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14 2018

アダム・ウォーレン&ヘクター・セビリア・ルハン他/ギャラクタ:パパは宇宙魔神

ギャラクタパパは宇宙魔神表紙
“私はパパと違って、本能なんかに負けないから。
 底なしの食欲を、この美しい小さな世界を守る武器として使うの。
 だって、あんまり魅力的な星なせいで、宇宙外来種に侵略されてばかりだもの。
 統計学的に見ても異常な数字だわ。
 そうよ、パパだってこのカワイイ星を5回も狙ったでしょ。
 ホント、ないよね。
 でも時々、パパの気持ちがわかっちゃうのが怖い”

アタシは星を糧に生きる宇宙大魔神の娘。
おなかが減ったけど、パパみたいに地球は食べたくない。
でも、見るもの全てをカロリー換算してしまう……。

宇宙魔神ギャラクタスの一人娘が、おなかを空かせてやって来た!
一部ではすご~く有名だった、マーベル屈指のマイナーヒロイン、奇跡の邦訳!


◆収録作品

2009年06月:Galacta: Daughter of Galactus #0
2010年02月:Galacta: Daughter of Galactus #1
2010年03月:Galacta: Daughter of Galactus #2
2010年04月:Galacta: Daughter of Galactus #3


◆DAUGHTER OF GALACTUS
ネット上で「アメコミにも萌えキャラはいるんだぜ!」という話題になった時、ほぼ確実に名前が挙がるキャラクターがいる。
それは、ファンタスティック・フォーで初登場し、以降も何度か地球に襲来してきた惑星を喰らう超存在……あの『宇宙魔神ギャラクタス』の娘、2018年4月現在マーベル・コミックスに一回しか登場していないドマイナーヒロインでありながら、異様に高い知名度を誇る『ギャラクタ』ちゃんだ!

というわけで、『Ms.マーベル:もうフツーじゃないの』『グウェンプール:こっちの世界にオジャマしま~す』『絶対無敵スクイレルガール:けものがフレンド』の3冊を購入した人向けの『応募者全員プレゼントキャンペーン』としてまさかの邦訳と相成った非売品『ギャラクタ:パパは宇宙魔神』を紹介したいと思います。

ツイッターをやっているギャラクタ

ギャラクタは父親とは違い、普段は人間の姿に化けて地球の文化を楽しみつつ、生物を喰らいたくなる衝動に抗いながら地球での生活を楽しんでいる女の子。
『ガリ』というHNを使い、ツイッターで父親に対する不満と空腹に対するイライラ感を呟くことで発散したりしている、実にイマドキな感じのキャラクターです。
ちなみに作中に出てくる彼女のツイッターアカウントは実際に存在しており、(現在は停止中ですが)色々な呟きを投稿しておりました。
【Gali(@Gali_girl)さん | Twitter】※一部の呟きは本書に翻訳が収録されています。

本作『ギャラクタ:パパは宇宙魔神』は、元々は編集アシスタントが新企画を考案してショートストーリーとしてまずコミックを発表し、読者投票で1位になった作品をシリーズ化するというアンソロジー、『Marvel Assistant-Sized Spectacular』の#2にて生まれたタイトル。

マーベルアシスタントサイズド
右のページ以降から本書収録の冒頭9ページ(#0)までがまず公開された
これが好評を博し、ダントツでギャラクタの企画が1位となったとか

その後マーベルのウェブコミックとして#1-3が公開され、後に全ページを一冊に纏めたリーフ『Galacta (or, "The World Eater's Daughter")』が刊行されたのでした。邦訳版の底本はこのリーフとなっています。
全話含めて計40ページほどの作品なため、TPBにはマーベルヒロインが主役のエピソードを纏めた一冊『Women of Marvel (Mighty Marvel)』にしか収録されていない貴重なタイトルだったり。


で本編の内容ですが、父とは違い目に映る物を何でもかんでも食べようとはしないギャラクタ。
代わりに彼女は地球に侵入してきた外来種……例えばスクラルの土着細菌とかクリーの生物兵器とか、食べることでむしろ人間や地球が救われる物を喰らうことで、その食欲を満たしていたんですね。

しかしそんな彼女の食欲や代謝が日を追う毎に増加し、いよいよ目に映るものを何でもかんでもカロリー換算してしまうほどになってきた。
最新の診断装置で調べてみると、その原因は彼女の中に入り込んでいた宇宙サナダムシ!!
自分ではどうにも出来ないので、父親であるギャラクタスに連絡してこの寄生虫を退治してもらおうとするも全然返事が来ない。
やむなく彼女は世界中を飛び回り、なんとか食欲を満たすために地球に迷惑がかからない食料を探す度に出る……という、やたらスケールの大きいギャグコミックです。

飯テロ画像につい目が行くギャラクタ

ウルヴァリンやマイティ・ソー、ファンタスティック・フォーなど、短いエピソードながらカメオ含めて様々なヒーローが、MANGAチックな雰囲気を取り入れたヘクター・セビリア・ルハンのアートで拝めるのにも注目だ!
ちなみにヘクター・セビリア・ルハンがマーベルで手がけた仕事は、2018年4月現在これ1作のみだったり。
【Hector Sevilla L.】
【elsevilla (Hector Sevilla Lujan) | DeviantArt】

◆感想
ギャラクタの存在を知って以降、その内容が気になって気になって仕方がなかった作品が、まさかこういう形で日本語で楽しめるとは思わなかった。
アートこそアメコミ的なクセが少なくて実に漫画的だけど、やっぱり台詞回しは向こうのセンスが全力全開であり、ギャラクタ自身の特異な設定も合わさって結構独特なノリの作品に仕上がっております。
何よりオチが相当にぶっ飛んでいて、こんなん普通の萌え漫画とかじゃそうそう見ないし困惑するぞって感じ!楽しめたけども!

作中では『シビル・ウォー』『シークレット・インベージョン』での出来事に触れているため、ギャラクタもアース616……つまり正史世界の存在であると向こうのマーベルウィキ『マーベルデータベース』では見なされているのですが、実際のところギャラクタの存在は他の作品では一切触れられていないし本作以外に一切登場していないため、今現在どういう扱いになっているのかは不明です。正直ホントに正史世界の存在なのかは疑わしいと思う。
ライターのカレン・バンが2013年のマーベルタイトル『The Fearless Defenders』にて「再登場させるつもりだったけど止めた」なんて話もあったりはするんですけどね。
【The Final Fate of Fearless Defenders | Cullen Bunn】

◆おまけ1:P9 PANEL1-2の修正
ギャラクタの修正シーン

初出時は左のようにギャラクタが眼鏡をかけていたのだが、現在配信ないし刊行されている右のバージョンでは眼鏡を外している。
前後のシーンではギャラクタは眼鏡をかけているので、眼鏡を外した修正がなされたのは矛盾しか生じていなくて真剣に謎。

◆おまけ2:ギャラクタのファンイラスト

よくネット上でギャラクタが紹介される際、公式イラストであるかのように貼られるこの2枚のイラストは、『羊箱』氏という方が描かれたファンイラストです。気をつけようね!

◆おまけ3:ギャラクタ邦訳の裏話
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