がある辺鄙な場所で馬鹿騒ぎする大学生グループが怪物に襲われるという展開、そして妙にエロい女大生や嫌味な性格の兄ちゃん、いわゆる『ジョック』が真っ先に狙われたり、無意味に全員がバラバラに行動して一人ずつ殺される羽目になったりなどといった“ホラー映画のお約束”をことごとく踏襲しつつ、それは前述した『組織』がそういう行動を取るように誘導しているというメタな作りが面白い。

とにかく怖いとかそういう感じじゃない意外な内容でめちゃくちゃ楽しい映画です。ジャンルこそホラーだけど、実際には様々なホラー映画の小ネタもこれでもかとばかりに盛り込んだ、ホラー好きに向けた最高のエンタメ娯楽作だったぞ!んでもって時折入るギャグも結構切れ味がするどい。組織の日本支部の人らはろくに休暇を取ってないとかの下りは笑う。
そして終盤に近づくにつれてどんでん返しのラッシュが続き、物語の勢いを落とすことなく怒涛のオチ(ここは賛否両論ポイントでもあるけど)に向かっていく。
そして多分ギャグとしてやってたわけじゃないんだろうけど、最後の最後にあの役者が登場したことで僕はもう反射で笑ってしまった!

というわけで超オススメの一作です。さっきも書いたけど本作、R-15指定な割には恐怖描写はそんなでもない(ただしグロいっちゃあグロい)娯楽作なので、ホラー映画ファンは是非見てほしい!
【10分でわかる映画『キャビン』に登場する全てのホラーネタ】
【Every Reference in The Cabin in the Woods】
【映画:キャビン その1 クリーチャー祭り : 片桐裕司ハリウッド映画のお仕事】
【キャビン その2:半魚人の水芸 : 片桐裕司ハリウッド映画のお仕事】
【キャビン その3 胸毛コンテスト : 片桐裕司ハリウッド映画のお仕事】
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2 Comments

うたろう  

No title

思わず記事にのせられてアマプラでみました。
めちゃくちゃ面白かったです!!
メタな話のおかげか、えげつないのにグロさを感じさせない塩梅がなんとも……

2019/04/15 (Mon) 13:55 | EDIT | REPLY |   

michael  

>>うたろうさん
僕は事前知識皆無な状態で見たんですが、こう「隔離空間での恐怖を描く感じなのかな?」という想像に反して結構な娯楽作だったのでビックリしつつも楽しみました。
いやー、ホラー映画ってまだまだ新しい見せ方が出てくるものですねー。

2019/04/15 (Mon) 16:59 | EDIT | REPLY |   

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