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スコット・スナイダー&グレッグ・カプロ他/バットマン:スーパーヘヴィ

バットマンスーパーヘヴィ表紙
“バット流…バット流に考えろ。
 たとえば…これは墜落じゃない。これは攻撃…奇襲をかけるんだ。
 コンロの火は消したか?…なんて考えるな。いまの私は、もうジム・ゴードンじゃない。
 いま…ここにいるのは…私は…
 バットマンだ”

ゴードン本部長、新生バットマンに就任!?

ジョーカーとの決戦後、バットマンは姿を消した――。ヒーロー不在のゴッサムシティで、ダークナイトの再臨を望む声が高まるなか、ジム・ゴードン本部長はダークナイトの遺産を引き継ぎ、新たなバットマンになることを決意する。しかし、高機能な最新型バットスーツを身にまとい、ゴッサム市警と連携しながら街をパトロールするが、その力はオリジナルには及ばない。不気味な力を持ったヴィラン、ミスター・ブルームの魔手がゴッサムを覆おうとしているにもかかわらず……。
コウモリの翼は、再びゴッサムに舞い戻るのか?


◆関連作品過去記事
【バットマン:梟の法廷】
【バットマン:梟の街】
【バットマン:梟の夜】
【バットマン:喪われた絆】
【ジョーカー:喪われた絆〈上・下〉】
【バットマン:ゼロイヤー 陰謀の街】
【バットマン:ゼロイヤー 暗黒の街】
【バットマン:真夜中の事件簿】
【バットマン:エンドゲーム】

◆収録作品

2015年06月:Divergence(DC Sneak Peek: Batman)
2015年08月:Batman Vol.2 #41
2015年09月:Batman Vol.2 #42
2015年10月:Batman Vol.2 #43
2015年11月:Batman Vol.2 #44
2015年12月:Batman Vol.2 #45


◆Bat-thoughts, Bat-thoughts, Bat-thoughts...all right, here we go.
「あれっ、これひょっとして最終回……?スナイダーバットマンこれで完結しちゃうの……?」と思わんばかりのバットマンとジョーカーの最終決戦を描いていた前巻『バットマン:エンドゲーム』
しかし!スナイダーバットマンのストーリーはもうちょっとだけ続く!!
具体的には#52まで続く!!

原書で言うと第8巻にあたる本書『バットマン:スーパーヘヴィ』では、ジョーカーとの決戦の結果バットマンが不在となったゴッサムシティを守るため、ゴードン本部長が新たなバットマンになるという新展開、『スーパーヘヴィ編』がスタートするのでした。

ちなみに本作スタート以前、DCコミックスは『コンバージェンス』という大型イベントを展開しており、それが終了して以降は『DCユー』と銘打ったラインナップの刷新を図っておりました。
本書から表紙に「THE NEW 52!」という一文が消えたのもその影響です。まあニュー52が始まってなんだかんだ数年経ってるし、当初52作も一斉に新創刊されたもののこの時点まで生き残ったタイトルは本当にごくわずかになってたからね……いつまでも「ニュー52」と銘打つのもアレだものね。
レビューに戻ります。

ロボバットバニーバットマン
倒産したウェイン・エンタープライズを買収したパワーズ・インターナショナルが開発した、
様々な機能を備えたナノカーボン製のハイテクスーツである

「もしバットマンが法の枠内で働いてくれたら、もっとうまくやれるんじゃないのか?」という疑問を常々抱いていたゴードンは、パワーズ・インターナショナルのCEOであるジェリ・パワーズによる新バットマンへの誘いを受け、このハイテクスーツを身にまとってのバットマンとしての活動を開始。
体を仕上げて髭をバッサリ剃り、メガネも外してさらには髪まで自身の海軍時代の『GIカット』に変えてぶっちゃけ言われないとゴードンとは分からないくらいのイメチェンを果たしており、すごく新鮮なビジュアルになっております。

新ビジュアルのゴードン本部長
超渋カッコイイゴードン 洋アクション映画の主役か何かに見える

ただこのゴードンバッツ、流石にブルース・ウェインほど頭脳戦に長けていなかったり、スーツの多機能を扱いきれていなかったりなど戦闘スタイルはなかなかに危なっかしい。それがまた新鮮な面白みのある戦闘シーンになっているんですけれどもね。

で、肝心要の元バットマン、ブルース・ウェインはどうなったのかと言うと本編に普通に登場します。
ただし、自身のバットマンとしての記憶を完全に失った、一般人“ブルース・ウェイン”として。
『エンドゲーム』にてジョーカーが自身の回復に用いていた物質、『ディオニージアム』の効果により、最終決戦の場であった洞窟の崩落に巻き込まれながらも無傷で命を吹きかえしたブルース・ウェイン。

しかし、ディオニージアムが割れた頭蓋骨から浸透して組織を回復させたことで脳神経の経路が一変し、脳こそブルース・ウェインではあるものの、神経の働きは別人に生まれ変わってしまったのです。
アルフレッドは記憶を失ったブルースと接触し、バットマンとしての記憶を呼び起こそうと色々話をするのですが、今のブルースは両親を強盗に殺された事実を聞いても怒りの感情やヒーローとしての使命感が沸いてこないのだと言う。
その後ブルースはかつての学友、ジュリー・マディソンという女性と再会(『ゼロイヤー 暗黒の街』のサベッジシティ編に登場したあの人)し、児童館で働いて人々の助けになる道を選択、新たな人生を歩みだす事に。
「街があの方を呼び戻し、褒美を与えてくれた」……アルフレッドは児童館で幸せそうに過ごすブルースの姿を見て、バットマンとしての活動はゴードンに任せ、主を見守っていく事に決めたのでした。

ただのブルース・ウェインとしての人生を生きる

◆PICK UP キャラクター ミスター・ブルーム
ミスター・ブルーム「見せてやろう。こっちに来い。もっと近く。お前だけのものだ」

この『スーパーヘヴィ』編で登場する、スナイダーバットマンでは梟の法廷以来の久々の新ヴィラン。この男、それがミスター・ブルーム。
自分自身では戦わず、ゴッサムシティの犯罪者にスーパーパワーを与える“種”のような装置を体に埋め込んで暴れさせ、ゴッサムに混乱の渦を巻き起こしていく……
しかもその“種”は用済みとなった犯罪者の口封じのために自動的に放射線を発して始末するという危険な代物。
かつてゴードン本部長が逮捕した犯罪者達がこのブルームの顧客となって再度立ちはだかるという、ゴードンバッツのストーリーにピッタリな宿敵として立ち回っていきます。
本書の時点では目的も正体もハッキリしないため、次巻でのブルームの動向が非常に気になる。
それにしてもこのヴィランのデザイン、不気味さとスタイリッシュさが絶妙に共存していてすごく好き……スナイダーが創造するバットマンヴィランはいちいち中二心をくすぐってこないか。

◆感想
面白かった!!
ジム・ゴードン本部長がバットマンに、しかもロボチックなスーツを身に纏うという一言にまとめると結構突拍子もない内容なのに、圧倒的な説得力と凝ったストーリーで楽しませてくれる新展開でした。そしてスナイダーバットマンの物語が終章に向かっているのを思わせる演出も多い。
ブルースがバットマンである事を止めて、一人の人間としての幸せな人生を歩み始めたのに作品にどこか物悲しい雰囲気が漂っているのは何なんだろうね……?P135でブルースが廃材で作った公園とかもうバットケイブにしか見えない。
次巻『バットマン:ブルーム』も来月に刊行されるので今から楽しみです。

◆なんか好きな1シーン
バットスーツカラーエディット

あの“ロボバットバニー”スーツは簡単にカラーエディットできるらしい。
クラシックなカラーリングだけでなく、何故かズー・イン・アールバットマンのカラーまで用意されているのには笑う。

【ズー・イン・アールのバットマンに関しては過去記事を参照⇒バットマン:R.I.P.】
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