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26 2017

スコット・スナイダー&ジェイソン・ファボック他/バットマン:エターナル<下>

バットマンエターナル下表紙
「お前のことはよく分かってるぞ、ブルース。誰よりもな…
 …お前はコレクションに隠れているだけだ。
 分かるはずだ。お前は負け犬なんだよ。
 武器も、警察も、アルフレッドも、新しい女の相棒も。
 子供がオモチャを集めてパパとママがいないことを忘れようとしているんだ。
 オモチャはもうないぞ、ブルース。私が取り上げた。
 お前が最後の戦いに立つ事はない。ここで死ぬのだ…
 私がお前から全てを取り上げ、対等になったこの時、私の方がお前より…
 …上だった事を噛み締めながら死ぬがいい」

ブルース・ウェインをおとしめる陰謀が、
全貌を現す!


ジム・ゴードンを更迭し、マフィアの傀儡がゴッサム市警に居座る。
一方で魔術を駆使する悪がゴッサム水面下でうごめく。一見バラバラに思われたこれらの出来事には、遠大な陰謀が隠されていた。すべてはバットマン――ブルース・ウェインをおとしめるために……。
ゴッサム中のヴィランたちが、彼らすらも恐れおののく謎の人物の下に集結する中、バットマン、そしてバットファミリーたちは、ゴッサムを救うことができるのか?


◆関連作品過去記事
【バットマン:梟の法廷】
【バットマン:梟の街】
【バットマン:梟の夜】
【バットマン:喪われた絆】
【ジョーカー:喪われた絆〈上・下〉】
【バットマン:ゼロイヤー 陰謀の街】
【バットマン:ゼロイヤー 暗黒の街】
【バットマン:真夜中の事件簿】
【バットマン:エターナル<上>】

◆収録作品

2014年12月:Catwoman Vol.4 #35 ※冒頭3ページのみ。
2014年12月:Arkham Manor #1 ※冒頭4ページのみ。
2014年12月:Batman Eternal #28
2014年12月:Batman Eternal #29
2014年12月:Batman Eternal #30
2015年01月:Batman Eternal #31
2015年01月:Batman Eternal #32
2015年01月:Batman Eternal #33
2015年01月:Batman Eternal #34
2015年02月:Batman Eternal #35
2015年02月:Batman Eternal #36
2015年02月:Batman Eternal #37
2015年02月:Batman Eternal #38
2015年02月:Batman Eternal #39
2015年03月:Batman Eternal #40
2015年03月:Batman Eternal #41
2015年03月:Batman Eternal #42
2015年03月:Batman Eternal #43
2015年04月:Batman Eternal #44
2015年04月:Batman Eternal #45
2015年04月:Batman Eternal #46
2015年04月:Batman Eternal #47
2015年05月:Batman Eternal #48
2015年05月:Batman Eternal #49
2015年05月:Batman Eternal #50
2015年05月:Batman Eternal #51
2015年06月:Batman Eternal #52


◆今夜は、我々全員がバットマンだ
作中のとある人物がゴッサム市警を手中に収めるために行動していたことがわかり、さらにその人物を手先として操っていのは強敵ヴィランの『ハッシュ』であったという事が明らかになったところで終わった『バットマン:エターナル上巻』
ここまでデカい真実が判明したのだからあとはハッシュらと直接対面して事件解決かと思いきや、ここからさらに20話以上かけて更なる謎が次々に現れ、容赦なく発生しまくる数々の事件にバットマンだけでなく読者も振り回されていくことになるのが本書、『バットマン:エターナル下巻』です。

ゴッサム全土で発生中の交通渋滞、刑務所で起こった暴動、無線LANの誤動作や大量殺人、アーカム・アサイラムの崩壊、不動産の暴落、ウェイン社の不祥事、警察の腐敗、ギャングの抗争……そしてヴィラン達が起こす数々の事件。
一見するとバラバラなこの事件全てが実は裏で繋がっている。

バットマンは様々な可能性を検討して黒幕と思われる人物に接触していくのですが、全てなしのつぶてで一向に真実にたどり着けない。
基本的にミステリー要素が強めなバットマンはなんだかんだで最終話に近づくにつれて真相がおぼろげに見えてくるのがセオリーな感じだったのですが、こと本作においては真相解明パート直前まで殆ど何も見えてこないため、黒幕にたどり着けなくて焦るバットマンの感情と読者である自分の心情がシンクロする感覚を味わえましたね……

黒幕は誰だ?

バットマンを手助けしていくうちに、父アルフレッドとのわだかまりも解けていくジュリア・ペニーワース、ヴィランである父クルーマスターとその追ってから逃げ惑い、自警活動を通してバットマンやバットファミリーに関わっていくスポイラーことステファニー・ブラウン、とある悲劇をきっかけに父ライオンの跡を継ぎ、事態を収拾するためにゴッサム暗黒街の大親分に就任したキャットウーマン、バットファミリーが窮地に陥った事でハーパー・ロウからヒーロー、『ナイトバード』として戦う事を決意するシーンなど、バットマン以外の人物による人間ドラマも盛り沢山!この群像劇的な作りも本作の楽しいポイント。

それとこの下巻も様々なバットマンヴィランが総登場していて実に賑やか。上巻に比べるとマッドハッターやリドラー、引き続いて登場のミスター・フリーズやペンギン、クレイフェイスやベインなどメジャー級のキャラの活躍が多めな感じです。
それにしてもハッシュ、上巻で登場した新オリジンを読んだ時にも思ったんだけどリランチ前に比べてブルース・ウェインに対する依存っぷりがなんかかなり気持ちの悪い状態になっていてとても良い(←?)ので、ハッシュファンの人はこのニュー52版の彼を是非確認してみて欲しい。ジョーカーとはまた違うベクトルのソレ。

ただメジャー級ヴィランが中心といっても、例によってマイナーどころのヴィランもちょくちょく登場します。
『ゴッサム・アカデミー』で普通に教師をやっていたプロフェッサー・マイロも顔を出しますし、リーグ・オブ・アサシンズの一人であるドマイナーなヴィラン、エベネザー・ダアクも顔を出しております。
(本作以前にも『タロン』誌に登場していたらしい)

あと『桑田次郎バットマン』『バットマン:インコーポレイテッド』に登場したヴィラン『死神男』までもがまさかの再登場を果たしていて驚き。そしてなんか妙なテンションの性格になっていてまた驚き。
君そんなキャラだったっけ……?
死神男もタロン誌の方で活躍していたらしいのでちょっとコミックの方が気になってきた。

再登場!死神男
そして不死身体質なのを良いことにバッツに容赦なくボコられるのであった

◆感想
めっちゃ面白かった……っ!!!
ストーリー終盤で黒幕の正体と次々に起こった大事件の繋がりの真相が明らかになるところではほんとに「してやられた!!!」って気持ちになりました。悔しい……!!!!!
先の展開があまりに読めなくてボリューミーな作品なのに一気に読み進めてしまった。すごいパワーのある一作だったぜ……!
上巻の感想にも書いたけど、やはり本作を読む前に「スナイダーのバットマン」だけでも一通り抑えておいたほうがよりストーリーを楽しめると思います。結構……というかかなりバットマン第2シリーズの流れを組んだ展開が多いんで。

あと付属の解説書では、上巻のレビューでも触れたティザーイメージである『バッツギビング』に仕込まれていた伏線の解説があるのも嬉しい!
本作『バットマン:エターナル』はストーリーもさることながら、ステファニー・ブラウンやカーマイン・ファルコーネ、ハッシュ、数々のマイナーヴィランなどのキャラクターが一気にニュー52世界に参戦してバットマンの世界観が大きく広がったという面でも注目の作品だと思います。とにかく見どころが盛りだくさんで、かつ単なるお祭り作品に終わらないハイクオリティな作品でした。
超オススメ!!!

諸君勤務開始だ

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