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02 2016

ジェリー・ダガン&スコット・コブリッシュ他/デッドプール:ドラキュラズ・ガントレット

ドラキュラズガントレット表紙

「死があるから、生は美しいのよ。私の一族はほぼ不死身よ。
 人は老いる。けれど、私たちは永遠に若いまま。
 残酷な時の流れに飲まれることはない」

「俺ちゃんだってほぼ不死身だぜ。
 普通の人間ならイチコロの傷でも、俺は死ねない」

「変な話だけど、少し寂しいわ。私たちはよく似てる」


デップー、ついに独身とおさらば!?
トラブル続きのアバンチュールの果てに
選ぶのは任務か、それとも愛か――。

人捜しを依頼されたデッドプール。その依頼主は……ド、ドラキュラ!?
妖精界を統べるべく、夜魔の女王シクラーとの結婚を目論むドラキュラのもとに、彼女を連れて行くのがデップーの任務だ。しかし、ブレイドに襲われたり、中世の騎士の亡霊に絡まれたりと、トラブル続きの旅路の果てに、2人の間に愛情が芽生えてしまった。
デッドプールは、果たして任務を遂行できるのか?それとも恋を選ぶのか?


◆収録作品

2014年09月:Deadpool: Dracula's Gauntlet #1
2014年09月:Deadpool: Dracula's Gauntlet #2
2014年09月:Deadpool: Dracula's Gauntlet #3
2014年09月:Deadpool: Dracula's Gauntlet #4
2014年10月:Deadpool: Dracula's Gauntlet #5
2014年10月:Deadpool: Dracula's Gauntlet #6
2014年10月:Deadpool: Dracula's Gauntlet #7
※本書は2014年3月から6月にかけてデジタルコミックで週間発売された『Deadpool: The Gauntlet Infinite Comic』を再編集し、エピローグが追加された紙版を纏めた単行本となっています。


◆関連作品過去記事
【デッドプール Vol.1:デッド・プレジデント】
【デッドプール Vol.2:ソウル・ハンター】
【デッドプール Vol.3:グッド・バッド・アンド・アグリー】
【デッドプール Vol.4:デッドプール VS. シールド】

◆GIVE LOVE A HAND(愛のハンドパワー)
ちょっと更新ペースが落ちてた間にどんどん邦訳デッドプールが刊行されまくったので、ここ最近は未読分を買ってどんどん読んでいこうと思ってる今日この頃です。
本記事でレビューするのは、元々はデジタルコミックとして発売され、その後紙でも刊行された全13章のミニシリーズ『デッドプール:ドラキュラズ・ガントレット』!!

タイトルだけ見ると一見単独作品のような雰囲気を醸し出していますが、本作は現在邦訳刊行中のデッドプール第3シリーズ単行本『デッドプール Vol.4:デッドプール VS. シールド』『デッドプール Vol.5:ウェディング・オブ・デッドプール』の間に起こった出来事と設定されており、実質デップー第3シリーズ『第4.5巻』ともいえる位置づけの作品となっています。本作のライターも第3シリーズと同じジェリー・ダガンとブライアン・ボゼーンだしね。

初登場が1951年の『Suspense #7』という超古株ヴィラン、ドラキュラから彼の花嫁になる予定の夜魔の女王、シクラーが眠る棺を回収し、彼の元へ連れて帰るという任務を引き受けたデッドプール。
ドラキュラの目的は彼女と結婚することで妖魔界を統一し、長らく続いてきた派閥抗争を一気に終わらせる事だというが、真意は別の所にあるようで……?

ブレイドVSデッドプール

オカルト系のストーリーという事でヴァンパイアハンターであるヒーロー『ブレイド』が登場し、話にがっつり絡んでくるのも本作のお楽しみポイント。ブレイドの活躍がしっかり見られる邦訳ってひょっとして初めてではないだろうか。何度も映画化、映像化されているヒーローなんだけどね。
相変わらずウェズリー・スナイプス感満点なキャラデザインで剣撃アクションを披露してくれます。
いち早くドラキュラの企みを見抜いていたブレイドがデッドプールの任務を妨害せんと襲いかかったり、ウェズリー・スナイプスの逮捕ネタでからかわれたり、デップーとシクラーにギャグ的な方法で撃退されたりと扱いが良いのか悪いのか分からないのがまた堪らん。

ジェリー・ダガンとスコット・コブリッシュの脚本はもう何度も言ってる気がするけどギャグとシリアスの塩梅が実にちょうど良い!
シクラーとの結婚が決まった事で彼女の二人の兄がドラキュラの屋敷に現れるのですが、義理の兄(予定)という立場を利用して勝手に大量のゲストを招いて好き放題遊びまくるもんでドラキュラが頭を抱えたり、デッドプールが彼の協力者であるヒドラ工作員、ボブと勘違いして無関係のヒドラ工作員を殺した時の言い訳が「お前かと思って(殺した)」だったりなどでもうハチャメチャ。
あとラストバトルでは色んなキャラがデッドプールの応援にやってきてくれるのですが、「あんたも共闘するのかよ!」な人が出るシーンではほんと笑った。

そして本作の一番のメイン要素かつ、デッドプール誌においての重要展開!ヒロインである新キャラ、シクラーとのロマンスがじっくり描かれていくのにも注目です。
ドラキュラの元へ連れて行く旅の中でシクラーとパリ観光を楽しんだり、襲い掛かってくる敵を撃退するために共闘したりするうちに少しずつ彼女に惹かれていくデッドプールの姿がなんともいじらしい。

自分の心にウソをつくデッドプール
デッドプールの素顔は「見た者が吐き気を催すほどに醜い」という設定であり、
本作でもそれはしっかり描写されてるんだけどこのシーンのデッドプールはイケメン感が半端じゃない
やはりデッドプールはイケメンなのでは……?

◆劇中のデップーオリジナルソング『The Man Who Blew Too Much...Up(ヤりすぎる男)』の演奏動画

劇中でデッドプールが歌っているオリジナルソング『The Man Who Blew Too Much...Up(ヤりすぎる男)』(作詞・作曲:ジョーダン・D・ホワイト)を実際に演奏、歌ってみたという動画。
ちなみにコード譜そのものもちゃんと本書に収録されています。

◆感想
面白かった!!
新キャラかつ新ヒロインでもあるシクラーとの恋愛模様、ヒーローサイドからは前述したブレイドだけでなく隠密部隊サンダーボルツのメンバーであるレッドハルク、エレクトラ、パニッシャー、ゴーストライダー、そしてデッドプールの“パシリ”として有名な準レギュラーキャラ、ボブなどと言ったゲストキャラの総登場、結構な古参であるオカルト系ヴィラン達(新キャラも多いけど)とのバトルなどがてんこ盛りで、尚且つミニシリーズという事もありストーリーもこれ一冊で綺麗に纏まっており、なんというか劇場版作品を見終えたような満足感のある一作でした。

ただ本作単体で読むのもいいとは思うけど、個人的にはやっぱ第3シリーズを追いかけながら本作に触れたほうがより楽しめるんじゃないかな!
「北朝鮮での出来事」「自分の人生を破滅させたヤツ」の事を忘れ、気分転換のためにイギリスに渡ったというのが冒頭の場面。
第3シリーズのこれまでのエピソードが存外シリアスな内容であり、辛い出来事が連続しすぎてこの時期のデッドプールは精神的にかなり参ってきているという事を知った上で読むと本作の爽快でハッピーエンドな展開により感動すると思います。
それに第3シリーズ本編へのちょっとシリアスな引きもあるしね。

シクラーとおデート
シクラーと出会った事で心に生まれていた影が少しだけ取り払われたデッドプール

【デッドプール:ドラキュラズ・ガントレット 補足】
本作の翻訳者高木亮氏のブログ記事。
デジタル版と紙版の演出の違いについても触れられています。
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