ツルゴアXXX

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05 2016

ファビアン・ニシーザ&マーク・ブルックス他/ケーブル&デッドプール:青の洗礼

青の洗礼表紙

「は?アレで世界征服する気だったか?
 もしかして、お前お得意の“世界平和のために戦う傭兵”とかってギャグか?
 お前の事はわかってるぜ、ネイト!
 来る日も来る日もヒトラー志願者と戦ったあげく、わかったんだろ?
 戦いをなくすにゃ、ヒトラーになるしかねえってな!
 ご静聴どうも」


BLUE EVERYDAY

それは、デッドプールにかかってきた一本の電話から始まった。

電話の主はワンワールド教会。
愛と融和を唱える宗教団体が、お喋りな傭兵に何の用があるのか?

一本の電話をきっかけに、未来戦士ケーブルを巻き込んだ全地球規模の大事件が巻き起こる!

マーベルユニバース屈指の迷コンビ、ケーブル&デッドプールが主役を務める注目作、ついに邦訳!


◆収録作品

2004年05月:Cable & Deadpool #1
2004年06月:Cable & Deadpool #2
2004年07月:Cable & Deadpool #3
2004年08月:Cable & Deadpool #4
2004年09月:Cable & Deadpool #5
2004年10月:Cable & Deadpool #6


◆THEY'VE GOT CHEMISTRY RIGHT
映画『デッドプール』が大ヒット中で、ますます知名度と人気がうなぎのぼりなクソ無責任ヒーロー、デッドプール!!
ここ最近は邦訳本もバンバン出版されているこのヒーロー、今度はヴィレッジブックスから、早くも映画の続編で登場するとのウワサがあるケーブルとの迷コンビが初めて結成されたエピソード、『ケーブル&デッドプール:青の洗礼』が刊行!
ここ最近(主に小プロから)刊行されているデッドプールの邦訳は2010年代前後のものが多かったのですが、本作は2004年に描かれたエピソードであり少々古め。

表紙に採用された異様な迫力があるカバーアートはデッドプールの生みの親であるロブ・ライフェルドが手がけてます。ヤバイくらいに肥大化している筋肉や独特なデザインをしている銃が目を引く!実にロブい!
でも本編のアートは別の方、マーク・ブルックス、シェーン・ロー、パトリック・ジルシャーといったアーティストが担当。よかった(小声)。
加えて本作はアートに、近年ではカプコン格ゲーやストリートファイターのコミカライズで有名な『UDON Entertainment』も関わっています。
【「ウルIV」のコスチュームデザインを手がけるUDONってどんな会社? 熱く支持される理由から海外アニメ事情まで,COMIC-CON会場で話を聞いてみた】
日本のアートスタイルに影響を受けた人が集まっている会社なだけあって、本編アートはどことなく日本アニメ的な感じが。

デッドプールとケーブル
ちなみに映画でデッドプールを演じたライアン・レイノルズは
本作のこのページのセリフを見て「デッドプールに運命的な絆を感じた」と述べたとか

『ケーブル&デッドプール:青の洗礼』は、4年近く連載が続いた長期シリーズ『ケーブル&デッドプール』誌の1話から6話までを収録した一作。
迷コンビとして有名なケーブルとデッドプールですが、本エピソードは彼らが初めてチームアップするという内容なため、今のように親しげな描写は当然皆無。
ストーリーは、宗教団体『ワンワールド教会』からの依頼を受け、製薬会社サニックが作り出したという人類に脅威をもたらすウイルス……“ファサード”の奪取を目論むデッドプールと、時を同じくしてそのウイルスを悪人の手に渡らぬよう密かに回収しようとしていたケーブルが出会ってしまうというところからスタートします。

人類の姿形を変質させるという凄まじい効力を持つウイルス“ファサード”……ワンワールド教会の目的は、このウイルスを世界中に散布して人々の外見を統一し、この世から人種差別や対立の原因となる文明を一度破棄させることだった!
大司教クラッチの考えに同意し、自分もファサードを摂取して青い肌と普通の外見を手にしたすっかり信者なデッドプールと、クラッチのウイルス散布を止めるために一人で戦い、デッドプールと対決するケーブル。
当時個人誌が終わった者同士のやや強引なチームアップ物だったはずが、キャラクター性の異なる二人を組み合わせたことで思わぬ化学反応が起こりストーリーを盛り上げ、アベンジャーズなどの旗艦タイトルに引けを取らないどんどんスケールの大きな展開になっていくのが堪らない作品です。

◆感想
デッドプールが現在のような可愛げのあるコメディリリーフっぷりとなんだかんだで結構人情を併せ持つ感じのキャラではなく、日々孤独感を抱えて生き、世界を憎んでハチャメチャに場をひっかきまわしていくという迷惑度が相当高めなキャラとして描かれているのは今見るとなかなかに新鮮。
ドラマ、洋楽、俳優ネタなどを織り交ぜた喋りっぷりは健在ですけども!

この頃はまだ自分の中に2つの人格を持っている(黄色と白のモノローグと会話する)という、ライターのダニエル・ウェイが作り出した設定も当然無し。
今のようななんだかんだでヒーローとしての姿を確立しているデッドプール像とは少々異なる彼の姿、ケーブルとデッドプールがコンビを組むはめにならざるを得なくなった原因など、この二人の腐れ縁が出来る過程などが本作でしっかり描かれていて興味深いエピソードでした。

現状2巻以降の邦訳予定は無いみたいですが、シビル・ウォーのタイインである『X-MENユニバース:シビル・ウォー』には本シリーズの30話~32話が、小プロから刊行された『デッドプール:マーク・ウィズ・ア・マウス』の解説書には本シリーズ全話のざっくりとしたあらすじが記載されているので、気になる人はこの2冊をチェックしても良いかもしれない。

ただまあ、帯にそれとなくケーブル&デッドプールの次の邦訳を仄めかした一文はあるんですけども。
「CABLE & DEADPOOL MAY RETURN」ってこれ早くても来年の話なんだろうか。

世界は少しクソじゃなくなる

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