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03 2016

デッドプール

デッドプール予告編デッドプール
【原題】Deadpool 2016年【米】


タクシーに乗って目的地へ急ぐ、全身、赤いコスチュームの男。彼は運転手に、自分の名前を「デッドプール」だと告げる。到着したのはハイウェイの上だった。デッドプールは、そこで宿敵への復讐を果たそうとしていたのだ――。
そこからさかのぼること2年。
ウェイド・ウィルソンは、かつて特殊部隊の有能な傭兵だったが、第一線を引退。好き勝手に悪い奴をこらしめ、金を稼ぐという、ヒーロー気取りの生活をしていた。
そんなウェイドが一夜の相手として知り合ったのが、娼婦のヴァネッサ。最初のベッドインがあまりに“完璧”だったため、彼らは一年間の同居を経て、婚姻を決意する。幸福な未来が待ち受けると思ったのも束の間、ウェイドは原因不明の痛みに襲われ、全身にガンが転移していると診断されてしまった。余命は、あとわずかとなり――。
激しく落ち込むウェイドに声をかけてきた男がいた。
末期ガンが治せると聞かされたウェイドは、その男の誘いで、ある施設へ連れて来られる。そこでは余命宣告された者たちに人体実験がほどこされ、肉体を改造された被験者が、戦闘マシンとなって売られる、という恐ろしいプロジェクトが進んでいた。施設を仕切っていたエイジャックスは自らも無敵の肉体を手に入れており、ウェイドにさまざまな実験を課して、彼を改造していく。やがて、どんな攻撃を受けても回復できる肉体を手にするウェイド。しかし怒りが収まらない彼は、エイジャックスと激しく戦った末に施設から逃亡する。
実験のために、顔を含めて全身の皮膚がただれたウェイドは、ヴァネッサに素顔を見せる勇気がない。ボロボロの顔を隠すため、自らマスクを作った彼は、自分を「デッドプール」と名付け、エイジャックスを探すことにした。元の肉体に戻してもらい、もう一度、ヴァネッサと幸せな生活を送りたい……。
ウェイド=デッドプールは強い感情に突き動かされ、エイジャックスへの手がかりを見つけては、次々とその場で敵を倒していくのだった。

マーベルコミックスの同名コミックを原作とした、20世紀フォックスによる映画『X-MEN』シリーズのスピンオフ作品でもあるスーパーヒーロー・コメディ映画、それが本作『デッドプール』
ただ映画X-MENシリーズと世界観を共有しているといっても、内容的にはそこまで繋がりを気にする必要は無いかも。
(時系列的にも現在展開中の作品とはかなり離れてる感じですし)

映画化が本決まりになるまでの過程にはちょっとした事件があって、2014年7月28日にデッドプール役のライアン・レイノルズが声を担当したテスト映像が何者かの手によりネット上に流出(後にこの映像は正式に公開された)するという出来事がありました。
しかしこのテスト映像が肯定的に評価されたこともあって結果的に映画化が決まったのだから、終わり良ければ全て良しって感じなのかな?


流出事件は話題作りだったのではないかという気がしないでもない(小声)

映画のストーリーはデッドプールによる回想と現在を、彼のやかましいまでの軽口を交えつつ何度もザッピングしながら少しずつ進めていくという構成。
デッドプールのコメディリリーフな面は映画でも全開で、スターウォーズ、コクーン、127時間などの映画ネタ、本作同様ライアン・レイノルズが主役を演じたものの滑ってしまった事で有名なDCコミックスのヒーローの映画『グリーン・ランタン』の自虐ネタ、X-MENからはコロッサスと実質オリキャラ(詳細は後述)のネガソニック2名しか登場しない事に対して「予算無いの?」とメタな事を発言しちゃったりするなどとことん自由。
(しかも本作は実際他のマーベル映画に比べると予算は少なめ)
『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』でのデッドプールの例の扱いもしっかりイジってくる姿勢にはもう吹くしかない。

カメオ出演はもはや恒例であるスタン・リーだけでなく、生みの親であるロブ・ライフェルドもいるので見逃さないようにしよう!
というかデッドプール本人が「よう、ライフェルド」と話しかけてるんだけども!

本作のストーリーは監督インタビューによると特定のコミックのエピソードを原作にしたという事はなく、これまでに語られてきたデッドプールのオリジンを色々組み合わせて作られたとのこと。
ただ監督自身はデッドプール初の個人誌、ジョー・ケリーによる『デッドプール第1シリーズ』が大好きでそれの影響は受けているのだとか。これは邦訳してもらわなきゃ……
【映画「デッドプール」ティム・ミラー監督インタビュー:ゲームの仕事の経験が生きた!】

映画中盤あたりで登場する、デッドプールの同居人で妙にキャラが濃い盲目のおばあちゃん、ブラインド・アルもジョー・ケリー期の準レギュラーキャラだったり。

ブラインド・アル
最近は出番が少ないお方 映画化で知名度が上がったことでワンチャンあるか!?

デッドプールの友人ウィーゼルも良いキャラしてました。
皮膚がただれたデッドプールの姿を見て慰めるどころか普通にキモいと言い放ったり、捜索に付いてきた癖にストリップバーでは手伝いもせずに普通にストリップを堪能してたり、ラストバトル直前では「本当は付いて行くべきなんだろうけど……行きたくない」クッソ正直な気持ちを伝えてそこで出番が終了など、彼の行動がどれをとってもデッドプールとは違うベクトルで酷くて笑う。

さっきからコメディ要素ばかりを挙げてしまってますが、本作、実は結構なラブストーリー。
序盤のうちはヴァネッサとのラブシーンにやたら尺を割いてますしそのおかげでレイノルズのケツを何度も拝む羽目になる。
そもそもデッドプールの目的は自分をこんな体にしたエイジャックスに会って元の皮膚に戻してもらい、ヴァネッサの元に帰ってもう一度ラブラブな生活を送るためってだけですからね。アクションシーンは派手だけど話のスケールは結構小さい。
コメディとシリアス、ラブロマンスを絶妙なバランスで織り交ぜて最後の最後はハッピーエンドと、R-15なだけあってグロいわ下ネタも飛び出しまくるわなのを除けばなかなかベタなアクション洋画をやってくれちゃってる印象でした。
デッドプールの魅力を余すところ無く描き、ストーリーも意外に爽やか、もうめっちゃくちゃ面白いオススメの一作です。
ライアン・レイノルズに文句なしの代表作が出来たというのもなんか嬉しい。
【ライアン・レイノルズが激白! 『デッドプール』製作秘話や“あの黒歴史”について語る】
【Deadpool Rap / Teamheadkickの歌詞と和訳】「ガチコ@gatch_new」様。

余談ですが、本作の字幕監修には小プロの邦訳デッドプールの翻訳を担当されている高木亮氏も関わっているとか(吹き替え版は未監修)
【デッドプール 観賞】

最後に翻訳家であり、本作のパンフにコラムも寄稿されている光岡三ツ子氏の豆知識ツイートを引用しておきます。


◆おまけ『正直なトレイラー』デッドプール回翻訳動画(※ネタバレ注意)
YouTubeチャンネル「ScreenJunkies」で配信されている映画レビュー動画シリーズ、正直なトレイラー(Honest Trailer)にて、映画デッドプールのOPはこの動画シリーズの役者紹介パートのパロディである旨が語られている。
また、動画中に出演しているデッドプールはライアン・レイノルズ本人との事。


  
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3 Comments

久仁彦  

「腐ってグズグズになったアボカド同士がヤッて出来た子みたいな顔だ!」

唯一の良識人に見えたタクシー運転手がデップーさんと同レベルで狂った人だったり
常識が息してない感じが楽しかったですねー。
下ネタ・パロネタがてんこ盛りでしたが、中でもライフェルドはぶっちぎりだと思う。
私は字幕で観ましたが、加瀬さん目当てで吹き替えも観に行こうかな…。

2016/06/03 (Fri) 20:20 | EDIT | REPLY |   

No Name  

①切れ込みを切れます

②壁を支柱に腕をねじって骨をヘシ折ります

③ち ぎ れ ま す

「〇〇〇のネタバレだよ!」

まさかこんなパロディまでやるとは、かけなしにバカ映画でした(褒め言葉)

2016/06/04 (Sat) 22:10 | EDIT | REPLY |   

michael  

>>久仁彦さん
タクシーは最終決戦直前の下りが特に面白すぎでしたねー。
もし映画の予算がもっとあればせっかく用意した大量の武器を置き忘れる事は無かったのかなとかメタな事を考えてしまった。

>>No Nameさん
>「〇〇〇のネタバレだよ!」
いやぁよかった~。ほんと備えてたわけじゃないけどあの映画を事前に見ておいて……

2016/06/05 (Sun) 14:15 | EDIT | REPLY |   

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