ツルゴアXXX

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05 2011

ストライダー飛竜

タイトル
「きさまらにそんな玩具は必要ない」

AD2048――冥王暦元年
絶対の防衛力を誇るロシア帝都に潜入するひとりの暗殺者がいた。
その腰に差した武器はプラズマエネルギーによってあらゆる物体を切断する光剣"サイファー"。
肩にはカマに似た登行器を携帯している。
彼の属する"ストライダーズ"はどんな依頼にも応じる戦闘、諜報のプロフェッショナル集団であり、今、彼は最も重要かつ危険な任務についていた。

「謎の冥王"グランドマスター"を消す」

いったい誰がこんな恐るべき任務を依頼したのか。
しかし、彼がプロの暗殺者である限り、その人物について語るはずはなかったし、彼自身にも興味はなかった。
この時、すでに全世界、全人類は"グランドマスター"の足元にひざまづいていたのだ。
その偉大なる冥王に対する最後の反逆者。
彼は、その鍛え抜かれた体技によって、帝都の伽藍を登り、兵を斬り倒し、高層ビルの谷間を飛び渡る。

彼の名は飛竜――――。

冥王の野心はとどまることを知らなかった。
全人類、全世界を征服したかに見えた冥王であったが、すべてを徹底的に支配するにはまだ何かが足りない。
そこで彼の脳裡に閃いた悪魔の計画が「ザ・サードムーン計画」である。
世界の科学力のすべてを注ぎこみ、アマゾンに棲息する生物を研究した冥王は生命の神秘を遂に解き明かした。
連綿と引き続いてきた生態系をすべて絶滅させ、みずからの生み出した生命で世界を満たす。
その時こそ冥王は神となり、彼の支配欲はようやく満たされるであろう。
反重力装置も完成し、持ち駒は手の中に揃った。
都市ザ・サードムーンを反重力装置によって天空へ打ち上げ、地球上の生物を熱核兵器によってすべて焼き殺すのだ…

(メスト増刊オールカプコンより)


◆輝けサイファー、闇を斬れ飛竜!
サイボーグ

ソロ撃破

『ストライダー飛竜』1989年3月7日にアーケードで稼動したカプコンの横スクロールアクションゲーム。
1レバーと2ボタンで操作する非常にシンプルな作り。

本ゲームは非常に爽快感のあるゲームであり、
第一に飛竜の扱う武器、『サイファー』あまりに強力であるという点が挙げられます。

一瞬やで

ボス敵であろうがサイファーを振りまくれば一瞬で片がついてしまうほど。
ラスボスであるグランドマスターですら一瞬で葬り去る威力を秘めています。
最強の暗殺者であるという主人公・飛竜の設定に合っていると言えば合っているのですが、
ぶっちゃけるとゲーム性はやや大味。

しかし、その大味なバランスなんか問題にならないほどプレイヤーを惹き付けてくれる演出が多いゲームなんです。

張り付き
天井や壁に張り付いて移動する事ができる自由度の高さ

駆け下りろ!
急斜面を高速で駆け下りていくスピード感のある演出

グランドマスター
フルボイスでセリフが流れる中間デモ

デモシーンではキャラクターが各々の国籍の言語で喋ります。
(何故それで意思の疎通が図れるのかは謎)

また、場面が切り替わるとBGMも状況に合わせて変化していくといった演出も痺れる。

・・・が、この演出にはバグがあり、
3面と5面では延々と1面冒頭の曲が流れるという事になっちゃってます。
メガドライブなどの移植版や後に出回った再販版では修正されているようですけどね。
ちなみに私はこれを単なる演出だと思って気にしていなかったという・・・
後にネットで3面や5面にも個別に曲が用意されていると知って驚愕しました。

ちなみに、移植版で修正されていると述べましたが、
ストライダー飛竜(海外版)が収録されている
『Capcom Classics Collection Remixed』未修正のバージョンであるのには注意。
その辺の話はこちらの過去記事で。↓
【過去記事 カプコン クラシックスコレクション】

棒読み
(飛竜はわりと棒読み)

素の飛竜自身が強力な性能なのにもかかわらず、
手に入るオプションアイテムのうちキノコ型ロボットを所持しているとその能力はさらに上昇。
それもあって本ゲームの難易度は非常に低いです。
1プレイの時間も十数分ぐらいで済むため、ちょっとした時間に気楽に遊べる内容。
アクションも簡単操作ながら魅せるモノになっているため、自分のプレイに酔えるのも魅力。

◆漫画版とFC版&PCE版
この作品の企画には本宮プロも関わっており、
漫画、ゲームと二通りのアプローチをかけた作品でもあります。

ストライダー飛竜は基本設定のみを共有し、
アーケード、コミック、そして下記のファミコン版はそれぞれ異なる飛竜を描くという
スタッフ間での競作がなされたのです。
この漫画版はゲームより一足早く、コミックコンプティーク上で連載されました。

表紙_convert_20110604231750

この漫画版はゲームでのイメージとは異なり、やや熱血キャラとして描かれているとか。
本宮プロらしい感じです。

人体に受信機を埋め込み、
電波で脳に干渉することで思考・行動を操ろうとする研究、「ザイン・プロジェクト」。
飛竜は自分の死んだ姉がこの研究の実験台にされたことを悟り、
関係者全員を地獄に叩き落すことを決意する…というストーリー。
ただし、この漫画版がどれだけ公式設定に関わっているのかは不明なようで。
少なくとも飛竜の赤いスカーフの初出は『マーヴルVSカプコン』では無くこちらなようですが…
※2014年5月追記:トレードマークの「マスク&マフラー」はやはり漫画版の影響とのこと。
【第三回 「未来を駆ける忍者、飛竜!」】

ウロボロス_convert_20110605000600
『ウロボロス』が強力すぎたマヴカプ飛竜

そして、この漫画版を元にしたファミコン版のストライダー飛竜も後に登場。

FC版_convert_20110605000800

NES_convert_20110605000857.jpg

ちなみにこのゲームのOPには歌詞が設定されています。

燃え上がる紅蓮の炎
それは奴等の瞳の色
全てを殺し 灼熱に染める
ストライダー お前はその時
ストライダー 何を守るのか
今はもう 一筋の光さえ届かない この地上に
THE DANGER SOUL OF THE LIFE
青き野を馳せる者よ


お蔵入り・・・_convert_20110605000906

しかし海外のみの販売に終わり、日本ではお蔵入りという事態に。
残念といえば残念ですが、ゲームの出来はアレな感じと言われているようです。

もう一つ変わったストライダー飛竜として、
PCエンジン版の存在があります。
この移植版ではデモ演出が強化されているのが特徴。
というか他の会社でもPCエンジンでの移植作品はそんな感じの追加要素が多かったんですけどね。

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PCE2_convert_20110605002657.jpg
なんか黄ばんでるのが特徴なゲーム画面

2面に完全新規のステージが追加されています。
あまり捻られたステージ構成でもなく、ボス戦も安置がモロばれという微妙なステージなんですけど。

新しい2_convert_20110613011520

新しい_convert_20110613011511

新しい3_convert_20110613011528

本作ではゲーム開始時、「ストライダーが危篤状態に陥った場合、
体内に埋め込まれた小型爆弾が爆発する」
と序盤のイントロで語られます。
ミスったときの爆発はそういうことだったんですねー。

また、ストライダーズが、
『国連によって組織された世界平和を守るための集団』という設定に変わっているのも大きな特徴。
そんな国際的な組織なのに体内に小型爆弾を埋め込むなんて非人道的な措置を施しているのか(困惑)
変に設定を追加しない方が自然だった気がする。

PCE3_convert_20110605003054.jpg

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ソロのイケボはなかなか堪んない(顔見えないけど)
ちなみに全キャラ新録された日本語ボイスに統一されてます。


アレンジBGMやデモ演出に力が入っている分、肝心のゲーム画面のグラフィックはショボショボ。
多重スクロールも無くなり、ちらつきもひどめ。
ちらつきの度合いによっては足場が掻き消えたり知らぬ間に敵が死亡していたりするほど。
1994年9月22日発売と何年も待たせての移植だったためにテンションが下がった人も多かったとか。

ちなみに、PCE版のエグゼクティブプロデューサーは、
『関わったゲームは延期か中止になる』事で有名な多部田俊雄

◆STRIDER RETURNS
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海外版メガドライブ(GENESIS)で発売されたストライダー飛竜の続編。
US GOLDという会社の作品で、驚きなのはちゃんとカプコンに認可を受けて作った続編であるという点。
1の敵もちゃんと登場するとか(というか使いまわし)
また、発売された国によっては『STRIDER Ⅱ』というタイトルになっていたりするようです。
ちなみに主人公は飛竜ではなくストライダーヒンジョーという人物。
リクシアという女性を救う為に奮闘する物語です。

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囚われていた女性を救い出して終わりという洋画のようなエンディング

◆外部出演
『ストライダー飛竜』は決して知名度の低いゲームではなかったのですが、
『VSシリーズ』での登場や、『NAMCOxCAPCOM』での登場により、
世代の違う人にも知られ、デザインがより現代的になった飛竜のカッコよさもあってさらに人気の上がった作品でもあります。

MVC_convert_20110605005238.jpg

『VSシリーズ』では、
サイファーによる攻撃判定が異常に大きい上リーチも長く、
ハイパーコンボのウロボロスが強力無比なためにどのキャラとも互角以上に戦えるという強キャラでした。
また、原作ゲームで飛竜が突然瞬間移動してしまうバグをワープ技として無駄に再現しているのも特徴。
『マーヴルVSカプコン』のEDでは原作ゲームのEDを再現!

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スタッフの愛を感じる

『ナムコクロスカプコン』でも飛竜は登場。
こちらでもかなりのハイスペックな能力値で登場します。
攻撃回数の多さが強み。

ナムカプ1_convert_20110605010309

ナムカプ2_convert_20110605010318

ナムカプ3_convert_20110605010327

ナムカプ4_convert_20110605010336

こちらはストライダー飛竜2をモチーフとした参戦となっていました。
フルボイスで登場キャラの名言を聞けるのはホントに嬉しい。
グランドマスターとの掛け合いには漫画版の会話が用いられていたりもします。
ナムカプはレゲー好きにはたまらないゲームとなっているのでお勧め。

飛竜の企画者である四井さんも海外のインタビュー記事で、
「ストライダーは、インカムがよくなく、売れたゲームではありません。正直、その主人公である飛竜をよく使う気になったな」と語っています。

他にもお蔵入りとなった格闘ゲーム、『カプコン ファイティング オールスターズ』にも登場するはずでした。

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嗚呼・・・_convert_20110605010909

◆ストライダー飛竜2
タイトル_convert_20110605011104

飛竜2_convert_20110605011112

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マヴカプでの登場でもう一度人気に火がつき、10年越しの続編として1999年に発売された『2』
飛竜の雰囲気もマヴカプ風になっています。
しかしこの時期には時代遅れとなっていたPS互換基板を用いており、
3Dと2Dを組み合わせたグラフィックも2Dのほうが小さすぎるのもあってやや迫力が薄めです。
ただ新たに追加されたアクションによって『1』とは異なる爽快感があるのは良い部分。

STORY

一体なにが間違っていたのか。
増えすぎた人口はさらなる飢餓と紛争を引き起こし、
慢性的な環境破壊は未知の公害病と遺伝子障害を生み出しつづける。
強力なドラッグの蔓延に、人体改造の横行。
堕落した政治と結託した大規模な企業犯罪。正義や平和を叫ぶ者は、その逆しかもたらさない。
人類は熟れすぎた果実のように、ゆっくりと腐っていた。
そして今、陽光も射さぬ暗い都市の底に、1人の暗殺者が降り立つ。
おそるべき任務を受け、世界の全てを敵に回したその男の名は…飛竜!
光剣サイファーと鍛えぬかれた体術のみを武器として、
稲妻のように素早く、死のように容赦なく、飛竜が駆ける!


このストーリー、前作から2000年後という設定であり、
現在の世界もグランドマスターが世界を完全掌握しているという設定。
1でのグランドマスターの目的は果たされたようで。

↓『1』の最終決戦前のセリフ
(「余は、この都市を天空へ打ちあげ 地球上の生物を全て焼き殺してくれる。」
 「新しい地球は、余が造り出した生命でみたされるであろう。」)

どうも『1』での飛竜は敗北したらしいです。

サントラに書かれている開発の内幕では
「前作にあったアクションへの限界という志は最初から無く、
 出来が悪かったとしても飛竜のかっこよさでごまかせる」
「このゲームの開発は貴重な体験だが、もう2度としたくない類の体験」

などとぶっちゃけすぎな事が書かれていたらしいです。

この『2』では『1』の企画者、四井浩一さんが全く関わっておらず、
それもあって全体的なセンスが異なっているというのも人によっては受け入れがたい点でもあります。

四井浩一さんがミッチェルから発売した『キャノンダンサー』が飛竜の実質的な後継作品とまで言われていたり。
【過去記事 キャノンダンサー】

ちなみに海外のインタビュー記事によると、四井さんは「私の感覚では別物です。ですが、私の感覚はいささかも重要ではありません。ゲームは楽しんだ人々の物です」とコメント。

◆ストライダー飛竜のリブート作品?

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『トップシークレット』のリメイク作、『バイオニックコマンドー』を世に送り出したことで有名なスウェーデン・ストックホルムに存在したビデオゲーム開発スタジオ『GRIN』
この会社が実はストライダー飛竜のリブート作を開発していたことが2012年2月21日に明らかになりました。
このリブート作品は当時、GRINバルセロナスタジオの協力の下で初期のプロトタイプが開発されていたようなのですが、『バイオニックコマンドー』が発売された数週間後にカプコンによってプロジェクトが中止に
仕方なくGRINはその後も『ストライダー飛竜』とは別の作品として開発を進めていたらしいです。

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結果的にストライダー飛竜っぽい別作品という扱いになるゲームですが、それでも世に出てたらちょっとプレイしてみたいと思う作品です。

日本風なステージやキャラクターも登場する作品になるはずだったようですね。
以下のリンクには他にも様々なコンセプトアートが掲載されています。
【GRIN: Los juegos perdidos】
【Bionic Commando dev Grin worked on Strider reboot, Streets of Rage remake】

◆〆
途中から外部出演などの話に脱線してしまいましたが、
飛竜はそれだけ強い魅力のあるゲームなのです。
現在はケータイアプリでも配信されているようなので是非一度プレイしてみてください。

アプリ

ちなみに「カプコン ゲームブックス ストライダー飛竜」という
攻略本と『1』がセットになった大型本が未だに販売されているようです。
個人的にはPS版の「ストライダー飛竜1&2」がPSアーカイブスで配信されたらな~…と思っているのですが。
とりあえず『1』は結構プレイする機会に恵まれていますね。

パンダ
こんなところにパンダが!(400点)

【参考リンク】↓※記事内で話題に出した海外インタビュー(WEBアーカイブ)
【Interview with Kouichi "Isuke" Yotsui】
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