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30 2016

高橋龍也&まな/THE IDOLM@STER

アニマスコミック表紙
『天海春香17歳。765プロでアイドルやってます。
 好きなことは歌うこと。
 トップアイドル目指して頑張ります!』

13人のアイドルたちを一人ずつ描いていく公式コミカライズ。
ファーストライブが終わった14話以降、
アイドルとして大きく歩みだした765プロのみんなを描いていく。


◆2011年のアニメ『THE IDOLM@STER』を原作とした公式コミカライズ!
2011年7月から12月にかけて放送されたTVアニメ『THE IDOLM@STER』
この放送から約1年が経過したタイミングで、『月刊ComicREX』2012年10月号からこのアニメ版アイマスのコミカライズが開始!
2016年10月号までの長期連載となり、単行本も全6巻とアイマスコミカライズの中ではかなりのボリュームの作品となっています。
コミカライズといってもアニメの内容をそのまま漫画にしたわけではなく、アニメ13話で描かれたファーストライブ『765プロ感謝祭』を成功させ、一気にお仕事が増えた第14話以降を時系列に設定。
内容もエピソード毎に主役となるアイドルを変えていく、アニメを補完する作りの完全オリジナルストーリーです。脚本はアニマスで一部エピソードを担当していた高橋龍也氏であり、漫画担当のまな先生はアニマス絵を完全再現しているのもあって、なんかもう実質アニマス2期を観ているかのような錯覚に陥るデキ。

このコミカライズの良ポイントの一つはアニメで拾いきれなかった原作設定を要所要所で盛り込んでいる所かな!
例えば無印時代のコミュでちらっと会話に出てきた事のある春香の友人のケイが登場したり、「2」で登場した沖縄に居る響の中学時代の友人のアリサの存在がさりげなく言及されたり、近年は知名度が上がったけれども少し前までは「2」のラストまで進めないと知り得なかった貴音の妹の存在に触れられていたり、千早が年上の律子のことを呼び捨てにしている理由が描かれていたり(恐らくかなり昔のノベライズの設定を拾ったと思われる)、アニマスで物議を醸した「うさちゃん=シャルル」問題をようやく解決させてたりなど、アニメから入った人でも原作知識がより増えるように作られているのがナイスだと思う。

もちろん原作ゲームネタが入っているから最高!というわけではなく、アニメで描かれなかった……というかこれまであまり行っていなかった方向からアイドルたちの魅力を掘り下げにかかっていたりするのも面白い点。
例えば亜美編なんだけど、このエピソードでは学生生活を送る亜美の姿が描かれており、同級生の男子に対する言動が実に思春期の女の子って感じですごく新鮮なのだ。ゲームやアニメではプロデューサーに対してマセた言動をしたり遊びに全力な子供っぽい行動を取る場面が描かれる事の方が多かったからね。

まなマス亜美編

このエピソードで出てくる同級生の男子は小学校も同じだったっていう設定なんだけど、もしかしたらアーケード時代の書籍『キャラクターマスター』内に収録されたノベルに登場したシン君がベースのキャラなのかもしれない。

あとやよい編は妹のかすみの視点から「アイドルをやっているお姉ちゃんのやよい」の姿を描いていてこれがまた良いエピソードなんだ……アニマス7話での高槻家エピソードも良かったけどこっちも素晴らしい。
アニマス10話でやよいに突っかかって傷つけた新幹少女のひかりと和解する下りもあり、新幹少女のプロデューサーも根っからの悪人というわけではない事が分かる描写があってまなマスの中でもかなり好きな回。

新幹少女と和解

それだけに、2015年4月でのアニマス再放送で新たに制作されたサイドストーリー『No Make+!』の第10話で「新幹少女とそのPが水瀬家の権力にビビり765に媚びるようになった」という小物描写が作られてしまい、まなマスの和解展開と齟齬が出てしまってたりするのがちょっと残念だったりする。時系列とも噛み合っていないし。まあこれはまなマスじゃなくて『No Make+!』の話を書いた人が悪いんだけども。

それと他にはアニマスではPドル要素は美希のみに絞られてたけど、本作では春香も少しプロデューサーに気があるように描かれていたり、小鳥さんもまんざらでもなさそうにしていたのが印象的。
アニメでは恋愛描写は極力避けてた印象だけど、このコミカライズではゲーム版同様ちょこっとだけ盛り込まれてますね。

小鳥さんがかわいすぎる
小鳥さんが可愛すぎて死にそうになるこのエピソードは3巻収録だ!

ちなみに貴音回は孤独のグルメをやった後に濃厚過ぎる『ひびたか』展開を放り込むという百合好きが満足するであろう内容になっていました。嘘は言ってない。というかアレ内容がほんとに百合二次創作のようなひびたかだった。

◆感想
どうしてもアイドルの扱いやエピソードの出来に差は大なり小なりあるんだけど、それを差し引いても十二分に良質なコミカライズだった!久々にアニマスを観返したくなってくるね……
最終話では765プロのニューイヤーライブにミリオンライブの矢吹可奈や松田亜利沙、シンデレラガールズの島村卯月と本田未央も見に来ていた事が明かされていてちょっとニヤリ。で、この後は劇場版『輝きの向こう側へ!』に続いていくと。

ただ不満点もちょっとだけあります。ずっと読んでいて感じていた事なのですが、一コマ一コマの情報量がちょっと少なすぎるように思えました。一コマ内のセリフも少量で、「この2~3コマって普通の漫画なら1コマに収めてない?」って思うことがしばしば。
漫画的な演出もやや乏しくてこう、動きを感じるコマってのがあまり無いんですよね。フィルムコミックを読んでる時のような感じがある。なまじアニマス絵に近いだけに。
巻数を重ねる毎にある程度は改善されていってはいるんだけどー……「漫画」を描くのがまだこなれてなさそうなのが違和感の原因なのかもしれない。

あと律子編、千早編がコミカライズ独自の要素も多少盛り込まれているとはいえ、殆どの尺をアニマス20話~21話の焼き直しに費やしていた事と、真編が他アイドルのエピソードとは違い、23話~24話の頃……プロデューサーが入院し、春香がメンタルを崩してた時期に真が皆を引っ張っていたという姿が描かれており、アニメのエピソードの補完に喰われてしまって真自身を掘り下げたストーリーにはあまりなっていないのがちょっと残念。アニマスで明らかに贔屓気味なPとのデート回を貰ったしわ寄せが来てるかのようだ。

とはいえ律子編はアニマスで殆ど触れられなかった過去(1stvision準拠の設定の回想シーンがある)が描かれてたり、千早編では劇場版で付与されたカメラ趣味をフォローするちょっとしんみりする描写が盛り込まれていたりするし、真編も話自体は普通に良いのだ。プロデューサーが入院して皆が塞ぎ気味な中、事務所の空気を明るくしようと必死に務めているんだけれども実は真もかなり無理をしている。
そこを見抜いていた伊織との階段での会話シーンはすごく好きです!

空元気も元気というけれど


「ああ……これで765ASのコミカライズはぷちますだけになってしまうなぁ……」とか思ってたら最終話が掲載された月刊ComicREX2016年10月号にて新たなコミカライズの予告が!

朝焼けは黄金色

もうとっくに冬どころか2016年も終わろうとしているけど別に企画が無くなったわけではないみたいなので座して待とう。
しかし「13人以外」の話って何をやるんだろう……?ようやく小鳥さんの過去が掘り下げられたりするのだろうか。

◆関連リンク
※まな先生関連サイト
【ガクブルガクブル】
【ツイッター】
【pixiv】

※髙橋龍也氏関連サイト
【BUNGLE BUNGLE(Work)】
【ツイッター】

◆おまけ:漫画担当・まな先生によるツイッターでの描き下ろしイラスト

  
  
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4 Comments

No Name  

いいコミカライズだった、掛け値なしに・・・・・・亜美編は学校での双子の様子が見れたり、愛ちゃんのサプライズ登場があったりと至れり尽くせりで素晴らしい。 後、律子のポニーテールが拝めたのも。

本作もざわわんと同じく人気が高かったから連載延長したそうですが、描き手に恵まれたシリーズだよなあ、としみじみ思います。

2016/12/30 (Fri) 21:45 | EDIT | REPLY |   

michael  

>>No Nameさん
読み応えがあるコミカライズでしたねー。絵だけじゃなく空気感もちゃんとアニマスしてて、かなりの長期間「アニマスロス」を埋めてくれた作品でした。完結しちゃったのは寂しいけど早くも新コミカライズの企画が動いているのはホントに嬉しいです。

2016/12/31 (Sat) 22:53 | EDIT | REPLY |   

No Name  

No title

いいコミカライズだったけどこれでアニマス時空の話が完全に終わってしまうのは惜しいですね
バネPやプロデューサー律子もまたどこかで出番があれば嬉しいです

2017/01/02 (Mon) 12:58 | EDIT | REPLY |   

michael  

>>No Nameさん
>これでアニマス時空の話が完全に終わってしまうのは惜しいですね
そういえば確かにアニマス時空ってアニメ本編やら劇場版やらCDやらこのコミカライズやらと一番展開の多い並行世界でしたねー。
プロデューサー律子が見られるのもこれが最後になる…のかなぁ。ちょっと寂しい。

2017/01/02 (Mon) 23:07 | EDIT | REPLY |   

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