ツルゴアXXX

ARTICLE PAGE

13 2017

デニス・オニール&ジェリー・オルドウェイ他/バットマン:ワーナー映画公式原作コミック

バットマン―ワーナー映画公式原作コミック表紙

「なんと、わが心をついばむオンドリがここにも一羽……
 君がブルース・ウェインですかな?」

「ジャックって知ってるかい?悪党で、卑怯者で、乱暴者で……」
「私の趣味ですな」
「悪いことを考えすぎて、頭がおかしくなった。
 そしてどうなったと思う?結局はおだぶつさ。
 おまえもそうなりたいなら、手伝ってやる」
「一寸おたずねするが、青い月のなかで悪魔と踊られますかな?」
「何?」
「必ずこの質問をすることにしているもので……胸に風穴をあけてさしあげる前にな」


悪がはびこるゴッタム・シティで、次々と悪者を退治するヒーロー、バットマン。その正体を突き止めようと、報道カメラマンのヴィッキは、記者ノックスを引き連れ取材を開始する。一方バットマンは化学工場を襲った悪者ジャックと対決し、ジャックは廃液の毒の中に落ち死亡……したかに思われたが、ジョーカーとして蘇る!真っ白な顔に不気味な笑みがはりついたジョーカーは、バットマンへの復讐に燃えるのだった。


◆収録作品

1989年:Batman: The Official Comic Adaptation


◆Tell me my friend, have you ever dance with the devil in the pale moonlight?
たまには古い邦訳本も紹介したい!!(唐突)
というわけで1989年11月に刊行された本書『バットマン:ワーナー映画公式原作コミック』をレビューします。
本作はティム・バートン監督による、あの1989年の映画版バットマンをコミカライズしたという一冊だ!


もう有名過ぎるほどに有名過ぎる映画版のコミカライズだし、既に絶版本だし、全部で約60ページほどの薄い本なのでネタバレ多めでいきます。
あとこの邦訳本ではゴッサムシティはゴッタム・シティ、記者ヴィッキー・ベイルはヴィッキ・ヴェイルと訳されているため、本レビューもこの表記にのっとって書いています。

ちなみに本コミカライズのライターはデニス・オニール、アーティストはジェリー・オルドウェイ
基本映画のストーリーをなぞるだけなのにライターとアーティストが豪華すぎでないか。
【Dennis O'Neil - Wikipedia】
【Jerry Ordway - Wikipedia】

***

ジョーカー印のスマイレックスソース

ゴッタム・シティの治安を守るため、夜毎バットマンとして自警活動に勤しむブルース・ウェイン。
そんなある日、バットマンは化学工場を襲ったマフィアのジャック・ネイピアという男を追い詰めた結果、彼を廃液の中に落としてしまい、警察の追っ手から逃げるためにその場を後にしてしまう。

しかしジャックは生きていた。廃液の中に落ちたことが原因なのか、狂気に陥ったその日からジャックはジャックという名を捨て“ジョーカー”と名乗り、マフィアの有力者であるカール・グリソムの右腕であることを止めて彼を殺害。
復讐相手であるバットマンを呼び寄せるために、ゴッタム・シティを恐怖に陥れんと様々な事件を起こし始める。

一方、幼い頃に自分の両親を殺害した男がジャック・ネイピア……ジョーカーである事に気づいたバットマン。
バットマンとジョーカー、互いに因縁のある者同士が復讐に燃え、ゴッタム・シティを舞台に対決するのであった。

ジョーカーとの決戦だ!

***

本コミカライズは映画版とは微妙にラスト付近のシーンが異なっているのも注目ポイント。
このコミカライズではジョーカーが落下して死亡した後、『バットマン』も地面に倒れており警察が『バットマン』を包囲するのですが、実は記者のノックスがバットマンを逃がすためにケープを被って寝転んでいただけであり、その隙にブルースが現場から離れるというシーンが存在。
また映画ではヴィッキはノックスに対して頬にキスをしていたのですが、本コミカライズでは口にキスをしていたりといった場面が。
この一連のシーンは元々ワーナーがDCコミックスに送った元の脚本には存在していたようなのですが、結局映画ではケープシーンは削除され、口へのキスは頬のキスに変更。しかしコミカライズは既に制作済みであったためにこうなってしまったのだとか。

ケープをかぶらせそのスキに撤退

頬でなく口にキスするヴィッキ

◆感想
約60ページというのもあり、さすがに色々とはしょられてはいるけど映画版を思い出せる程度にはしっかり数々の名シーンを抑えていて良い塩梅のコミカライズでした。
ジョーカー関係の名場面も一通り抑えてあるしね。ジョーカーと化したジャック・ネイピアがグリソムを射殺するシーンはややあっさり気味になってたけど……あのシーン映画では陽気なBGMが流れ始めるのが最高に好き。
あと「眼鏡をかけた男をなぐりはすまいな?」「(無言の顔パン)」の流れをカットせずにちゃんと入れてるのはナイスすぎると思いました。

眼鏡をかけた男をなぐりはすまいな

映画を見たのはもうだいぶ昔で記憶もかなり薄れてると思ってたんだけど、これ読んだらかなり呼び起こされたなぁ。今更ながらブルースの両親の仇がジョーカーというのはものすごい大胆な設定改変なのにストーリーにしっかり馴染んでいる。

読んでてかなり懐かしい気分に浸れました。この邦訳は大量に刷られていたのかあまりプレミアが付いておらず、というか今のところ元値の550円以下で売られていることが殆どなので、興味があるなら手にとって見ても良いんじゃないでしょうか。
ちょっと翻訳が硬い感じはあるけど。

◆おまけ その1
本コミックは向こうでは『Newsstand Edition』と称してカバーアートを新しくしたものも存在します。
以下がそのカバーアート。

1989バットマンコミカライズニュースタンドエディション

◆おまけ その2
ジェリー・オルドウェイ映画版バットマン

ジェリー・オルドウェイによる本作のバットマンのデザイン画。
関連記事

0 Comments

Leave a comment