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10 2016

スーパーサイズ・ミー

スーパーサイズ・ミー予告編スーパーサイズ・ミー
【原題】Super Size Me 2004年【米】


2004年1月のサンダンス映画祭のドキュメンタリー部門で上映されるやいなや、ファーストフード王国のアメリカを騒然とさせ、続いて世界各国で大きな反響を呼んでいる人体実験(!)食生活ドキュメント「スーパーサイズ・ミー」。
監督のモーガン・スパーロックは、2002年11月、感謝祭の休暇を実家のウェストヴァージニアで過ごしていた。その時スパーロックは、あるTVのニュース番組に釘付けとなった。そのニュースとは肥満症に悩むブロンクス在住の二人のティーンエイジャーが、“自分たちが肥満になったのはハンバーガーが原因”とマクドナルド社を相手取り訴訟を起こしたというニュースであり、訴えられたマクドナルドのスポークスマンが、自社の提供する食品の栄養バランスと肥満の因果関係は全くないとコメントを発表しているものだった。(結局、裁判所は“大量に食べたのは本人の責任”として原告の請求を棄却)
「このニュースを見た時、僕は感謝祭の七面鳥で満腹になっていた。そしてすぐに素晴らしいアイデアを思いついたんだ。彼女たちの言い分が正しいのか、マクドナルド社の言い分が正しいのか自分で証明してみようと思ったのさ。アメリカの実に37%の子供が肥満症に悩んでいるという。これはもう自己管理の甘さか、ファーストフード側に問題があるのか、はっきりさせなきゃならない社会的な問題なんだ。こういった訴訟がよく起こるけれど、“肥満バンザイ”って風潮も確実に存在する。その反面、食品会社のマーケティングや広告によって情報が叩き込まれているということも事実だ。果たして境界線はどこにあるのか?僕が学生の頃は栄養や健康についての授業があった。
しかしこういうカリキュラムはブッシュ政権の“No Child Left Behind(落ちこぼれ防止)”プログラムのお陰でカットされてしまったのさ。問題はとても根深い。とにかく何か自分なりの方法で疑問を投げかけたかった。それがこの映画を製作するきっかけさ。」とスパーロックは語る。

彼が挑んだのは、食事を30日間某大手ファーストフード店に限定し、下記のルールに従って自ら人体実験し、映画をつくること。
ルール①ファーストフード店に存在するものしかオーダーしてはならない(水も含む)
ルール②“スーパーサイズ”を勧められたら、断らない
ルール③全てのメニューを必ず一度は食べる
ルール④朝・昼・夜の3食残さず食べなくてはならない

スパーロックはこの実験の間、内科医・胃腸科医・心臓病専門医・栄養士の4人の医師に診察を依頼し、カラダの異変を数値と、彼自身の言葉によって実証していく。さらにスパーロックは自らのカラダを張った実験だけに留まらず、全米20都市を旅し、学校給食の調理師、体育教師、弁護士など多彩な人物への取材を敢行。食生活がどれだけ人間形成に影響を与えるかを検証する。果たして、人はファーストフードのみで生きることができるのか?30日後のスパーロックのカラダにはいったい何が起きるのか?

***

……もうネタバレを隠す必要があるドキュメンタリーでもないので書いちゃいますが、この実験の結果案の定スパーロックは凄まじいまでの健康状態の悪化を引き起こし、正常時の体重と健康状態に戻るまで1年2ヶ月もの期間を要したとか。
(この体験を元に『The Great American Detox Diet』という本を執筆したとの事)
出された食べ物に陰毛が混入してたとか「それいる?」なネガキャン気味な映像もちょくちょく混じってはいますが、向こうの食生活が抱えている問題に自らが実験台となることで警鐘を鳴らし、食に対する教育を変えるべきという主張を多くの人に伝えるという部分はしっかりしていたため、ちょくちょく実験方法にツッコミが入るドキュメンタリーではあるものの、大きな意義がある一作だったと思います。

【『スーパーサイズ・ミー』モーガン・スパーロック監督独占インタビュー - シネマトゥデイ】
この身体を張ったドキュメンタリーの影響でマクドナルドがスーパーサイズを廃止、メニューのサラダを強化したというのはかなり凄い事かもしれない。

 
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