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02 2018

アンヴィル!~夢を諦めきれない男たち~

アンヴィル!夢を諦めきれない男たち予告編アンヴィル!~夢を諦めきれない男たち~
【原題】Anvil! The Story of Anvil 2009年【米】


30年間夢を諦めなかった男たちの夢と友情を描いた、笑って泣けるウソのような本当のお話!!
カナダのトロントで結成され、1982年にアルバム『メタル・オン・メタル』をリリース、メタリカ、スレイヤー、アンスラックスといった現在活躍する人気バンドに大きな影響を与えたバンド、アンヴィル。しかし、当の彼らだけはスターダムにのし上がることなく、その存在を忘れられていたが……。地元でしがない仕事をしながらバンドを続け、いまだ名声と富を獲得する夢をやめないリップスとロブのうだつの上がらない生活、しかし、どんな苦境に立たされても楽観的に現実を乗り越えようとするバンドの姿と、少年の頃より育んできた友情と絆、そして半ば愛想を尽かしながらも長年彼らを見守りサポートしてきた家族やファンたちの姿……。

スティーヴン・スピルバーグの『ターミナル』の脚本を手がけた、サーシャ・ガバシ監督による、ユーモアと暖かいまなざしに満ちたドキュメンタリー!!夢を諦めきれないすべての人に捧げます!!

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こないだ放送された『世界まる見え!テレビ特捜部』という、海外番組を吹き替えでダイジェスト版として放送する番組内で『苦節30年!カナダの売れないバンドが日本で成功?』という題で本作の編集版が流れており、ちゃんとフル尺で見たくなったので鑑賞してしまいました。

本作は、80年代に一世を風靡したカナダ出身のヘヴィメタルバンド『アンヴィル』現在の鳴かず飛ばずな状況を2年に渡って密着したドキュメンタリー映画。
日本での知名度は「洋楽ファンなら知っている」って感じで、映画にも出てくるメタリカやモーターヘッド、引き合いに出されるボン・ジョヴィと比べると一般的にはそこまで知られてはいない……感じかな?

今や50代のおじさんバンドと化したアンヴィルのリーダーであるスティーヴ・“リップス”・クドローは給食の宅配を、親友で幼馴染のドラムのロブ・ライナーは建設作業員を行って生計を立てており、音楽では全く食べていけてない状況。
それでもアンヴィルの二人は一度も解散すること無く新メンバーを迎えて地元のライブハウスで、少人数のファンを前に演奏を続けている。

そんな低迷続きの音楽活動を送りつつもヨーロッパツアーの話が舞い込んでアンヴィルはそれを受けるんですが、スコーピオンズのマイケル・シェンカーには顔を忘れられていたり、リップスがカクタスのカーマイン・アピスに話しかけてもどこか反応が薄かったりとなかなか辛い場面が。プラハでは道を間違えて会場に遅刻し、観客の多くが帰っていた事を理由に演奏後に「ギャラは払わない」とオーナーに言われトラブルになったり、ドイツのミュンヘンではプロモーション用ポスターが作られておらず、雑な手書きの紙が壁に貼られているだけなど完全にナメられている対応が続く。果ては空港に寝泊まりする羽目になったりと、その姿はかつて人気を誇ったバンドとは思えぬ体たらく。
ルーマニアのライブでは1万人収容の会場で客が174人しか来なかったりと、熱狂的なファンは確かについているけど5週間のツアーとしては大失敗。ギャラはゼロだしレコード会社から声はかからず終わってしまう。
それでもリップスが後悔はせず、家族に支えられながら音楽活動を続けるのは現実が見えてないわけではなく、現実が見えている上で音楽に生きる道を選んだため。

「クソみたいな人生だけど、アンヴィルが俺に幸せをもたらしてくれる。アンヴィルとして収入は得られないが─喜びを得られるから生きていける。“今よりひどくなることはない”それが俺の考え方さ」というのが冒頭でのリップスのセリフ。
ギリギリな生活を送ってますが職にはついているので、バンドとしてはともかく人生が行き詰まってるわけではないし、家族も応援してくれているので今日までアンヴィルを続けることができているんですよね。そういう面では恵まれてるかも。

メタリカのラーズ・ウルリッヒ、スレイヤーのトム・アラヤ、モーターヘッドのレミーなどといったそうそうたる面々がアンヴィルの音楽を高く評価しており、バンドとしての実力は実際今も衰えていない。
なのに一発屋で終わったのは、映画を見るにマネージメント能力がとにかく低すぎたのが原因な模様。

そんな彼らですが50代になってもロックスターになることを諦めきれずに音楽を続けた結果、最後の最後に大きな転機が訪れます。
実を言うとドキュメンタリー映画のわりに展開が出来すぎな感じがあり(邪推かもしれませんが)、ある程度は映画としてちゃんと楽しめるように脚本があったのかもしれませんが、それを差し引いてもおじさんバンドの生き様がアツく魂が震えるドキュメンタリーでした。オススメ!!

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