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31 2016

リック・レメンダー&ジョン・カサディ他/アンキャニィ・アベンジャーズ:レッドシャドウ

アンキャニィアベンジャーズレッドシャドウ表紙

「頼みがある。アベンジャーになってくれ。
 チームに入って、精鋭部隊を率いて欲しい。
 X-MENとアベンジャーズが手を組めば、世の手本になる。
 エグゼビアが逝き、サイクロップスは囚われの身の今、
 ミュータントには新しい代表が要る。
 ローガンは学園で頑張ってはいるが…過去が過去だ。この役は任せ難い。
 その一方で君は、地球物理学を修めた上に、政府に身を置いていた。
 発言力がある。皆も従うさ」


UNCANNY UNION

スカーレット・ウィッチが引き起こした「ハウス・オブ・M」事件の結果、絶滅寸前の状態に陥ったミュータント。
だが、フェニックス・フォースの到来は再びの繁栄をもたらした。
ミュータントが再び、人類と肩を並べる存在となったのだ。

しかしそれは、人類とミュータントの緊張状態の再燃を意味していた。

フェニックス・フォースを巡る戦いで矛を交えたアベンジャーズとX-MENは、この新たな事態に対し、これまでにない対応を迫られる。

チャールズ・エグゼビア教授が夢に描いた人類とミュータントの平和的共存を実現すべく、二つのスーパーチームは手を取り合う時代が来たのだ……。

アベンジャーズとX-MENのベストメンバーが集う、最強チーム!
『AVX』後の新たなマーベルユニバースを描く「マーベルNOW!」の旗艦タイトル、ついに登場!


◆収録作品

2012年12月:Uncanny Avengers #1
2013年01月:Uncanny Avengers #2
2013年03月:Uncanny Avengers #3
2013年04月:Uncanny Avengers #4
2013年05月:Uncanny Avengers #5


◆関連作品過去記事
【AVX:アベンジャーズ VS X-MEN ROUND1】
【AVX:アベンジャーズ VS X-MEN ROUND2】

◆BECOME A NEW MAN(KIND)
2012年のクロスオーバーイベント『AVX』にてマーベルユニバースの状況が大きく様変わりしたのを受けて、マーベルはリニューアルキャンペーン『マーベルNOW!』をスタート。
長期作品の新シリーズがスタートしたり、新ヒーローのデビューとなる新タイトルが発表されるなど大規模なリニューアルを果たし、新規読者が入り込みやすい土壌を作り出したのでした。
本作『アンキャニィ・アベンジャーズ』は、このマーベルNOW!で新創刊された旗艦タイトルの一つ!

アベンジャーズとX-MENの全面戦争の末サイクロップスは投獄されるも、解放されたフェニックス・フォースの力によって一度は滅びかけたミュータントが無数に誕生する結果となった。
しかし人々はミュータントという種族の脅威を改めて目にした事もあり、その数を回復させた彼らに対する危機感はこれまで以上に強くなってしまっている。
この人間とミュータントの間にある緊張状態を解きほぐすため、キャプテン・アメリカの提案によりアベンジャーズとX-MENの混成チームが結成される事になったのです。
そのリーダーにはなんとサイクロップスの弟、ハボックことアレックス・サマーズが就任!

ハボックのスピーチ
リーダーという大役を任せられたハボックの見事なスピーチ

このアベンジャーズの新チーム結成エピソードを手掛けるライターはリック・レメンダーという方。人気サバイバルホラーゲーム『DEAD SPACE』の脚本を手がけた方といえばピンと来る人もいるかもしれない。

本作でのメインビランはレッドスカル。ただし今回登場するレッドスカルは1942年に作り出され今日まで眠りについていたクローン体であり、本物のレッドスカルは『キャプテン・アメリカ:リボーン』で倒されて以来まだ復活していないとの事。
で、このクローンレッドスカルなんですけど、本作アンキャニィ・アベンジャーズではS-MENというビラン軍団を率いているだけではなく、エグゼビア教授の墓を荒らして死体を奪取し、脳を切り離して自分に移植しテレパス能力を獲得、強力な催眠で人々を操ってしまう厄介すぎる強敵として描かれています。

教授の能力を獲得したレッドスカル
テレパス能力をここぞとばかりに活用し、人々を操ってX-遺伝子を持つ人間を殺害させていくレッドスカル
人種のるつぼを認めない元ナチのレッドスカルが今度はミュータント相手の人種間戦争を提唱する
芸術と理性を希求し続ける清潔で安全な永世帝国を作り出すために

それにしても晩年のエグゼビア教授の扱いはほんと散々で少し可哀想になってきますね……
『デッドリー・ジェネシス』では過去のやらかしが後付け設定で明らかになって、『メサイア・コンプレックス』はチームから拒絶される悲しい姿が描かれて、とうとう『AVX』では暴走したサイクロップスを止めようとして殺害されてしまう。
死亡したことでようやく(ライターによるあんまりな扱いから)解放されたかと思えば今度は死体までビランに利用される始末ですよ!
あと脳を取り出された教授の死体をそんな直接的に描かなくていいから!グロすぎるから!
ただ本作の回想シーンで登場する教授はミュータントの事を想う心優しい姿ばかりが描かれています。それが余計に切なさを加速させている感がある。

◆感想
面白かった!
アベンジャーズとX-MENからそれぞれメジャー所のキャラをチョイスしてチームを結成しつつ、ミュータント差別を主軸に据えたX-MENの王道ストーリーを展開していく、マーベルのヒーローコミックの面白さが十二分に詰まった作品でした。
こっからマーベルの邦訳に手を出すというのもかなりアリな一冊だと思います。

一応AVXを事前に読んでおくとストーリーにとっつきやすくなるとは思いますが、そうなるとどんどん過去エピソードを辿っていかなきゃならない実に沼な事態になるので、そこはまあお財布に余裕があればって感じで……
AVXを読んでなくても本書の冒頭に簡単なあらすじや詳細な解説書がちゃんとありますしね。

それはそうと本作、チームリーダーにハボックを起用するという展開がほんとナイスだと思う。
まだちょっとギクシャク気味なアベンジャーズとX-MENの間に挟まれても、リーダーという大役を必死にこなそうとする彼の姿は応援したくなります。
キャップはキャップでハボックをリーダーに推薦しておきながら彼の命令につい口を出しちゃったりしてるし!

AとXに挟まれて大変なハボック

第1巻はマスコミが集まっている前でローグがとんでもない失態を犯してしまう所で終わり。続きが気になる……
一時期のニューアベンジャーズ邦訳のように続刊が出るまで異様に間が開くなんて事が無い事を祈る!

近年ようやくマーベルNOW!中心になってきたマーベル邦訳の流れが個人的にはほんと嬉しいです。
DCのニュー52と違ってマーベルNOW!は完全な設定リセットではないので過去のエピソードは引き継がれているけれども、一つの区切りがついてからスタートした新ストーリーなので話に入り込みやすいんですよね。
解説によるとヴィレッジはマーベルNOW!の邦訳を多角的に展開していくとの事なので、今後のラインナップにも期待がかかりますね。
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2 Comments

電子の海から名無し様  

アレックスのこのセリフは凄い好きなんですけど、アメリカだとマイノリティの否定だ!とか言われて非難されたらしいですね。難しい...

2016/04/03 (Sun) 16:07 | EDIT | REPLY |   

michael  

>> 電子の海から名無し様さん
それはなんというか…難儀ですねぇ。

2016/04/08 (Fri) 23:22 | EDIT | REPLY |   

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