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19 2017

ジャネット・ハービー&セルジオ・カリエロ他/バットマン:ノーマンズ・ランド 3

ノーマンズランド3表紙

「ヒーローは楽しいとでも思ったか?ゲームではない。
 ヒーローとは孤独な存在だ。ヒーローは一般社会には所属しない。
 ヒーローとは善悪の細い境界線を歩むものだ。
 なぜなら、ヒーローは人としての感情や運命などに束縛されない存在だからだ。
 ヒーローの真実と正義は一般の基準よりはるかに高い」


勇者たちの…決断

終わりの見えない“ノーマンズ・ランド”の混乱――
無政府状態のゴッサムシティで、
バットマンと同志たちの戦いは続いていた、
バーバラ・ゴードンの跡を継いだ新生バットガール、
ロビンことティム・ドレイク、アズラエルたちの奮闘は、
ゴッサムに残された善良な市民たちの心に希望の灯を点し始める。
しかし事態は、バットマン、そしてバットファミリーの意図を離れて急展開していく。
果たして、荒廃したゴッサムに再び平和が訪れる日は来るのか――

バットマン史上屈指の大作、“ノーマンズ・ランド”、ついに第3巻が登場!


◆収録作品

1999年09月:Batman: Shadow of the Bat #89
1999年09月:Batman #569
1999年09月:Detective Comics #736
1999年09月:Robin Vol.4 #68
1999年10月:Batman: Shadow of the Bat #90
1999年10月:Batman #570
1999年10月:Detective Comics #737
1999年10月:Robin Vol.4 #69
1999年10月:Batman: Legends of the Dark Knight #122
1999年11月:Batman: Shadow of the Bat #91
1999年11月:Batman #571
1999年11月:Detective Comics #738
1999年11月:Robin Vol.4 #70
1999年11月:Azrael: Agent of the Bat #58
1999年11月:Batman: Legends of the Dark Knight #123
1999年12月:Batman: Shadow of the Bat #92
1999年12月:Robin Vol.4 #71
1999年12月:Batman: Legends of the Dark Knight #124
1999年12月:Batman: No Man's Land Secret Files and Origins
2000年01月:Robin Vol.4 #72


◆関連作品過去記事
【バットマン:ノーマンズ・ランド 1】
【バットマン:ノーマンズ・ランド 2】
【バットマン:ハーレイ・クイン】

◆Stormy Weather
90年代のバットマンを代表する大作クロスオーバー、『ノーマンズ・ランド』のストーリーもこの第3巻でいよいよ後半戦に突入!!
2巻でちらっと登場したベインがミス・ホワイトという謎の女性からの依頼を受け、ゴッサムのキングとなるためにわざわざコロンビアからゴッサムに帰還。
ただでさえ縄張り争いが激化しつつあるゴッサムにさらなる混乱が巻き起こることになっていきます。

しかしバットマンも今現在はアナログな捜査手法しか使えないとは言え、外からの侵入者に気づかないほど迂闊ではない。
いち早く新たな混乱の種であるベインの前に立ち向かっていくのです。
3巻からはベインが新勢力として何度かエピソードに登場し、これまたストーリーを盛り上げていく感じ。

バットマンVSベインノーマンズランド

崩壊し、合衆国から隔離されたゴッサムでぶつかり合うバットマンと宿敵ベイン……これがもう映画『ダークナイト・ライジング』を思い出すシチュエーションで非常にアツい!
(実際ダークナイト・ライジングのゴッサム隔離展開は『ノーマンズ・ランド』を下地にしているらしい)

そして、ようやくこの第3巻からハーレイ・クインも登場!ハーレイがアニメからコミックの方に逆輸入されたのはこの『ノーマンズ・ランド』の時期であり、その初登場エピソードはノーマンズ・ランドのタイインも兼ねている内容だったのだけれども……ハーレイのコミック初登場回である『Batman: Harley Quinn』本書どころかノーマンズ・ランド全4巻には収録されておりません。
本書に収録されているハーレイのエピソードは“2回目”の登場回となっています。
ハーレイ初登場エピソードを見たいのであれば、以前ヴィレッジから刊行された『バットマン:ハーレイ・クイン』をチェックですね。

ジョーカーにまとわりつくハーレイ
「ハーレイに乗る?」というセリフは他でもちょくちょく見るあたり彼女の鉄板ジョークらしい

このハーレイ登場エピソード『コード』は、毎日熱烈アプローチをしまくるも全然振り向いてくれないどころか露骨に鬱陶しがるジョーカーに対し、恋愛マニュアル本を読んだハーレイが「押してダメなら引いてみろ作戦」を実行するというお話。

意外にも作戦は功を成し、部下とハーレイがいい感じになると露骨にジョーカーが嫉妬し始めちゃったりハーレイをデートに誘おうとするジョーカーの姿が拝めたりなど、今見るとむしろ新鮮な描写がやたら多い内容です。
ニュー52版のハーレイ誌がジョーカーと完全に縁を切るという展開だっただけに、久々にジョカハレ成分をたっぷり補給できて満足感がある一編だったのだ……
(ニュー52版ハーレイ誌もコミック自体はめっちゃ面白いです)

このベインやハーレイ・クインの登場エピソードだけでなく、1巻や2巻同様、様々なライターとアーティストによる短編、中編エピソードが幾重にも重なることで重厚な物語に仕上がっているのが本作『ノーマンズ・ランド』!!
というわけで、またいくつかのお気に入りエピソードを紹介していきたいと思います。

1巻でバットマンと対峙し取引して以降、すっかり便利な情報提供者ポジションになってしまったペンギン
ただペンギンが様々な物資を確保しているおかげで街の物資流通は安定しており、また飢饉や疾病の蔓延もある程度抑えることが出来ているため、ゴッサムが復興し街の経済が回復するまでは手を組む必要がある存在であることも確か。
そんなペンギンだけれども、『地下鉄道』という中編エピソードで見られる彼は「とある市民に対してできた借りを返すために行動する」という、前2巻までの闇市場の支配者なイメージがちょっと変わるなかなかにカッコイイ姿が描かれていました。

あと、『光の当たらない場所で』『ヒーローの条件』という全2話のエピソード。
不法移民を奴隷として使い電気を生み出しているチャイナタウンの現在の支配者、聖天拳会『FHS』からを移民たちを解放するため、バットマンは一時的に殺し屋のリンクスと手を組むというお話。
普段は利己主義者であるリンクスが移民の少女、メイを見てかつての自分の境遇を思い出し、義憤に駆られ正義のために行動を起こすのですが、その結末は……
正義のための戦いの結果が必ずしもハッピーエンドとは限らない。
記事トップにも引用しているのですが、バットマンがリンクスに与える言葉が凄く心に残る一編です。

最後に、スーパーマンが今度は一般市民『クラーク・ケント』として再度ゴッサムを訪れるエピソード『慈雨』

1巻の時にゴッサムを救うため、まずは電力を回復させるために自身のスーパーパワーを用いて行動するものの、手を取り合い協力するという事が出来ないゴッサム市民の人間性にうまく対応することが出来ず、バットマンに後を任せ無念にもゴッサムから離れるしかなかったスーパーマン。
この3巻ではテロリスト組織『ローカス』の企みをバットマンに伝えるという用事と、ゴッサムのバランスを壊さない程度にちょっとした手助けをしに来たというのがここに再度訪問しにきた理由だとか。

また、単純に友人としてバットマンの事を心配して様子を見に来たというのも心暖まるポイント。
バットマンに優しい言葉をかけてやるスーパーマンとのやりとりを見てるだけでもう……
ラストシーンのバットマンの表情はなんとも絶妙だと思う。

それとバットマンの「スーパーマンのような異質な存在はバランスを崩す。前回の時に言ったはずだ」という発言に対し、スーパーマンが「ここに来たのは初めてだよ。“クラーク”は初めてだ」と返す場面もすごく好きなのだ。

ノーマンズランド3巻ブルクラ1シーン
あとこのシーンもとても好き

◆感想
ぶっちゃけ今のところノーマンズ・ランドは事態の収拾に動くメイン展開よりも、街が崩壊したことで起こる人情話や人間ドラマ的な短編エピソードの方が好きかもしれない。
この3巻まででツボだったエピソードが大体そういう系統のエピソードばっかりなんで……
もうゴッサムは崩壊したままの方が良いのではないか(ダメだろ)

最終巻となる4巻は来年の2月にようやく刊行!!
まさかここまでスローペースな刊行になるとは思わなかったけど、ちゃんと最後まで出るのは嬉しい限り。
1巻の発売なんてもう2014年の9月だからね……さすがに内容がちょこちょこ頭から抜けてたので最近一気に読み直しちゃいましたよもう!
ノーマンズ・ランドでの出来事を裏からコントロールしている外部勢力の黒幕……バットマンはすでにその黒幕の正体に目星を付けているみたいなんですが、果たしてその正体とは?
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4 Comments

No Name  

No title

2巻までは追っかけてきたけど、正直これ面白いですか?私にとっては冗長です。
ペンギン登場回だけ抜粋で読みたい。

2017/12/22 (Fri) 19:04 | EDIT | REPLY |   

michael  

>>No Nameさん
記事の感想部分にもやんわり書いているのですが、まあさすがに「収録作の全てが面白い!」……とまではよう言わないですね……ピンキリですぶっちゃけ。
ノーマンズ・ランドはいろんな短編、中編が積み重なってじっくり進行していくストーリーなんで、好きなエピソードだけを何度か読み返す事のほうが多い感じかなー。
どの巻も個人的にツボなエピソードは多いので、総合的には楽しんで読んでますね!

2017/12/22 (Fri) 19:58 | EDIT | REPLY |   

No Name  

No title

>>マイコー氏
っすよね…。正直アズにゃんとか要らンわ!!
ザ・ボーイズとかグウェンプールとか、他にも面白そうなのあるしね。

ここで言うのもアレですが、3,000,000,000ヒットおめでとうございます。
記事毎にコメントしてる訳じゃありませんが、いつもお世話になっております。ありがとうございます。
お前をずっと見張っているぞ!

2017/12/23 (Sat) 11:11 | EDIT | REPLY |   

michael  

>>No Nameさん
>3,000,000,000ヒット
(まだ30億ヒットは達成してない…!)

>いつもお世話になっております。ありがとうございます。
(こちらこそいつも閲覧ありがとうございます)

>お前をずっと見張っているぞ!
(やばい…監視(ウォッチ)されてる…)

2017/12/25 (Mon) 22:06 | EDIT | REPLY |   

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