ツルゴアXXX

ARTICLE PAGE

06 2016

ジェリー・ダガン&マイク・ホーソーン他/デッドプール Vol.7:アクシス

デッドプールアクシス表紙

「でも、なぜ俺が二人いるんだ?」
「今の君は、未来への疑念の象徴だよ」
「こんなに弱気な性格じゃ、厳しい現実では不利だ」
「逆に考えよう。不利を逆にすれば有利になるさ」
「ふん。俺のユーモアセンスも反転したらしい」
「新しいことを試してみよう。君の人生には血が多すぎる」
「いいだろう。史上かつてない新デッドプールの誕生だ。お前に任せるよ」
「ありがとう。実はもうすでに入れ替わってる」


殺しは少なく、口数は変わらず!

<反転>インバージョンがテーマのクロスオーバー・イベント「アクシス」の前日譚となるエピソードでは、我らの赤い傭兵はスパイダースレイヤーに狙われることになる。あれ?ちょっと待って。これはスパイダーマンのコミックじゃないぞ!なんでスパイダースレイヤーが出てくるの?その理由を急いで突き止めるんだ。さもないと、もう一人のおしゃべりなヒーローだと勘違いされて、ボコボコのグチャグチャにされるぞ!
そして、「アクシス」事件によって<反転>したデッドプールは、暴力と縁を切る決断を下す。銃を捨て、刀を捨て、手榴弾を捨て……あとは自分で考えよう!そうそう、デッドプールが“禅”に目覚めたのだ!彼は<反転>した本物のX-MENの襲撃から、北朝鮮版の偽X-MENを守りきることができるのか?その答えは……もしかすると、カウボーイが関係してるかも。おまけエピソードでは、ロクソン・コーポレーションが環境について教えてくれるぞ。未来のエネルギーであるグラッキングについて学ぼう!


◆収録作品

2014年11月:Deadpool Vol.3 #35
2014年12月:Deadpool Vol.3 #36
2015年01月:Deadpool Vol.3 #37
2015年02月:Deadpool Vol.3 #38
2015年01月:Deadpool Vol.3 #39
2015年03月:Deadpool Vol.3 #40


◆関連作品過去記事
【デッドプール Vol.1:デッド・プレジデント】
【デッドプール Vol.2:ソウル・ハンター】
【デッドプール Vol.3:グッド・バッド・アンド・アグリー】
【デッドプール Vol.4:デッドプール VS. シールド】
【デッドプール:ドラキュラズ・ガントレット】
【デッドプール Vol.5:ウェディング・オブ・デッドプール】
【デッドプール Vol.6:オリジナル・シン】

◆デッドプール、禅に目覚める!?
第4巻でちらっと顔を見せ、今後登場するであろう伏線が張られていた『白い』デッドプール、通称“禅プール”が活躍するデッドプール第3シリーズ第7巻!
前巻『オリジナル・シン』に続き、この第7巻もクロスオーバーイベントのタイイン回となっている一冊なんですが……クロスオーバーイベント『アクシス』はオリジナル・シン同様、現在未邦訳の作品。

ざっくり『アクシス』のストーリーを解説すると、『死亡したプロフェッサーXの頭脳を手にし、サイキック能力を得たレッドスカルが、破壊神レッドオンスロートに変貌。アベンジャーズとX-MENは全力で彼に立ち向かうも敗北寸前まで追い詰められてしまう。
そこで魔術による精神攻撃という手段に切り替え、ドクター・ドゥームとスカーレット・ウィッチによる<反転>インバージョン呪文でレッドオンスロートの属性を反転させるのだった。
だが、結果としてレッドオンスロートの力を奪う事に成功したものの、その呪文は周囲にいた人物にも影響を与えてしまい、ヒーローはヴィランに、ヴィランはヒーローへと<反転>してしまい、さらなる大事件が巻き起こってしまう……!』
……という感じの内容。

AXISカバー纏め
あらすじだけ聞くと「またヒーロー達がやらかしちゃってる……」という感覚が拭えなくもない

アクシス本編は未邦訳だけど、<反転>してしまったトニー・スタークの姿は過去に邦訳された『アントマン:セカンド・チャンスマン』という作品でもちらっと拝むことが出来ます(豆)
トニーは普段から行動や言動がエキセントリック寄りなので、そこまで違和感を感じなかったりしますが。

で、マグニートーに引きつられてレッドオンスロートとの戦いに参加していたデッドプールもこの反転呪文の影響を受けて、目が覚めた時には魂が浄化されたかのようなスッキリした気分になり、真人間へと変貌してしまったのだった!なんてこった!
あのカーネイジも反転しているため、過去の因縁が水に流れ、二人が仲良く挨拶を交わす一コマがあったりとあまりにシュールすぎる。

カーネイジと仲良く挨拶するデップー

くだらないジョークを言わなくなり、非暴力主義者となったデッドプール。禅に目覚めたのもあって服装も修行僧チックに衣替え。
ただデッドプールのアナーキーな姿に惹かれていた奥さんのシクラーは、今の彼の性格はかなり面白くない模様。
まだ新婚なのに早くも夫婦生活にヒビが入りかけてしまってちょっと心配になる。

こんなんじゃヴィランに舐められちまうよ
反転したといってもこの白いデッドプールは第4巻で描かれていたように、
彼の心の奥底に存在していた人格の一つ
記事冒頭にセリフを引用してますが、一時的に本来の人格と交代している状態なため
いつものデッドプールが精神体となって愚痴をこぼす一幕もしばしば

そんな最中、ジーン・グレイ学園に匿わせていた北朝鮮の偽X-MENからメールが届き、X-MENの面々も反転してしまい、彼らを襲撃してしまっているという事を知る。
デッドプールはすぐさま学園に向かい、反転したX-MENの猛攻をかいくぐりながら北朝鮮X-MENを救出するというミッションに向かう!……というのが今回のストーリーです。
いつものハチャメチャさが無くなり、急に生真面目なキャラに変貌したデッドプールの姿に困惑する周囲のリアクションに笑う。

◆感想
面白かった!!
禅プールの生真面目なキャラクターも新鮮で楽しいんだけど、それ以上にミュータントの少年エバンとの対話がね……
前巻でエレノア救出に大きく尽力してくれた心優しい少年のエバンはあの魔神アポカリプスのクローン体(正確にはアポカリプスが少年の姿で転生した時に作られたクローン)

デッドプールはアポカリプスのクローンという不幸な生い立ちを背負ったエバンの事を昔から気にかけており、エバンの方も自分の事を助けてくれるデッドプールの事を信頼し慕っている、非常に仲の良い関係。
そんなエバンがアクシス事件の影響で反転してしまい、とてつもない大惨事を引き起こしてしまう。
エピソード後半はこの出来事で心に傷を負ってしまったエバンの事を優しく手助けしてやるデッドプールの姿が描かれているんですが、これが本当にうるっと来るんだよね……
前巻『オリジナル・シン』とは違いクロスオーバーイベント『アクシス』ではデッドプールは重要ポジションに就いているのもあり、本巻ではアクシス本編がダイジェストでオチまでしっかり描かれているため、アクシス自体が未邦訳なのがかなり勿体なく感じる。これはもう仕方ないんだけれども。

最後に収録されている『Deadpool Vol.3 #40』は、シリアス続きの本編の息抜きになっている完全なギャグ回。
悪徳企業ロクソン・コーポレーションに傭兵として雇われたデッドプールが、ロクソンのCEOであるダリオから安価に天然ガスを削減できる「グラッキング」の良さを説明してもらう学習漫画風の短編となってます。

ロクソン・コーポレーションとデッドプール
さらっとガンマ性のメタンガスや放射線が漏れているけど気にしてはいけない
死亡中のウルヴァリンやシュマゴラスの巣が地中に埋まっているのも気にしてはいけない

本編と無関係っぽいけど記事途中の画像にもあるように本編でヴィランのトラップスターに紹介してもらった仕事っぽいので、これもちゃんと正史エピソードなんでしょう。
ちなみにロクソン・コーポレーションは1974年のキャプテン・アメリカ#180にて初登場した、マーベルユニバースとしては結構歴史のある悪徳企業です。

3巻でバトラーを倒し、5巻でシクラーと結婚し、6巻で娘エレノアを救い出し、本巻で北朝鮮X-MENの面々もフォローして、ようやく色々な問題が片付きつつあるデッドプール第3シリーズ。様々な友人のため、シクラーのため、そして娘エレノアのために戦い続けてきた結果、彼らは孤独なはずだったデッドプールに自分の意志で関わってくれている。
次の第8巻がいよいよ最終巻。“家族”をテーマにしたこのストーリーは果たしてどんな結末を迎えるのやら。

【デッドプール:アクシス 補足】
関連記事

0 Comments

Leave a comment