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ティム・シーリー&エルモ・ボンドック他/デッドプール VS. サノス

デッドプールVSサノス表紙

「余が唯一の愛を捧げた“死”はさらわれ、幽閉されてしまった。
 貴様にかけた呪いを司る黒い大蛇を追い、余も死者の領域に入った。
 愛するものに会い、恋敵を葬り去ったと伝えるために。
 だが、なぜか彼女が自らの意志を伝えたのは貴様だったのだ…
 地球のカナダ国民ウェイド・ウィルソンよ。だから余は貴様を生かす」

「おふッ!」
「死霊魔術と科学を用いて呼び戻した、卑しむべき傭兵…
 貴様にも通じる言葉で話してやろう。これが報酬だ。
 余を助け、ともに愛するデスを捜してはくれぬか?」

「そんな石っころ、財布にでもしまっときな。何もいらねえよ」


冗舌な傭兵vs.アゴ魔神!

デッドプールが無限インフィニティの彼方にある土星の衛星タイタンでサノスに籠手ガントレットを投げつけ、決闘を挑む――いままでマーベルから刊行されたコミックは、すべてこのための伏線だった!?二人の危険な闘士は、死の具現化である気まぐれな“デス”をめぐって、忌まわしい三角関係を作っていた。しかし、ある日全宇宙から死が消え去った。魅惑的な頬骨の美姫のほっそりした手を、誰か他の者が握っているのか!?恋の四角関係なんて成立するのか?真相を知るため、怒れるタイタン人とイカれた道化が手を組んで、永遠の向こう側に旅立つ時が来た!ゲスト出演者はマーベルで最も愛される人気者ブラック・タロン(マジ?)――それに、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーとかいう無名の連中!


◆収録作品

2015年11月:Deadpool vs. Thanos #1
2015年11月:Deadpool vs. Thanos #2
2015年12月:Deadpool vs. Thanos #3
2015年12月:Deadpool vs. Thanos #4


◆From Her to Eternity
デッドプールとあの強敵ヴィラン・サノスがまさかの共闘を果たすミニシリーズ『デッドプール VS. サノス』を紹介だ!
本作はマーベル・ナウ!を受けて開始したデッドプール第3シリーズ完結後に刊行された作品なんだけど、時系列はこの第3シリーズ以前に設定されているとのこと。
そのためヒロインはシクラーではなく、これまで数多く登場してきたデッドプールの恋人の中でも外見がガイコツというインパクト抜群のビジュアルを持つ『デス』という“死”を具現化した宇宙的存在がヒロインに設定されています。

で、このデスというヒロインはヴィランであるサノスが恋焦がれている存在でもあるのですが、サノスが必死にアプローチしているにも関わらずその態度は冷淡そのもの。
サノスがメインヴィランである1991年の『インフィニット・ガントレット』や2010年の『サノス・インペラティブ』といったエピソードは大事件でありながら元を辿るとどちらもサノスがデスの心を射止めんとして起こった物であるため、なかなか罪な女である事が分かるだろう?(馴レーション)

一方、ウェポンX計画の失敗作として拷問のような実験を受け続け、生死の境を彷徨い続けていたデッドプールは生者でありながらデスの姿を認識できてしまい、彼女と逢瀬を重ねていく内に恋人同士に。
その光景を見て嫉妬したサノスはデッドプールがあの世でデスと結ばれないよう、“不死の呪い”をかけたのだった……

こんな感じで現在も続く超重要設定の初出も混じっている三角関係な間柄のデッドプールとサノスなんですが、死を司る存在である愛しいデスが何者かの手によってさらわれ、その影響で世界から“死”という概念がなくなり、死者はゾンビとして復活、死の淵にあった人間は死ねずに苦しむという大事件が勃発。
サノスは愛するデスを救い出すため、彼女が助けを求めたデッドプールと止む無く協力関係を築き、宇宙を股にかけた誘拐事件の解決に乗り出すことになるのだった!!……というお話。

宇宙中をめぐる大冒険であるため話のスケールは大きいはずなんだだけれども、サノスとデッドプールという水と油のような二人が意外や意外、面白い化学反応を起こしており、終始結構なドタバタ珍道中になっているのがそれを感じさせない。

サノスイライラでワロタ
サノスイライラでワロタ

凶悪ヴィランのはずなのにデスの事となるとどうにも女々しい感じのキャラになるサノスがなかなか愛くるしかったり、相変わらず自由奔放に振る舞うデッドプールにサノスがきっちりツッコミを入れる姿がなんともシュールだったり、デスとデッドプールのイチャラブを見せつけられてサノスがイッライラしてるコマがちょくちょく挿入されたりといちいち面白すぎる。サノスばっかりに注目してんな僕。
サノスってこんなコミカルなキャラだったっけか……!?

◆感想
先のテキストではギャグシーンばかり取り上げましたが、ここ最近のデッドプールが割りと真っ当にヒーローやってる通り本作のデッドプールも締めるべき場面ではきっちり締めており、最終話の恋敵同士のラストバトルの会話はなかなか痺れるものがありました。

私のために争わないで
一人の女を巡って二人の男が争っている

前述の通り本作はミニシリーズであり、これ一冊で綺麗に話が纏まっている作品で、なおかつ結構スケールの大きい大冒険でありながらなんだか小じんまりとしているのが楽しい内容に仕上がってるので、気楽に読める邦訳デッドプールだったと思います。
マイナーキャラであるブラック・タロンや、フランシス……映画『デッドプール』にも登場した“エイジャックス”がアビスマンとして再登場したり、邦訳ではなかなか姿が拝めない名ヴィラン、ブラックハートなど色々なキャラが登場するのも見どころの一つ!
気になってきた方は是非読んでみて欲しい一冊だ!

ちなみにこれは余談なんですが、第3話の地獄でデッドプールやサノスを恨む亡者たちと戦うシーンでは何故かDCコミックスの『ヒットマン』の主人公、トミー・モナハンも混ざっていたりします。
解説によるとよく似た人とかではなく本人らしい。

デッドプールVS亡者たち

これはかつて刊行されていたコミック情報誌『ウィザード』の企画でデッドプールと戦ったことがあるというのを反映したネタなんだとか。

デッドプールVSトミー・モナハン
1998年12月『ウィザード』88号より

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