
「泣きたいんだナット。本当に。
でもこのクソッタレな目じゃ泣くこともできねぇ」
怒りと復讐、そして暴力の悪循環
無法地帯と化したゴッサムで今宵もトミーは銃声を轟かせる!!
Tommy makes the sound of gunshots echo through the lawless streets of Gotham tonight!!
吸血鬼に飛びかかられ、恐竜に襲われ、ギャングと撃ち合おうと、
トミーと仲間は決して逃げない!!!
Tommy and his friends never run away!!
◆関連作品過去記事
【ヒットマン Volume1】
【ヒットマン Volume2】
【ヒットマン Volume3】
◆収録作品
1999年05月:Hitman #37
1999年06月:Hitman #38
1999年07月:Hitman #39
1999年08月:Hitman #40
1999年09月:Hitman #41
1999年10月:Hitman #42
1999年11月:Hitman #43
1999年12月:Hitman #44
2000年01月:Hitman #45
2000年02月:Hitman #46
2000年03月:Hitman #47
2000年04月:Hitman #48
2000年05月:Hitman #49
2000年06月:Hitman #50
◆FOR TOMORROW
邦訳ヒットマンは最終巻まで一気に同時発売されたので矢継ぎ早に第4巻を楽しむ事ができる幸せ。
本書収録のエピソードはバットマン関連誌での大規模クロスオーバーイベント『ノーマンズ・ランド』をやっていた時期というのもあり、ゴッサムを舞台にしたヒットマンも当然クロスオーバーに参加しています。
『DeAd MaN's LAnD(死者の国)』はトミーたちがマギーという女性に依頼され、ゴッサムのコルドロンに取り残されたという6歳になる息子マイケルを探しに行くというエピソード。
しかしコルドロンは政府が捨て去ったこの地に目をつけた吸血鬼たちが支配しており、マイケルも吸血鬼の手によってトミーたちの目の前で殺害されてしまう。
怒りに震えるトミーはコルドロンを取り返すため、そしてマイケルの命を奪った報いを受けさせるため、吸血鬼たちと一戦交えるのだった……というお話。
次なる『FOR TOMORROW(殺し屋たちの挽歌)』は1巻から登場している腕利きの殺し屋で、トミーの親しい飲み仲間でもあるリンゴ・チェンのメイン回。
リンゴに出来た彼女がなんとトミーの元カノであるウェンディであり、それがきっかけでリンゴが殺し屋である事が彼女にバレてしまい、トミーとリンゴの間にちょっとした溝ができてしまう。
そんな最中に香港マフィアのサー・リチャード・ハーコートの部下であるウォーターマンの襲撃に遭い、トミーとリンゴは共闘するも捕まってしまい、見るも無残な拷問を受けることになってしまうのだった……というエピソード。
リンゴの語る自分の過去、窮地を脱するためにたった二人で大人数を相手にする展開、そしてリンゴが以前から話していた“死神”など、これまたヒットマンの名エピソードと言っても過言ではない一作でした。

1巻から続くやりとりでいつか二人が殺し合う展開になっちゃうんじゃないかと不安視していたものの
実際にはカッコイイ会話を交わしての共闘が見られて嬉しい
次は合間に『The Morning After The Night Before(その夜の翌朝)』という短編を挟んで、第4巻屈指のカオス回『FRESH MEAT(新鮮な肉)』がスタート。
タイムマシンの事故で成金たちの恐竜時代での狩猟ごっこに巻き込まれたトミーとナット。
案の定恐竜に襲われて命からがらタイムマシンで元の時代に逃げ帰るもなんと恐竜たちまで現代のゴッサムシティに付いて来てしまった!という、ノーマンズ・ランドで大変な事になってるのに何やってんだって感じのエピソードです。

ゴッサムが大変なことになってるぞ!大丈夫か!?
そして第4巻最後のエピソード『THE OLD DOG(老犬―オールド・ドッグ―)』は、トミーの親代わりでもあり、今もトミーの事を支え続けているショーン・ヌーナンのメイン回。
第3巻で殺した男子便所のルーイの孫娘イザベラが動き出し、老練の殺し屋ベニート・ギャロがトミーを殺害せんと行動する……という内容。
ヒットマンのストーリーが完結に向かっているのを痛感するエピソードでした。展開の重さも合わさって読み進めるのが辛かった……!
◆感想
面白かった!!!!!!!
と同時に、ストーリーが進むにつれてトミーの大事な人がどんどん喪われていく展開が実に辛い……
前巻からトミーに殺し屋をいい加減引退してほしいと思っているものの、ずるずる殺しの仕事を続けるトミーに苛立ちを隠せないティーゲルとの恋の行方も結構気になるところ。
ただティーゲルの「すべての暴力ヒロインは道を開けろ」と言わんばかりのトミーに対する怒りのぶつけ方には笑う。

この罵倒とグーパンは序の口で、オチではトミーに対してさらにとんでもない行動に出る
短期間の内に辛い出来事が起こりすぎてトミーは明らかに調子を落としているので
彼を心配して色々言ってるのは分かるのだけれども
邦訳ヒットマンも次がいよいよ最終巻。覚悟を決めて読むとするか……
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