ツルゴアXXX

ARTICLE PAGE

08 2017

アマンダ・コナー&チャド・ハーディン他/ハーレイ・クイン:ジョーカーズ・ラスト・ラフ(THE NEW 52!)

ハーレイジョーカーラストラフ表紙

「あたしは善人じゃない。でもね…あんたの痴れ言は混沌を生むだけよ」
「俺の特技なんでな」
「タワゴトはもうたくさん。これ以上は結構よ!」
「てめえにはウンザリだ」
「こっちだって同じよ」
「いや。嘘をつくな。てめえの気持ちなんざ無意味だ。
 真の望みはわかってる。俺がやるよ」


“夢の恋人”メイソンを救うため、
ハーレイが“悪夢の道化師”と対決!

ハーレイ率いる花の乙女の自警団、ギャング・オブ・ハーレイズ。
彼女たちが市民のために戦っている間に、メイソン・マカベはハーレイがもっとも足を踏み入れたくない場所……アーカム・アサイラムへと移送されてしまう。そしてその恐るべき場所で彼に目をつけたのは、ハーレイと決裂した彼女の“生みの親”。犯罪界の道化王子こと、ジョーカーその人だった。
因縁の二人がついに再会を果たす。真実の愛を語るとき、ハーレイは冗談など言わない!


◆収録作品

2016年01月:Harley Quinn Vol.2 #22
2016年02月:Harley Quinn Vol.2 #23
2016年03月:Harley Quinn Vol.2 #24
2016年03月:Harley Quinn: Be Careful What You Wish For
2016年04月:Harley Quinn Vol.2 #25


◆関連作品過去記事
【ハーレイ・クイン:ホット・イン・ザ・シティ】
【ハーレイ・クイン:パワー・アウテイジ】
【ハーレイ・クイン:キス・キス・バン・スタブ】
【ハーレイ・クイン:コール・トゥ・アームズ】

◆TWENTY-FIVE BIG ONES(ターニング・ポイント)
ニュー52版ジョーカーは扱いづらいのかとにかく他誌での出番が少なかった!
まずニュー52での初登場となる2011年11月のディテクティブコミックス第2シリーズ1話のラストにて、ジョーカーは自分の顔の皮をひっぺがして失踪。
これはジョーカーが再登場してバットマン達に襲いかかるバットマン第2シリーズのストーリー、『喪われた絆』編の伏線になっているので、このエピソードに至るまでジョーカーの登場そのものがまず不可能になってたんですね。
で、『喪われた絆』終盤でバットマンらち対峙したジョーカーは最終的に滝壺から落下し、またどこかに失踪する事に。

そしてジョーカーはかなりの間を開けて、今度は2014年のバットマン第2シリーズのストーリーであり、ジョーカーとの最終決戦が描かれる『エンドゲーム』編にてようやく再登場。
このエピソード序盤でバットマンの周りにいたある人物が実はジョーカーの変装した姿だったという事実が判明するため、“ジョーカーはずっと潜伏して攻撃の機会を窺っていた”という設定の都合上、どうしてもジョーカーは他誌でのゲスト出演が非常に難しくなっていたんですね
スコット・スナイダーのバットマンのストーリーにおいてジョーカーは非常に重要なポジションについていたのがどうにも足かせに。世界観を共有しているアメコミではこういう所で弊害が出てしまうのがなんともいえない部分ではある。

しかし、このニュー52版ハーレイ・クイン第5巻ではついに!ようやく!ジョーカーが普通にゲスト出演しちゃうのです!
本コミックの発売順序としては上記の『エンドゲーム』が完結後のため、ようやくジョーカーを登場させられるようになったとのこと。
スナイダーバットマンをやってる時は他誌だと誰かの回想だとか過去の時系列だとかハーレイの妄想だとかあの手この手のやり方でしか登場できなかったからね……ホント「ジョーカーがようやく解禁された!」って感じ。

とうとうジョーカーが他誌に登場!

ハーレイの現恋人であるメイソンが留置所で手酷い扱いを受けていたため、ハーレイは仲間たちと協力して色々と手を回し、州外の刑務所への移送を成功させた。
だがメイソンが移送されたのは史上最悪の犯罪者の巣窟である刑務所、アーカム・アサイラムであった!
ハーレイはもう一度メイソンを救い出すため単独アーカム・アサイラムへと乗り込むが、そこには元カレであるジョーカーも収監されており……というのがこの第5巻のメインストーリー。

『喪われた絆』でジョーカーとの関係性が変化し、このハーレイ誌でもジョーカーへの未練は描かれつつも新しい恋人を作って新たな人生を満喫していたハーレイ・クイン。
本書でようやく改めてジョーカーと向き合い、その関係にとうとうケリを付けるというのが最大の見どころです。
この5巻のジョーカーはカリスマ性のある狂人というよりは厄介なDV彼氏って感じで個人的に解釈違い感があったのだけれど、ハーレイがジョーカーに言い放ったセリフが最高にカッコよかったのでもうそれだけでかなりの満足感があった。

巻末にはルート・クレートという海外のサブカル専門の定期宅配サービスでの限定アイテムとして制作された短編コミック『ハーレイ・クイン:ビー・ケアフル・ホワット・ユー・ウィッシュ・フォー(願い事にはご用心)』を収録。
不思議なツボを拾ったハーレイ。中を開けたらなんでも願いを叶えてくれるジム・サラビムという精霊が現れて……というギャグエピソードです。
時系列としては結構過去に設定されているっぽい一作。願い事の内容に『ジョーカーをナイスガイにしてほしい!今でもあたしたちは交際中!』というものがあったりするので。
そして精霊の力でナイスガイにされたきれいなジョーカーには吹かざるを得ない。

ナイスガイになったジョーカー
みんな大好き名作『マッドラブ』のパロディにもなっている1シーン

◆感想
ニュー52世界ではジョーカーとハーレイのカップル描写がほぼ望み薄になったのがあの関係性が好きだった身としては結構寂しいものがあるけども、やっぱりこのハーレイのコミックはギャグとシリアスのバランスが絶妙で読んでいて楽しい。
ジョーカー関連以外の見どころとしては1巻で死亡したはずのアメリカ転覆を目論むテロ組織の生き残りのお婆ちゃん、ジーナ・ベンデモワがまさかの復活を遂げてハーレイとサイ・ボーグマンに復讐を果たそうとするのだけど、キッタない下ネタからのまさかのオチに終着するので是非読んでみてほしい。

本作で描写されるジョーカーはいつの間にかアーカムに収監されていて明らかにスナイダーバットマンでのジョーカーの設定と整合性が取れていないのだけれども、『ニュー52は他誌を追いかけていなくても一つの作品だけで十分な読書体験が出来るように作られている』とどれかの邦訳の解説で読んだような気がするので、つまりはそういう事なんでしょう。
正史ではあるのだろうけども、あんま他の作品とのすり合わせまでは気にしちゃいけないのだ。そういうものなのだ。

……そういえばこのハーレイ誌はバットマンも普通に登場してるんだよなぁ……スナイダーバットマン最終話後って考えれば辻褄は合う……のかな?
【ハーレイ・クイン5:ジョーカーズ・ラスト・ラフ 補足】

ジョーカーはいつもハーレイの事を傷つけてきた

関連記事

0 Comments

Leave a comment