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05 2017

ザ・フライ

ザ・フライ予告編ザ・フライ
【原題】The Fly 1986年【米】


物質移動と遺伝子組みかえの研究をしている科学者のセス・ブランドルは、エレクトリック展覧会の会場で科学雑誌の女性編集者ヴェロニカ・クエイフと知り合った。ブランドルは彼女を自宅兼研究室に招き、研究中のテレポッドを披露した。テレポッドとは物質転送装置で、生き物の場合は解体と再生により遥か離れた場所に移動できるという画期的な発明だった。ヴェロニカはスクープ記事にしたいと言ったが、発表するには早すぎるとして、ブランドルはそれを止めた。ヴェロニカは最近まで上司の編集長ボーランズと恋愛関係にあったが、ブランドルの真面目な研究態度に徐々に惹かれはじめ、やがてベッドを共にする仲になった。テレポッドの実験は大詰めの段階を迎え、ヒヒを転送したが失敗し、ヒヒは肉塊と化した。その時、電子部品がブランドルの背中に突きささり切り傷をつけてしまった。
数日後、ボーランズはテレポッドを記事にしてしまい、腹を立てたブランドルはテレポッドに入り自分の肉体を使って転送実験を行なった。その時、テレポッドの中に蝿が1匹入ったのに気がつかなかった。転送は見事に成功したかにみえたが、その夜以降、ブランドルの生活と肉体に異変が生じはじめた。SEXが異常に強くなり、肉体の奥底から力が湧き上がってくるのがよく分かるのだ。いつしか背中に受けた傷口から針金のように太い毛がはえ、プロレスラー並の大男と腕ずもうをやって腕をへし折った。ヴェロニカは恋人の異常に気づき、背中の体毛を医者にみせたところそれは人間の毛ではなく昆虫の毛との結果が出た。ブランドルの魂と肉体は蝿との遺伝子の融合によって蝿男と化したのだ……

1958年公開の映画『ハエ男の恐怖』のリメイク作品(原作はジョルジュ・ランジュランの小説『蝿』)となっているホラー映画。
まあ一応ジャンル的にはホラー映画なんだけれども、内容的には遺伝子レベルで蝿と融合してしまい、じわじわと人ならざる者に変化してしまう主人公セスの恐怖と、セスの恋人ヴェロニカが献身的に彼を救おうとする様を悲劇的に描いた人間ドラマ的な側面のほうが強い一作です。

最初のうちは主人公自身が自ら物質転送を行った結果筋力増強、精力増強、そしてなぜだか甘党化するというぐらいでその変化を楽しんでいたのですが、彼の背中から妙な毛が生え始め、ヴェロニカがセスの変化に違和感を抱いてその毛を検査にかけてからが崩壊の始まり。
実験に失敗して蝿と融合してしまったという事実が明らかになり、少しずつセスの肉体の崩壊が始まっていく……ヴェロニカは必死になって彼をなんとか元の姿に治す方法を模索するのだけれど、手をこまねいているうちにセスの外見はどんどん怪物染みていってしまう。
それだけでなく、セス自身が人間ではありえない能力を手にした事で自分の身体の変化を受け入れるという狂気に陥っていく様が怖いし物悲しい。

グロテスクな表現もあるし、ほぼ終わりに差し掛かったところでようやく怪物映画らしい描写も入ってくるのだけれど、ラストシーンの物悲しさと、全てが終わった後の何とも言えない感情に包まれてしまうその余韻がもう……
怖いという感覚は大分少なめな切ない作品なので、ホラーが苦手という人にもオススメしたい。いやでもグロ描写がやっぱりキツイかな……

 
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