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15 2016

第9地区

第9地区予告編9地区
【原題】District 9 2009年【米・ニュージーランド】


28年前、正体不明の巨大宇宙船が突如南アフリカ共和国に飛来した。しかし、そのUFOは首都ヨハネスブルグ上空に浮かんだまま、まるで動こうとしない。痺れを切らした南アフリカ政府はヘリコプターで偵察隊を派遣。船内で彼らを待ち受けていたのは、不衛生で弱り果てたエイリアンの群れだった。彼らは故障した宇宙船に乗った難民だったのだ。処遇が決まるまで、エイリアンはヨハネスブルグにある第9地区の仮設住宅に住まわされることになる。
だが、言葉も通じず、野蛮で不潔なエイリアンたちが一般市民と折り合いがつくはずもなく、彼らは下級市民として蔑まれる。何の進展もないまま月日が流れ、エイリアンの管理事業は民間企業マルチ・ナショナル・ユナイテッド社(MNU)に委託されることになった。軍事企業でもあるMNUの傭兵部隊によって力による平和が訪れるかと思われたが、MNUが彼らの世界に介入することはなく、第9地区はスラムと化していく。市民とエイリアンの対立が激化したことを受けて、MNUは第9地区から郊外にある第10地区へ彼らの強制移住を決定。第10地区は第9地区よりもさらに劣悪な環境だったが、MNUは彼らの福利厚生に興味はなかった。立ち退き作業を始めるにあたり、MNUはヴィカス・ヴァン・ダー・マーウィを現場責任者に指名する。事情を把握していないエイリアンたちから、承認のサインを無理矢理取りつけるのが彼の任務だった。
しかし、第9地区内の小屋を調査している際に、ヴィカスは謎のウィルスに感染。報告を受けたMNU上層部はヴィカス捕捉の指示を出す。何の説明もなく執拗に追跡してくるMNUの行動にヴィカスは逃げ出すしかなかった。第9地区に逃げ込むと、そこにクリストファー・ジョンソンと名乗るエイリアンが現れる。そして、ヴィカスはボロボロの小屋の地下で見たこともない科学技術を集結させた設備を目撃する……

突然難民として現れた宇宙人と、その存在に困惑し抑圧せんとする人間の姿を生々しく描くSFドラマ。監督・脚本は本作が長編デビューとなるニール・ブロムカンプという方で、自身が2006年に製作したSF短編映画「アライブ・イン・ヨハネスブルグ(Alive in Jo ' burg)」を下敷きにしているとの事。


ちなみに監督は元々人気TVゲーム『HALO』の映画版の監督に抜擢されていたのだけれども企画が頓挫、代わりにこの短編作品を長編化するプロジェクトが動く事になったのだとか。

この映画の特徴的な点は生々しいまでのリアリティ。手持ちカメラを使って映像を仕上げ、様々な人物のインタビュー映像をストーリーの合間合間に挟んでいく事で、実際に地球に宇宙人が現れた時の人々の生っぽい反応を交えたドキュメンタリー風の映像を作り出している。
エイリアンのビジュアルも既存のイメージとは異なり、昆虫と甲殻類を組み合わせたやや不快感のある外観に仕上がっております。作中の人々が“エビ”という蔑称を付けて下等生物として抑圧しまくる光景がもう完全に差別のソレでなんともエゲツない。
実際本作はアパルトヘイト時代に起きたケープタウン第6地区からの強制移住政策、そして紛争の多い周辺国からの避難民と南アフリカネイティブとの確執も脚本を作る上で参考にしているようです。
【タウンシップと第6地区 -ケープタウン-】「Slow Flow ~世界一周2人旅~」様。

ただ序盤のモキュメンタリー映画っぽいノリから終盤は人間と宇宙人のバディ&スプラッタアクションに変貌するあたりにB級映画のソレを見せつけられた感じはあるけれど、こういうアプローチのSF映画は新鮮でホント面白かった!独創的かつリアリティ溢れる設定と、それを壊さない程度にSF映画として楽しめる面白い要素をスパイス程度に盛り込んでいるのが実に絶妙。超オススメの一作です。

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