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11 2016

J・マイケル・ストラジンスキー&マルコ・ジャージビック他/ソー Vol.3 -別離-

ソー3巻別離表紙

「ヘイムダール、そなたが共に来てくれた事は大いなる喜びだ」
「御身にお使えする事は、我が名誉です」
「では教えてくれ、世界の果てまでも見通すそなたは、我らの行く末を何と見る?」
「我が君ボールダーもご存じの通り、長く暗い道が見えます…死が」


EVERYTHING NEW IS OLD

望まずして祖父ボルを殺めたソーは、王位を剥奪され、アスガルドを追われた。

肩を落とす兄の姿にほくそ笑むロキは、もう一人の暴君Dr.ドゥームに接触する。

アスガルドを巡る新たな陰謀が錯綜する中、一つの愛の花が花開こうとしていた。その実は希望か、それとも……。

J・マイケル・ストラジンスキーのソー三部作、ついに完結!

本シリーズと同時期に刊行された『シークレット・インベージョン』タイイン、ソーとスーパースクラルの初対決エピソードも同時収録!


◆収録作品

1967年07月:Thor #142
2008年10月:Secret Invasion: Thor #1
2008年11月:Secret Invasion: Thor #2
2008年12月:Secret Invasion: Thor #3
2009年06月:Thor #601
2009年08月:Thor #602
2009年11月:Thor #603
2010年01月:Thor Giant-Size Finale


◆関連作品過去記事
【ロード・トゥ・シビル・ウォー】
【ソー Vol.1 -帰還-】
【ソー Vol.2 -邂逅-】
【シークレット・インベージョン】
【ダークアベンジャーズ:アセンブル】
【シージ】

◆ストラジンスキー期ソー完結!
通販限定で、もんのすっごくスローペースで刊行されてきたストラジンスキー期のソーがこの第3巻で完結だ!
ストラジンスキー期ラスト4話に加えてクロスオーバーイベント『シークレット・インベージョン』のタイイン3話(ライターはマット・フラクション)、60年代のソーのエピソード、めっちゃくちゃたっぷりなテキスト量となっているキャラクターファイルが収録された非常にボリューム感溢れる一冊。
神話チックなセリフ回しと話運び、それでいて舞台が現代アメリカというギャップが合わさったこのシリーズの雰囲気が最高に好きなのだ……
というわけでさっそく本編のあらすじを。

◆BILL THE WARRIOR
アスガルドの神々は、あのDr.ドゥームが統治する国、ラトベリアへと移住することとなった。
アスガルドの神は、王が赴く地に付き従う必要がある。
その為、人間であるビルと女神ケルダ、立場の違う二人は愛し合っていながら必然的に別れなければいけなくなってしまった。
アスガルドの神であるケルダは同胞から離れて地上に残ろうとすると、いつかは肉体が干からびて崩れてしまうのだ。
その夜、ビルは葛藤の末自分の故郷を捨て、ケルダと共に生きる決意を固めるのだった。

だがそこで、彼は初めてアスガルドの神たちが移住する場所がラトベリアである事を知る。
ビルはDr.ドゥームが危険な人物である事を現在のアスガルドの王であるボールダーに伝えるのだが、アスガルドの民が望む物が用意されているこのラトベリアの土地を簡単に捨てる事と、アスガルドの神々が内戦を起こしてしまう事を危惧しているボールダーは、とりあえずとはいえ得ることが出来たこの平穏な状況を守りたいが為、この忠告は耳に入れるだけに留めてしまう。

「マズい状況なのは自覚しているが、抜け出し方がわからないみたいだった」
ボールダーが暗い目をしていた事を心配するビルは、自分が普通の人間だからこそ神には見えないものがあると考え、ケルダから護身用に剣を預かり、Dr.ドゥームの企みを暴くために彼の城へと向かう。
そこでビルが見たものは、ドゥームとロキがアスガルドの神の一人を捕らえ、生体解剖を行っている光景だった。
急ぎこの事実をボールダーの元に持ち帰ろうとするビル。しかしすぐさまロキに気配を悟られ、彼らの配下に囲まれてしまう……

その姿は間違いなく戦士である

一方、アスガルドを追放され、砕けたミヨネアを持って地上の生活に戻ったソーは、ロキから女神シフが現世と来世の狭間に囚われており、また宿主となっている人間が死にかけているためにシフの肉体を呼び戻す力が無くなっているという話を聞かされる。
もしそれが真実であるならば、残された時間は少ない。宿主は死ねば、そのまま女神シフも死亡してしまうからだ。
急ぎ砕けたミヨネアでDr.ストレンジの元に向かい、「自分の力を吸い出す」事でミヨネアを修復してもらい、ソーはシフの宿主への元へと飛んで行くのだった。

◆Today we go to WAR
これはソーがロキの計略により、アスガルドを追放される以前の物語。
突如アスガルドに落下してきたソーの義兄弟であるベータ・レイ・ビル。
重症を負い、武器ストームブレイカーを奪われ変身が解けた状態の彼は言う。異星人スクラルが艦隊を率いてこの地球にやってくると。彼らの目的は人類の根絶ではなく救済だというが、アスガルド神族は救済の対象に含まれておらず、全力で殲滅にかかるという。

来るスクラルとの決戦に備えるアスガルドの神々たち。
だがソーは人間体であるブレイクになり、医者としてブロクストンに居る出産を控えた妊婦に付き添わなければいけない。
そこでソーはベータ・レイ・ビルにミヨネアを預けることで彼を再度変身させ、ボールダーに軍の指揮を取らせ、ビルを副官に据わせる。
命を懸けたスクラルとの戦いに乗り出すアスガルドの神々たち。一方、地上で新たな命が生まれようとしているその手助けに従事するドナルド・ブレイク。

スクラルとの戦いは優勢に進んでいるように見えたが、ベータ・レイ・ビルらは敵が送り込んだ精鋭の一人、スーパースクラルに苦戦を強いられてしまう。
あまりの強さに圧倒されてしまうベータ・レイ・ビルとアスガルドの神々。だが突然スーパースクラルは何かに気づいて攻撃の手を休めた。
そう、戦いの真っ只中で、スーパースクラルはブロクストンに新たな命が生まれた事に気づいたのだ……

シークレット・インベージョンソータイイン

◆感想
1巻から登場し、アスガルドの女神ケルダと出会って恋に落ち、逢瀬を重ねて彼女と両想いとなり、迷いを断ち切って故郷を捨て神々の住まう土地に移ったただの一般人であるビルは本シリーズのもう一人の主人公であったことがよく分かった。
最終回である『Thor Giant-Size Finale』でソーを差し置いて表紙を飾っているのにも納得。

ソージャイアントサイズふぃなーれ

アスガルドの神々のような特殊能力はなく、驚異的な力も持っていない本当にただの人間であるビルだけども、アスガルドに住まう神たちを、そしてケルダを救うために戦った彼は間違いなく戦士だったぞ……!

ついでに女神シフの体に乗り移ったために女性の姿になっていたロキも、本作内の展開でシフが復活したため男の姿に元通り。
伝聞でしか聞いたことがなかった&ニューアベンジャーズで唐突に女性の姿が描かれた女性化ロキも、それが終わっちゃうまでの下りをキチンとコミックで読めたので個人的にはありがたかった。

これで1巻、2巻に収録された第3シリーズ全話+#600と本書収録の#601-603+『Thor Giant-Size Finale』でストラジンスキー期のソーは完結となるんですが、ソーを取り巻く様々な問題は解決せずに終わるため少々拍子抜けするかもしれない。
というのも今回のシリーズはあくまで復活したソーの基本設定を新たに作る事を主としていたためだとか。まあ先に『シージ』を読んでいたんで、本作で色々な問題が解決しちゃうわけがないのはわかってたけども。

未邦訳の#604からはライターがキウロン・ギレンという方に交代してDr.ドゥームとの決着が描かれたとの事。その後はオクラホマに再建されたアスガルドを戦場としたクロスオーバーイベント『シージ』の方でロキとの因縁にひとまずのケリが付くため、本作の続きとしてシージを読むのもありかもしれない。


キウロン・ギレン期のソーを纏めた単行本

本書は前述した通り、おまけとしてスーパースクラルとの初対決が描かれている初期のソー、『Thor #142』も巻末に収録!
ただ『スーパースクラルと対決する』という部分よりも、ソーちゃんがエピソード冒頭で「バイク乗りにちょっかいかけられたので軽く脅かして反撃する」という話的に必要なさそうな下りが個人的にすごくツボだったりする。

雷神はビビって逃げたりセぬ
ライターはスタン・リー、アートはジャック・カービーという黄金コンビ

それと当時のソー誌に併録されていた短編シリーズ『テールズ・オブ・アスガルド』のうちの一話も収録されているのですが、ぶっちゃけこれだけ読んでも話の前後が分からなくてさっぱりだと思うので、ちゃんと話を追いたい人は『マイティ・ソー:アスガルドの伝説』を読むことをオススメします。
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