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04 2018

ピーター・J・トマシ&パトリック・グリーソン他/スーパーマン:トライアルズ・オブ・スーパーサン

スーパーマントライアルズオブスーパーサン表紙

「君や私を育てるとき…私たちの父親も…こんなに悩んだと思うか?」
「ああ。それが父親というものだ」


“偉大なる子供たち”がついに邂逅──

クリプトン星が残した最後の息子スーパーマン。彼には息子がいる。みずからの世界の壊滅から逃れ、一見似ているが奇妙なくらい異なる地球で、新たな生活を始めたスーパーマンは、惑星最強のヒーローという称号を取り戻した。その一方で、彼は妻ロイス・レーンとともに、能力が発現するようになった息子ジョナサンを支えている。平凡とはほど遠い家族には、落ち着く暇もないのだ。彼らを待ち受ける出来事を考えると、それも無理のないことだろう。恐竜島の発見、フランケンシュタインと彼の危険な花嫁との出会い……どれも鋼鉄の父子にとっては、日常の一コマにすぎない。しかし、別世界からの奇妙な訪問者たちに闇の騎士が捜査の目を向け、その息子ロビンとスーパーボーイのあいだに対抗心が芽生えようとしていた。


◆収録作品

2016年11月:Superman Vol.4 #7
2016年12月:Superman Vol.4 #8
2016年12月:Superman Vol.4 #9
2017年01月:Superman Vol.4 #10
2017年01月:Superman Vol.4 #11
2017年02月:Superman Vol.4 #12
2017年02月:Superman Vol.4 #13


◆関連作品過去記事
【DCユニバース:リバース】
【スーパーマン:サン・オブ・スーパーマン】

◆In the Name of the Father: World's Smallest
リバース版スーパーマン邦訳第2巻!!
前巻はひとつながりのエピソードを全6話構成で展開しておりましたが、この第2巻は複数の短編&中編で構成されており、バラエティに富んだストーリーを楽しめる一冊に仕上がっております。
なにより注目すべきは、スーパーマンの息子ジョンとバットマンの息子ダミアンがついに邂逅するエピソード!!
……なんですがとりあえず各エピソードを順番に紹介。

まず最初に収録されているのは『祭の一夜』という短編。
毎日スーパーマンとしてのお仕事が忙しいクラーク。
しかし今日はハミルトンで開かれるお祭りの最終日という事で、妻ロイスと息子ジョンの三人で遊びに行くことに。
「スーパーマン的な活躍はしない」と約束して、一家団欒のひと時を過ごすが、クラークは祭りに乗じて不良たちは強盗事件を起こそうとしている事に気づき……という内容。

1巻にも登場したジョンのガールフレンド・キャシーがジョンと結構親しげになっていたり、ジョンの学生生活の一端が垣間見えたり、ロイスにバレないよう結局こっそりとスーパーマン的な活躍をしちゃうクラークの姿などがコミカルに描かれ和む一編です。アートを担当しているホルヘ・ヒメネスの絵が可愛らしいのも良い。

お次は2016年に逝去されたダーウィン・クックに捧ぐエピソードとして制作された、『恐竜島からの脱出』という前後編のお話。
孤独の要塞で父クラーク、犬のクリプトと一緒に理科の宿題として小型のUFOを制作していたジョン。
だがUFOを起動させた瞬間それは水晶盤の方へと飛んでいき、三人は突如謎の光に包まれてしまう。
そして三人は、太古の生物が跋扈する謎の島……『恐竜島』へと転移してしまうのだった!

ダーウィン・クックに捧げる

スーパーマンらが仲間たちを喪い、ただ一人この島で生き残り続けるために戦っている軍人……『ルーザーズ』のストーム大佐と邂逅するという内容で、ダーウィン・クックによる名作『DC:ニューフロンティア』へのリスペクトが強い一編に仕上がっております。
ストーム大佐率いる戦闘部隊『ルーザーズ』がこの恐竜島を訪れ、壊滅に追いやられた詳しい経緯はこの『DC:ニューフロンティア』で確認できます。
前巻に引き続き、謎の装置によって操られた生物に襲われる展開もあり、今後の展開の伏線にもなっていそう。

そしてこの第2巻の大本命エピソード、『父と息子』!!
仲間のノーバディ、そしてゴライアスを使い、スーパーボーイことジョン・ケントを拘束したロビンことダミアン・ウェイン。
スーパーマンと一緒に月にあるバットケイブに侵入したり、ジョンが力を制御できなかったばかりにハミルトンの林やタカを燃やしてしまったり、飼い猫を殺してしまった事実(全て前巻参照)を掴んでいたダミアンは、『ジョンは危険な存在である』と考えていたのである。

息子が勝手な行動に出たことを諌めようとするバットマンだったが、ジョンが危険な目にあっている事にすぐさま気づいた怒れるスーパーマンがその場に乱入。二人の父親を巻き込み、一触即発の状態になってしまう……!

親バカ対決!
互いの息子のことが原因で『バットマン vs スーパーマン』が勃発してしまう

とはいえすぐに事情がわかり父親同士は和解。バットマンはジョンの不安定な遺伝子について調査してやることに。
その一方でジョンとダミアンはどうにも相性が悪く二人が目を離すとすぐに周囲を巻き込んで大喧嘩をしだす始末。
さすがに怒ったスーパーマンとバットマンは二人の装備を取り上げ、互いに協力しないとクリアできない特訓施設で試練を与えることにするのであった。
果たしてジョンとダミアンは協調性と言うものを学び、友人同士になる事ができるのか……?というエピソードです。

バットマンの息子であり現ロビンでもあるダミアンは優しい心を持ってはいるんだけれどどうにもやんちゃが過ぎる性格(けっこうな悪ガキ)であり、本書で同年代のジョンと絡むことでそれが強調されていて「ホント歴代ロビンの中でも特に良いキャラしてるよなぁ」と改めて思いました。
ジョンはジョンでダミアンにちょっかいをかけられる度に本気で殴り掛かるなど年相応の少年っぽさが現れており、前巻で見られたいい子ちゃんなだけではない一面が見れてこれがまた良い。

そして第2巻の最後を締めくくるのは、邦訳では珍しいフランケンシュタインとの競演回、『怪物の襲来』
このフランケンシュタインは19世紀にビクター・フランケンシュタイン博士によって作られた怪物本人であり、政府組織SHADEの工作員として働いているダークヒーローです。
『ジャスティスリーグ・ダーク』にも所属しており、『ジャスティス・リーグ:トリニティ・ウォー』でもその活躍がちょっとだけ拝めたり。
また、ニュー52まとめ本である『NEW52:グリーンランタン/ダーク』でも彼の個人誌である『フランケンシュタイン:エージェント・オブ・シェイド』を1話だけ読むことが出来ます。

で、本編の話。
『ハミルトン・ホーン』という地方紙を発行している新聞社で働く事に決めたロイス。
さっそく上司であるキャンディスから取材の仕事を頼まれるのですが、そこにフランケンシュタインが壁をぶち破って乱入。
キャンディスを『SHADEが追いかけてきた罪悪人』として始末せんとしてきたため、ロイスは彼女を引き連れて逃走、スーパーマンも妻の危機を察知してフランケンシュタインと対峙する……!って内容。

フランケンシュタインVSスーパーマン

このエピソードの見どころは守られ系ヒロインだった昔の姿はどこへやらとばかりに、こっそり持ち込んできていたヘルバットスーツの手部分でフランケンシュタインを吹き飛ばし、ホバーバイクを奪って全力で引き離そうとするロイスの強い女性っぷりですかね。
前巻でも息子を守るために月のバットケイブにあったヘルバットスーツを装着してエラディケイターと戦ってましたし、もうたくましさが凄い。
また、エピソード後編からはフランケンシュタインの元妻ブライドも登場し、二人の間にある『夫婦の問題』にストーリーがシフト。
リバース版スーパーマンのストーリーは『家族』もテーマになっているのですが、ここで仲睦まじい夫婦であるクラークとロイスがこういう二人に出会うという話作りがなかなかニクい。

◆感想
2巻もめちゃくちゃ面白かった!!
前巻よりもストーリーの雰囲気がかなり明るめになっていて、時にはしんみりする描写を交えつつもコミカルな描写を適度に加えて暗くなりすぎないようにしており、その塩梅が実に良い。

どのエピソードも良かったのだけれど、やはりメインであるダミアンとの競演回『父と息子』のストーリーが素晴らしすぎる。
『ジョンとダミアンがすぐ喧嘩する』⇒『スープスとバッツが怒る or 呆れ顔になる』という流れなんかちょっとギャグ漫画的な雰囲気が出ていて笑うし和む。
互いに偉大なヒーローである父を持つ者同士が出会い、ジョンとダミアンは衝突し合いながらも少しずつ関係を深めていく。
今後のストーリーでどのような化学変化を起こしていくのかが今から楽しみになる内容でした。

まだ発売日は未定ですが、スーパーボーイとロビンが主役となる『スーパーサンズ』も今後邦訳予定なので期待が膨らむ……!

ジョンとダミアンは友人同士になれるのか

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