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23 2016

レジナルド・ハドリン&ジョン・ロミータJr.他/ブラックパンサー:暁の黒豹

暁の黒豹表紙

「豹の神様…僕…」
「名前は?」
「ケシャン」
「私は人間だよ」
「あなたは聖なる守護神ブラックパンサーです!
 街に引っ越してきた時も、まさか会えなくなるなんて思ってなくって…」

「ケシャン、神の前では君も私も平等だ。私が特別なわけじゃない」


アフリカ超国家ワカンダにしてスーパーヒーロー!
話題必至、ウワサ新キャラを知るのにもってこいの必読コミック!


アフリカの秘境にある国家ワカンダの王ティチャラ――
彼こそがスーパーヒーロー“ブラックパンサー”である。
しかし、他の追随を許さぬ超科学文明と豊かな資源を誇るワカンダに、スーパーヴィランたちの侵略の魔の手が迫っていた……。
西欧諸国の思惑と過去の遺恨もからむ死闘の行方は?
映画『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』に新登場するキャラクターのコミックが、ついに日本初上陸。


◆収録作品

1966年07月:Fantastic Four #52
1966年08月:Fantastic Four #53
2005年04月:Black Panther Vol.4 #1
2005年05月:Black Panther Vol.4 #2
2005年06月:Black Panther Vol.4 #3
2005年07月:Black Panther Vol.4 #4
2005年08月:Black Panther Vol.4 #5
2005年09月:Black Panther Vol.4 #6


◆漆黒の獣王が吼える!
TVアニメ『ディスク・ウォーズ:アベンジャーズ』での登場、そして映画『キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー』の新キャラクターとして抜擢された事もあり、日本での知名度がじわじわ上昇中のアメコミ初の黒人スーパーヒーロー『ブラックパンサー』!!
2018年には単独映画の公開も予定されているそんな彼が主役の邦訳本が、早くも小プロから刊行される運びとなりました。
確かに知名度はやや上がってきているヒーローだけど、まさかいきなり邦訳が出るとは思わなんだ。

今回邦訳されたのは、2005年にスタートしたブラックパンサーの第4シリーズ。
ライターは映画『ブーメラン』で監督を、『ジャンゴ 繋がれざる者』では製作を務めていたあのレジナルド・ハドリン
さらに原書ではあのジギー・マーリーアイス・キューブがコメントを寄せており、アメコミファンだけでなく、ブラックカルチャーの中でも強く支持されているヒーローなのであります。

ジギー・マーリーとアイス・キューブのコメント

レビューする前に舞台となるワカンダという国と、ブラックパンサーというヒーローについて簡単に解説。
ワカンダという小国はアフリカに存在する架空の国家であり、国民は豹を信仰する“パンサー教”の信者という側面も持っている。
国民の装いを見ると先祖代々の伝統的な文化と生活を守り続けている原始的な民族のように思えるのだけれど、実際は振動を吸収する超貴重な金属ビブラニウムを産出している世界一裕福な国で、5世紀から現代に至るまで他の国家を圧倒するほどの高い科学技術力も併せ持った軍事国家でもあるのです。
古い文化と新しい文化が共存しているこのワカンダはなかなか面白い国ではないでしょうか。

そんな国を舞台にして活躍する本作の主人公は、ティチャラというワカンダの国王にして科学者の男。
“ブラックパンサー”とはワカンダの王が代々受け継いでいく称号であり、このブラックパンサーとなった者だけが使用を許されるハート型の神秘のハーブを服用することによって五感と運動能力が強化されているのです。
またコスチュームには前述したビブラニウムが仕込まれており、防御力も完璧。
かつてはヒーローチーム『ファンタスティック・フォー』の面々を一人で圧倒したこともある程の実力派ヒーローです。
ティチャラの祖父もかつてキャプテン・アメリカと戦って勝利を収めており、一族の戦闘能力は実にあなどれない。
パンサーはハーブやってるからな。

ブラックパンサーVSキャプテン・アメリカ

こんなつっよい国王がいて、資源も豊富で勇猛果敢な兵士たちを持ち、高度な科学技術を有しているワカンダですが、他国を侵略するような事は一切してこなかった。攻撃するのはあくまで自国の防衛をする時だけ。
逆に何度もフランス、イギリス、ベルギーなど様々な国々が侵略しようとしてこのワカンダに返り討ちに遭ってきたのです。建国以来一度も征服されたことがないというのは凄まじすぎる。

しかし現代、ワカンダのこの豊富な資源と高い技術を奪うため、ベルギーがスーパーヴィランを集めた特殊部隊を編成し、再度侵略を目論んできた。
さらに漁夫の利を狙ってアメリカまでもひっそり動き出し……という、各国の思惑が絡み出すストーリーとなっているのが本作『ブラックパンサー:暁の黒豹』
ベルギーが作った特殊部隊にはかつてティチャラの父を殺害したヴィラン、ユリシーズ・クロウも参加しており、宿敵との因縁の対決も描かれる熱い展開となっております。

4代目ブラックナイト
バトロック、ライノ、ラジオアクティブマンなど
バラエティに富んだヴィランが戦いに参加しているんですが、
その中でもバチカンに使えているこの4代目ブラックナイトのイカレ演説はインパクト大
アフリカに自らが使える神をもたらすために、
異教徒であるワカンダの兵士たちを殺害していく事を聖戦と主張しているのがもう

◆感想
面白かった!!
「ブラックパンサーの邦訳って珍しいなぁ」ぐらいの軽い気持ちで読んでみたら予想外にダークホースな邦訳本だったよ!

1500年以上も昔から他国の干渉を受けることなく独立を貫いてきたワカンダという国の強さ、そしてブラックパンサーというヒーローのオリジンを描き、宿敵クロウのアップデートされた新設定も披露して、ブラックパンサーの野性味溢れる格闘アクションを存分に盛り込んでいる、「ブラックパンサー入門」にはうってつけな一冊でした。
マーベルユニバース的には重要なポジションにいるヒーローなのもあって他の邦訳本でもよくゲスト的に登場しているけれども、彼の魅力を知ることができる本となると本作が一番な感じがある。やっぱり個人誌の邦訳だしね。
巻末にオマケとしてブラックパンサーの歴史的初登場エピソードが収録されているのも嬉しい。

ただ本書はあくまで第1巻であり、そもそも長期連載のシリーズであるため、ヴィラン集団との戦いは決着が付くけれどもまだまだ波乱を予感させるラストで話が終わってしまいます。
第2巻が邦訳されるかは分からない(ぶっちゃけ無さそうだ)けれど、邦訳『マーベルゾンビーズ:デッド・デイズ』にはこの第4シリーズでブラックパンサー含む新生FFを結成していた時期の話が載っているし、6月にヴィレッジから刊行される『ブラックパンサー:シビル・ウォー』もこの第4シリーズの時期のエピソードであり、何気にブラックパンサーの邦訳は第4シリーズに集中しているので、ある程度は解説書で補完できる……かな?
とりあえず本作でブラックパンサーが気になってきた方は、この邦訳本2冊もチェックしてみると良いんじゃないでしょうか。

父の仇との対決
身内を人質に取られても全く動じないブラックパンサー
国王としての、ヒーローとしての覚悟の固さは随一

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