ツルゴアXXX

ARTICLE PAGE

12 2017

フランク・ティエリ&スタズ・ジョンソン他/ウォークライム:シビル・ウォー

ウォークライムシビル・ウォー表紙

『親父の事が好きだった。そんなのタフガイらしくもねぇと思われるかもな。
 だが、ンな奴はタフガイの意味がわかってねぇのさ。
 本物のタフガイは心が温かい。だからこそタフだ。
 人の評価を気にしたりはしねぇから、感情を素直に表せる。
 それが親父の口癖だった。さっきも言った通り、オレは親父が好きだった。
 だから、死なれた時は小娘みてぇに泣いた。別に泣いたっていいだろ。
 薄汚ねぇスーパービランどもに親父は殺された。
 今度は…オレを殺すつもりだ』


WHOSE SIDE ARE YOU ON?

コネチカット州スタンフォードで発生した爆発事件を契機に成立した超人登録法は、あらゆる超人に対し、個人情報の登録を迫った。

その受け入れの是非を巡って揺れるヒーロー達を尻目に、ビラン達はその後の社会を見つめていた。
幾度も逮捕され、あらゆる情報を握られた彼らにとって、登録法自体に真新しさはない。
問題はその先なのだ。

暗黒街の中心人物たるキングピンを中心に、男達の目論見が交錯する。
最後に笑うのは誰なのか?

「ウォークライム」の前日譚となる「アンダーワールド」全5話も収録。

シビル・ウォーの裏側で繰り広げられた知られざる駆け引きを描くクロスオーバー番外編!

君はどちらに付く?


◆収録作品

2006年04月:Underworld #1
2006年05月:Underworld #2
2006年06月:Underworld #3
2006年07月:Underworld #4
2006年08月:Underworld #5
2007年02月:Civil War: War Crimes


◆関連作品過去記事
【シビル・ウォー】

◆これまでのシビル・ウォータイインの中で最も異色の作品
ヴィレッジから定期購読として刊行されている『シビル・ウォー クロスオーバータイトル』もこれで18冊目!
ただ本書はこれまで刊行されてきたシビル・ウォータイインの中でも一番シビル・ウォー感が薄い一冊かもしれません。
なぜかと言うと表題作である『ウォークライム:シビル・ウォー』は全1話の短編であり、ページ数の多くを占める収録作『Underworld』という作品がクロスオーバーイベントであるシビル・ウォーとは無関係のギャングコミックとなっているからです。
まあ一応『ウォークライム:シビル・ウォー』の前日譚ではあるっちゃあるんですが。普通に単体で読める一作。

アンダーワールド第1話カバー

そして主役となっているのはこの『Underworld』が初登場となる男、ジャッキー・ディオ。愛する父親がスーパービランとの抗争で命を落としたために超人嫌いとなっている彼が皮肉にもビラン『アンダーワールド』と化すまでが描かれる、ギャングコミックでありつつも話にマーベルユニバースらしく超人とスーパーパワーが絡んでいくシブい雰囲気の作品だ!
アンダーワールドは別に現在死亡しているわけでもなんでも無いんですが2017年2月現在、この『Underworld』と『ウォークライム:シビル・ウォー』にしか登場していない結構なレアビランだったり。それではあらすじを紹介!

◆SUPER-PUBLIC ENEMY
地獄のような10年にも渡る刑期を終え、ようやくシャバに戻ってきた昔気質の元ギャング、ジャッキー・ディオ。
彼は“仕事”に戻るため、自分を引き取ってくれた父親代わりの男でもあるギャング……シルバーメインこと『シル』の元を訪れる。
だが現在の彼はジャッキーが収監されている時に起こった大きな抗争で負傷し、寝たきりの生活となっていた。

シルの勧めで今の実力者である『オウル』を紹介され、彼の下で再度ギャングとして働くこととなったジャッキー。
そこでジャッキーはかつて自分の付き人であり、現在はスーパーパワーを移植されて筋肉が肥大化したMr.ペインことビンスと再会する。
ジャッキーが10年も塀の中で過ごすことになったのは、ビンスが彼を警察に売ったからであった。
それ以前にもジャッキーを裏切ろうとしては叩きのめされ、彼の温情により見逃してもらっていたビンス。そんな彼が今やジャッキーよりも上の立場に君臨している。

ビンスとジャッキー

ビンスにボコボコにされ、やり切れない思いを抱えながらも数日後、『仕事』をこなしていくジャッキー。
そこで彼は『SSS.2』という名の謎のガスを誤って吸ってしまい、フラフラになりながら闇医者の元を訪れる。
診察の結果、ジャッキーはガス状の最新型超人兵士血清……筋力、速度、敏捷性が底上げされる『SS2』に感染していた事が判明する。
医者から視力が強化されるサングラスを与えられ、犯罪者用の超兵器を作っている男を紹介されるジャッキー。
Mr.ペイン……ビンスともう一度やり合うため、ジャッキーは図らずも得たスーパーパワーでオウルのショバを派手に潰し、向かってくるスーパービランもことごとく撃退していく。
だが派手に暴れ回った結果、悪人とあれば容赦なく殺害するあの男……パニッシャーまでも呼び寄せてしまうのであった。

パニッシャーVSジャッキー

◆感想
面白かった!!
前述した通り『Underworld』はシビル・ウォーと無関係なミニシリーズなんだけど、正直シビル・ウォータイインである『ウォークライム』よりもこっちの方が楽しめたかもしれない。
マーベルユニバースの裏社会を掘り下げつつ、アンダーワールドという新ビランの誕生譚を全5話で綺麗にまとめ上げており、かつラストで判明するまさかの真相、そしてビンスとの最終決戦に挿入される切ない回想と最後のシブい会話が最高に堪らなかった。
普通に良質なギャング映画を一作見終えた後のような余韻がありました。このアンダーワールドことジャッキーってキャラ、現状本作にしか登場してないってのはホント勿体無い気がする!
【Jack Dio (Earth-616)/Appearances】

メインであるシビル・ウォータイインの『ウォークライム』に全く触れないのもレビューとしてはあれなのでちょっとだけ。
こちらはキングピンがメインとして出張る一作で、彼がトニー・スタークに「シビル・ウォーに勝つための情報」を提供するという内容。
牢獄から一歩も動かず、情報だけで多くの人を動かし自分の利とするキングピンの実力者っぷりが描かれており、こっちはこっちで渋面白い短編です。
アンダーワールドもちょこっとだけ登場するんだけれどもそこまでストーリーに密接に関わってくるわけではないので、これが2017年2月現在最後の登場ってのはなんだか寂しい。

キングピンと取引するトニー
どちらが利用する者でされる者なのか
関連記事

0 Comments

Leave a comment