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12 2017

サムライスピリッツ零SPECIAL(PlayStation Vita版)

サムスピ零スペタイトル画面
NEOGEO最後の戦い ここに開幕!

鬼となりて、いざ逝かん。

神を斬り、仏を斬りて
天に仇為し我道を逝かん。

仁を断たらば修羅と為さん。
義を断たらば羅刹と為さん。

ニ拾八のつわものども、
対峙すれば死合うのみ。
己が死生を刃に賭けん。

技、極めること叶わねば
殺すことも、また情け。
道、貫くこと叶わぬ果て
野たれ死ぬとも、本懐なり。

無情の生涯、語るに及ばず。
我道に殉ぜし極みこそ
古今無双の死に様なり。

いざ、尋常に勝負せよ。


◆NEOGEOの最後を飾るサムライスピリッツであり、存分に『死合い』を堪能できる一作
「武器あり対戦格闘」の概念を確立した記念碑的作品といえるSNKの名作格闘ゲーム、『サムライスピリッツ』
2004年にアーケードで稼働した本作『サムライスピリッツ零SPECIAL』はそのシリーズ第9作(ハイパーネオジオ64やPSのサムスピ……いわゆる『ポリサム』を含めなければ2D作品としては第6作)であり、ネオジオ・MVSプラットフォームで製作かつ、ネオジオ・MVSで発売された最後の作品でもあります。
(厳密には2010年にドイツから『Fast Striker(高速ストライカー)』というシューティングゲームがリリースされていたりするけど)

前作『サムライスピリッツ零』のバージョンアップ版であるものの前作にあったようなストーリーは一切なく純粋に対戦ツールとして作り込まれた一作。
あくまでキャラバランスに手を加えたバージョンアップ版であるため、前作サムスピ零と同じ感覚でプレイできます。

前作からは隠しキャラのパピー、中ボスの黒河内夢路と萬三九六が登場せず、代わりに天草四郎時貞、羅将神ミヅキ、壬無月斬紅郎、兇國日輪守我旺といった過去作のボスキャラクターがプレイヤーキャラとして参戦し、全28キャラから選択可能に。

が、本作を語る上でどうしても外せないのは、やはり残虐表現の復活という部分でしょうか。
真っ二つになった死体が残る、生首が放り投げられる、体中が穴だらけになる、妖怪に喰われるなどなど……加えて本作唯一の新システム『絶命奥義』の搭載により残虐表現がかつてないレベルでパワーアップ。
過去作では残虐表現から守られていたナコルルやリムルルも例外なく残虐表現の対象となったため、2004年という時代を考えても国産ゲームとは思えぬこの過激な演出は、良くも悪くも大きく話題となりました。

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といっても本作サムライスピリッツ零スペシャル以前のサムスピは基本どの作品にも真っ二つに分断、縦に切り裂かれる、勝者が血飛沫を浴びる……などといった表現は搭載されており、血飛沫以外の表現が消えた前作サムライスピリッツ零のほうが存在的にはむしろ珍しかったりします。まあ前作は各キャラのエンディングが密接につながっていて一本のストーリーになっているという演出だったので、『残虐表現を入れて明確に死を表現すると辻褄が合わなくなる』というのもあったのかもしれない。
(真サム以降のナコルルやリムルルは残虐表現から守られていたものの、実はハイパーネオジオ64のサムスピの時点で片腕切断や胴体分断が可能になっていたりする)

その後ネオジオ最後を飾るソフトとして家庭用ROM版零SPが発売されたのですが、当時『佐世保女子高生殺害事件』が発生し、アーケードで稼動している本作に対してかなりのクレームが集中していた現状を省みて、なんとSNKプレイモア(当時の社名。現在はSNKに変更している)事前になんの説明もなく残虐表現を全カットして家庭用ROM版を発売。
全絶命奥義モーションが単なる一閃に変更され(本体設定にある残虐レベル1に強制固定)その絡みで様々なバグも発生する始末。

当時僕はしたらばの攻略掲示板をよく覗いていたのですが、『家庭用ネオジオROMは高価な分完全移植が売りだった』……にも関わらず、その最後を飾る家庭用版があまりに納得の行かない形で発売されたことで多くのユーザーが怒りを露わにした……というかみんなめちゃくちゃブチ切れてたのを覚えております。

結局その後交換対応という形が取られたのですが、絶命奥義のモーションは復活したものの一部の残虐表現はカットされて、しかもまた色々なバグが発生するというあんまりな内容になってしまい、加えてその後交換対応前のROMを改造したネオジオでプレイするとアーケード版同様の仕様で遊べることが明らかになったりしてみんな最初に発売された家庭用ROMを抑えようとしたりなど、なんかもうしっちゃめっちゃかのてんやわんやな状態になってました。
【サムライスピリッツ零スペシャル完全版への道】「NEO-GALLERY」様。WEBアーカイブ。

まあそういう感じで色々大騒ぎになった曰く付きのタイトルになっちゃったのもあり、次回作の『サムライスピリッツ天下一剣客伝』は血すら出ない超絶マイルドな作風に変化。
2Dサムスピの詰め合わせソフトである『サムライスピリッツ 六番勝負』でも零SPだけがスルーされて発売というありさま。
(でも収録されたタイトルの残虐表現はサムスピ零の羅刹丸EDを除き完全再現)
現在最後のサムスピである『サムライスピリッツ閃』も残虐表現は一切ない作品としてリリースされました。
(こちらは海外版のみ残虐表現あり)

半分黒歴史的タイトルな扱いを受けてしまっているため、サムライスピリッツ零スペシャルの家庭用はもう望めないのか……と思われていたのですが……なんと今年の7月に突然PS4とPSVitaで、ダウンロード専用ソフトとして家庭用移植のアナウンスが!


この残虐表現も完全に移植していることをアピールしまくっているやや悪趣味な公式トレーラー。
海外だけで日本では出ないんじゃないかと最初は不安に思っていたのですが……結論から言うと普通に日本でも今年の9月14日に発売されました。
しかもCEROは『C(15歳以上対象)』。ドット絵という確かにデフォルメ気味な表現で描かれているとはいえ「そんなもんでいいの!?」と驚かざるをえない。
兎にも角にも、10年以上の時を経てようやく『サムライスピリッツ零スペシャル』というタイトルが家庭でお手軽にプレイできるようになったのでした。
マジで長かった……

※実は2016年に海外のダウンロード販売サイト「Humble Bundle」にて「Humble NEOGEO 25th Bundle」のタイトルとして零スペの英語版が配信されていたりはしました。「Nebula」というネオジオエミュレータに“プロテクトを一切かけていないROMイメージとBIOS”を入れて売っていたとんでもない代物だったんですがちゃんとライセンスを得て販売していたらしい。このROMイメージを他のネオジオエミュレータに入れて筐体設定を変更することで日本語で遊べたりはしたけどなんかもう色々とアレな話題なのでこの辺で。

***

残虐表現絡みの話題が長くなりすぎた。でも当時から追いかけていた話題でもあるし、『家庭用移植がようやく出た』ということがどれだけ喜ばしい展開なのかしっかり伝えたかったのでこの話題は避けたくなかったのだ。

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僕が買ったのはPS4とPSVita両方で遊べるクロスプレイ版です。
でもPS4は持ってないのでPSVitaでプレイ中。ここからはPSVitaでプレイしての感想になります。

サムスピは同時押しのシステムが結構多いためコンフィグにも同時押しの設定があるのですが、その設定が「A+B」、「B+C」、「A+B+C」、「B+C+D」の4つであり、武器飛ばし必殺技や絶命奥義で用いることになるCD同時押しの設定がない。
まあこれは慣れでなんとかならなくも無いかな……
ちなみに僕は□を弱斬り、△を中斬り、◯を蹴り、✕を特殊、Lを「A+B(強斬り)」、Rを「B+C(不意打ち)」に設定しています。
(普段格ゲーはコントローラー派で、PS2版サムライスピリッツ零のデフォルト設定での操作に慣れていたのでこうしてます)

サムスピは近年のコンボ中心の格ゲーとは異なり、殆ど連続技が存在しない(無いわけではない)独特な作りとなっており、立ち回りと差し合いが超重要になっている『静』のゲーム。
あと個人的には前述したようにコンボメインの作風ではないので、結構初心者にもとっつきやすい格ゲーだと思ってます。

あの手この手で立ち回って相手の防御をこじ開け、大きなスキを見せたら下手な必殺技よりも強力な『強斬り』で斬りつける……!
この緊張感ある対戦と、敗北時、一瞬相手の身体の動きが止まってからの胴体切断というグロテスクだけど渋く美しい表現が最高に堪らない。
記事トップに引用したフレーバーテキストを読むだけでも本作のピリピリとした命のやり取りの雰囲気が感じ取れるのではないでしょうか。

ただし何故かプラクティスモードでは残虐表現が一部制限されています。
(例えば羅刹丸の絶命奥義で心臓をえぐり出すモーションが一部カットされていたりする)
このPS4、PSVita版はモードセレクトこそあれ基本的にはアーケード版とROM版のベタ移植なので、おそらくプラクティスモードは「絶命奥義を復活させたものの残虐演出をマイルドなものにした家庭用修正ROM版」のデータをそのまま引っ張ってきているんでしょう。

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◆感想
妖怪腐れ外道の様々な行動から移れる投げ必殺技『外道の烙印押し』が投げ間合いの広さと合わさって非常に強力だったり、シンプルに右京が高性能だったり、閑丸の必殺技『雨流狂落斬』がとあるバグにより高火力な技に化けさせることができたり、一部キャラクターに強力なデバッグ技が残っていたり(詳細は下記の関連リンクで。前述したように本作はROM版を移植しているのでこの技もそのまま搭載されている)など一部問題はあったりするものの、十分対策は取れるし腕次第でいくらでもフォローできるレベルであり、キャラバランスは高めな本作。
サムスピの対戦の楽しさを徹底的に追究した一作に仕上がっているので、少しでも興味が沸いたのであれば手を出してみてはどうでしょうか。
クロスプレイ版は1500円PS4、PSVita単体であれば1000円と非常に安価ですしね!!

零SP終劇

◆関連リンク
【サムライスピリッツ零SPECIAL公式サイト】
【サムライスピリッツ零SPECIAL攻略サイト】「ぽんしゃぶ弐号」様。
【サムライスピリッツ零スペシャルWiki】
【零SP隠しコマンド群。】「雨峠 広間的な頁」様。
【侍魂零掲示板】
【サムスピキャラ萌えスレの館】
【零SP騒動アーカイヴ】
【サムライスピリッツ零スタッフコメント抜粋(1)】
【サムライスピリッツ零スタッフコメント抜粋(2)】「鳥獣GIGA 西向くサムライ」様。
【サムライスピリッツ零SPECIAL完全版のお話】

 
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