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11 2011

スタン・リー&ジャック・カービー/マイティ・ソー:アスガルドの伝説

アスガルド表紙

『人類が文字を覚えるよりはるか以前、その男は既に伝説だった!
 そして神々の故郷であるアスガルドの伝説ほどスリルに満ち、華やかで、
 胸躍る冒険と幻想に満ちた伝説は他にない!
 我々は自信を持ってお届けしよう、この新たな、時代を変える物語を。
 それは北欧伝説に基づいた「アスガルドの伝説」。
 マイティ・ソーを生み出した物語!!』


最新のカラーリングで蘇る
アスガルドの輝かしき物語

1962年、スタン・リーとジャック・カービーはマーベル・ユニバースを確立する途上にいた。新しいキャラクターを試行錯誤していた時、二人はあることに気がついた。“たった一人ですべての敵をなぎ倒せる超ヘビー級のキャラクター”が必要だと。彼らはまだ見ぬ超人を求めて、数千年の時を遡り、北欧神話へと辿り着いた。そう、“マイティ・ソー”の誕生である。

二人は『ジャーニー・イントゥ・ミステリー』誌上で、物静かな性格で足の不自由な医師ドナルド・ブレイクの物語を連載しはじめた。本書の巻末にも初登場号が収録されているが、ノルウェーに旅行中のドナルド・ブレイクは、偶然にもマイティ・ソーへの変身方法を見出したのであった。魔法のハンマー“ムジョルニア”の強大な力を駆使するマイティ・ソーの壮大なる冒険譚のはじまりである。以降、このキャラクターは、アベンジャーズの創立者として、アイアンマンやキャプテン・アメリカと親交を結び、ハルクやサブマリナー、さらには征服者カーンらと死闘を繰り広げるのであった。

マイティ・ソーは、マーベル・コミックスの最も偉大なるヒーローとして読者に支持された。だが、北欧神話に詳しい読者ならご存知のように、ソーは不死の神々の一員でもある。だとすれば、彼がスーパーヒーローになる以前の物語があってもいいのでないか?

神々が住むアスガルドの昔日の物語や青年ソーの物語があってもいいのではないか?スタン・リーとジャック・カービーは、これほど多くの物語が生まれる可能性を見逃すことはなかった。そこで彼らは毎号5ページのコミック「アスガルドの伝説(TALES OF ASGARD)」の連載を開始した。これは単なる“ソーの番外編”ではなかった。

偉大なる神の伝説をマーベル流に解釈した「アスガルドの伝説」は雑誌を彩る楽しい読みものの一つとして、重要な連載となった。古典的な絵物語風のコミックのスタイルに、スタン・リーの活気あふれる文章とジャック・カービーの勢いのあるアートが色を添えた。シルバーエイジ期のマーベル・コミックスに相応しい「アスガルドの伝説」は、壮大なアスガルドの神話に新たなる生命を吹き込んだのだった。

マーベル・コミックスは自信をもって本書をお届けしよう!この独創的な単行本は、最良の状態の原稿から復刻され、現代の名匠マット・ミラが最新のカラーリングを担当した。アスガルドの人気の源であった壮大なる世界観と、カービーの手によるキャラクターが、これ以上の条件で世に出ることはないであろう!


◆収録作品

1962年08月:Journey into Mystery #83
2009年07月:Thor: Tales of Asgard by Lee & Kirby #1
※『Thor: Tales of Asgard by Lee & Kirby』の作品自体は『Journey into Mystery』#97~#125と『The Mighty Thor』#126~#145に1963~1967年の間に連載されたもの。
2009年08月:Thor: Tales of Asgard by Lee & Kirby #2
2009年09月:Thor: Tales of Asgard by Lee & Kirby #3
2009年10月:Thor: Tales of Asgard by Lee & Kirby #4
2009年11月:Thor: Tales of Asgard by Lee & Kirby #5
2009年12月:Thor: Tales of Asgard by Lee & Kirby #6


◆Tales of Asgard!
新たな彩色_convert_20110811111514

『アスガルドの伝説』は、1963年~1967年の間連載された、一話5ページ程度で神話時代のソーのストーリーを描いたシルバーエイジ期の作品です。
アメコミ界の巨匠、スタン・リージャック・カービーが手がけました。

[作]
スタン・リー
1922年生まれ。コミック原作者。高校卒業後、1939年に後のマーベル・コミックスとなるタイムリー・コミックスに入社。編集と原作を担当し、ジャック・カービー、スティーブ・ディッコなどの優れたアーティスト達と共に数多くの作品を出版する。1961年、歴史的名著となる『ファンタスティック・フォー』1号の原作を担当。以降、X-MEN、アイアンマン、スパイダーマンなどの数々のスーパーヒーローを世に送り出した。マーベルの顔であるとともに現在でも原作を手がけている。

[画]
ジャック・カービー
1917年生まれ。コミックアーティスト。ジョー・サイモンと共にキャプテン・アメリカを生み出す。1961年『ファンタスティック・フォー』1号のイラストを担当。以降およそ10年間にわたり、スタン・リーと名だたるキャラクターを発表する。1970年代初頭、DCコミックスに移籍。1975年にマーベル・コミックスに戻り、キャプテン・アメリカの原作と作画を手がける。1994年逝去。他界してもなお彼のコミックブック業界への影響力は高まる一方である。


本書は最良の状態から原稿を復刻し、マット・ミラという方が最新のカラーリングを行ったものとなっています。
そのせいか「クラシックな作品は当時の彩色で読みたかった」という声もちらほら見受けられます。

新彩色_convert_20110811175737
本書

TalesOfAsgard_99.jpg
原書

とはいえこの彩色も十二分にジャック・カービーの絵を引き立てていると個人的には思います。
同じ絵なのに全然印象が違いますね。
絵の古さをあまり感じさせないです。

ていうか原書ではオーディンの肌があまり露出していないように見える彩色ですね…
どっちが正しいんだろ。

話としては、スーパーヒーロー物というよりかなりファンタジー色が強い印象。
登場人物は神々なのもあってか言い回しがいちいち仰々しく、一コマ一コマの文章量がなかなか多いです。
5Pしかないのもあってなのか頻繁にナレーションを挟みながら展開するので一コマ読むだけでもちょっと時間がかかったり。

とはいえ『ソー:マイティ・アベンジャー』では基本一回きりしか登場しなかったアスガルドの個性的なキャラクターの活躍を存分に楽しむことが出来ます。
個人的にお調子者でどこか抜けていながらも実力は確かな巨漢キャラ、ボルスタッグがお気に入り。

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不寝番を買って出ておきながら普通に寝てしまっていたボルスタッグの図。


本書にはおまけ要素として、

・マイティ・ソー初登場号『ジャーニー・イントゥ・ミステリー#83』日本語訳
・アスガルドの歩き方(地図や名所解説)
・キャラクター解説
・カバーアート特集
・年代別原書リスト


と、資料が充実しており、ソーの世界を楽しみたいのなら必読な内容となっています。
キャラ解説に至ってはマーベル・キャラクター大事典よりも分かりやすかったりして。
反面、世界観の解説は何というかスケールがでか過ぎてなかなか理解するのに時間がかかっちゃいます…
ていうか全然頭に入らん。

300P近い分厚さながら値段は『ソー:マイティ・アベンジャー』よりも安い2730円となっています。
まあ高いことには変わりは無いんですけど。
ここ最近ちょっと金銭感覚がおかしくなってないか自分で自分が心配。

今回解説はコマの枠外に書かれているのですごく読みやすいです。
小冊子片手に大型本を読むのはこれまでちょっとしんどかったので嬉しい。
といってもキャラ解説や舞台解説などはまた別に資料ページが用意されているので、枠外の解説はそんなに多くないですけどね(基本スタッフの解説が多め)

基本北欧神話がベースのストーリーなので神話に詳しければと元ネタと比較できてさらに楽しく読めるのかな?
ちなみに北欧神話以外にも何故かおとぎ話の『赤ずきん』『アリババと40人の盗賊』のストーリーが盛り込まれていたりします。

懲りない子_convert_20110811103241
懲りない子

他の見所としては序盤から中盤、ソーの義弟、ロキが毎度のようにソーを陥れる計略を張っては失敗するという流れがテンプレ化しているのが何か面白いです。
何度失敗しても懲りないところがもう。
たまに成功してアスガルドの敵対勢力とのコネを手に入れたりはするのですが。
これだけ裏切り行為を行っているのにアスガルドの人達になかなか咎められない所がなんというか大らか。

◆ジャーニー・イントゥ・ミステリー#83
変身!_convert_20110811171605

おまけとしてソーの初登場コミックも収録。
こちらも彩色が新たに行われています。

ヨーロッパを旅行中の医師、ドナルド・ブレイクがソーに変身する能力を得るという重要なオリジンが描かれます。

ストーリーはいきなり異星人が来襲、ブレイクは洞窟に逃げ込みますが肝心の逃げ道が大岩で塞がれており、このままでは袋のネズミに。
しかし偶然隠し部屋を発見し、その奥で古ぼけた杖を手に入れます。

その杖を振るってみるといきなり雷神ソーに変身!
杖は魔法のハンマー、ムジョルニアに変化。
そしてその強力なパワーを見て興奮するブレイク医師

その頃異星人は本格的に地球侵略を開始し始めます。
ブレイク医師はさっそくこの強力な力で異星人のもとへ戦いに向かうというストーリー。

ソーに変身しても戸惑う前にまずテンションが上がり、次にムジョルニアで何が出来るのかを色々実験してみるドナルド医師はなかなか適応力が高いです。

◆〆
充実した内容となっているので読み応えありな本だと思います。
映画や他のコミックでの客演などでソーに興味を持ったのであれば手を出してみても良いんじゃないでしょうか。
台詞が多めなのも合わさって1日で読みきれるボリュームではないのでちょっと覚悟がいりますけど。

爆笑北欧神話_convert_20110811180553

僕はストーリーの元になったという北欧神話も気になりはじめました。
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