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03 2017

ジャド・ウィニック&パブロ・ライモンディ他/レッドフード:ロスト・デイズ

レッドフードロストデイズ表紙
『ウソだ。あいつが生きてる。俺を殺した男が。
 あいつはまた誰かを殺す。誰かを傷つける。
 友人を。家族を。母親を。父親を。息子を。
 俺は奴に殺された。彼ならわかったはずだ。
 苦しみを、絶望を』

――でも、生きてる――
『戻った。その理由?答えは…明らかだ。
 やるべきことをするためだ。これから…』

二代目ロビンからレッドフードへ――
死の淵から蘇ったジェイソン・トッドが、冷酷な自警団員ヴィジランテへと変貌するまでの物語

なぜジェイソン・トッドは現世へと舞い戻り、凶暴な自警団員レッドフードへと変貌したのか?復活し記憶喪失状態で路上をさまようジェイソンを見つけたタリア・アル・グールは、ラザラス・ピットで彼の力を取り戻し、その復讐の炎を利用して世にはびこる悪党を始末する自警団員へと育て上げる。標的はジョーカー。数多くの命を奪った外道は殺されるべきだった。そしてもう一人の標的はバットマン。彼がジョーカーを殺していれば、犠牲者が増えることはなかった。そう、“共犯者=バットマン”も死に相応しいのだ!


◆収録作品

2010年08月:Red Hood: The Lost Days #1
2010年09月:Red Hood: The Lost Days #2
2010年10月:Red Hood: The Lost Days #3
2010年11月:Red Hood: The Lost Days #4
2010年12月:Red Hood: The Lost Days #5
2011年01月:Red Hood: The Lost Days #6


◆関連作品過去記事
【バットマン:デス・イン・ザ・ファミリー】
【バットマン:ハッシュ 完全版】
【バットマン:アンダー・ザ・レッドフード】

◆The First Step
バットマンが復活し冷酷なヴィジランテと化した二代目ロビンと対峙するという名作エピソード『バットマン:アンダー・ザ・レッドフード』……その前日譚となる作品『レッドフード:ロスト・デイズ』がこのたび小プロから邦訳刊行されました。

本作は『アンダー・ザ・レッドフード』収録の短編エピソード、『Batman Annual #25』の内容をより詳細に掘り下げた一作となっています。ライターもアンダー・ザ・レッドフードと同じジャド・ウィニック!
ただ『Batman Annual #25』ではジェイソン復活の理由がクロスオーバーイベント『インフィニット・クライシス』に絡んでいるとはっきり描かれていたのに対し、本作ではジェイソンがいきなり息を吹き返した理由は謎のままストーリーが展開。
まあこれは多分設定変更とかじゃなくて、作品の雰囲気を保つためにバットマン以外の要素を入れないようにしていたからかもしれない。
それではざっくりとあらすじを。

***

突如蘇生を果たし、命からがら地中の棺から脱出するも、半死半生でほぼ植物人間と化し、身元不明の状態でとある施設に保護されていたジェイソン。
その後施設から脱走し、路上生活を送っていたところをラーズ・アル・グールとその娘、タリア・アル・グールに発見され匿われることとなった。
だが、肉体面は回復しているものの、脳にダメージを負った結果自閉症となったジェイソンは抜け殻のようになっており、回復は絶望的とされていた。
ジェイソンの境遇に同情しているタリアは彼を復活させるため、父ラーズが浸かった人を若返らせる奇跡の泉、ラザラス・ピットの力を利用してしまう……

ピットの力が加わった結果精神を取り戻し、ようやく完全復活を果たしたジェイソン。
しかしピットを勝手に使用した娘タリアに対し、ラーズは激昂しつつも忠告を送る。
「命を戻しただけです」
「違うな。悪役を解き放ったのだ。あのピットは人間の魂を燃やすのだよ」

タリアとジェイソン

それから暫くして、『バットマンが自分を殺したジョーカーを未だに野放しにしており、仇を取ろうとしていない』という事実を知り荒れるジェイソン。
復讐心に完全に取り憑かれた彼はジョーカーを、そしてバットマンを仕留めるため、タリアの協力を得てロビン時代には習得しなかった殺しの技を学んでいくのであった……
***

……とまあ、こんな感じに元ロビンのジェイソンがタリアから紹介された教師たちから“闇の教育”を施され、かつ犯罪者と出逢えば容赦なく殺害するという、彼が『レッドフード』へと変貌していく様がじっくりと描かれていくストーリーになっています。
カバーアートではレッドフードが描かれている一方で本編ではコスチュームに身を纏うシーンは皆無であり、終始素顔のジェイソン・トッドとして活躍するため、ある意味では表紙詐欺かもしれない。
ただまあヒーローコミックらしいコス要素が少ないおかげで逆にクライムサスペンス要素が強まっているとも言えるかも……?

冷酷なヴィジランテと化したジェイソン

◆感想
『アンダー・ザ・レッドフード』の良質な補完エピソードだった!合間合間にロビン時代の回想が入る演出がまた切ない。
久々にアンダー・ザ・レッドフードを読み返したくなっちゃったね……最高の副読本だったんで、あの作品を読んだ人は本作も是非手を出してほしい。

本作ではバットマンを殺害するチャンスはあったんだけど結局そこでは殺さず、彼に自分の存在を知らしめる計画に変更するため見逃すシーンがありました。
それはジェイソンの本音かもしれないし、殺せなかった言い訳に聞こえるようにも見えて実に印象的な場面。

殺さなかったジェイソン

本作はニュー52以前の物語なため全ての設定がニュー52に引き継がれているというわけではありませんが、逆に言うと基本的な要素は大体ニュー52でも同様との事。
ニュー52版ジェイソンの物語も1巻だけ翻訳されているので気になる方はチェックすると良いかも。
【レッドフード&アウトローズ(THE NEW 52!)】
あっちはさほどアンチヒーローな感じではなくファンタジーバトルコミックな作風なので、ダークなストーリーを期待すると面食らうかもしれないけど!
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2 Comments

No Name  

おお、やっぱり影の濃いジェイソンには惹かれるものがありますね・・・・・・何か心配になってくるような気持ちにされちゃう。

バットマン:エターナルでやたらとフレンドリーな口調で喋ってたのは翻訳のせいであって、キャラが変わった訳じゃないと思いたいです。それとも何かあったんだろうか。

2017/02/03 (Fri) 14:43 | EDIT | REPLY |   

michael  

>>No Nameさん
2013年5月の『Red Hood and the Outlaws #18』でジェイソンとブルースの和解が描かれているみたいなんですねどうも。だからニュー52インコーポレイテッドやエターナル、エンドゲームではもう普通に協力的なんだとか。
邦訳ではこの大事な和解エピソードが未邦訳なんでちょっと戸惑いますよね。
レッドフード&アウトローズの邦訳が続いてくれればいいんだけれども!
http://dc.wikia.com/wiki/Red_Hood_and_the_Outlaws_Vol_1_18

2017/02/05 (Sun) 13:39 | EDIT | REPLY |   

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