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03 2016

ジェフ・ローブ&エド・マクギネス他/スーパーマン/バットマン:パブリック・エネミー

スーパーマンバットマンパブリックエネミー表紙

『両親は正義の側に立てと教えてくれた。
 私は異星から来て、比類なき力を身につけた。
 ヒーローと呼ばれ、人々を守りぬく。いい人生だ』

『両親を殺した犯人が、正義の裁きに服する事はなかった。
 私は仇敵が隠れていた闇をこの身に纏う事にした。
 都市伝説、闇の怪物と恐れられる。
 望まずして歩む事になった人生だ』


時はレックス・ルーサー大統領の治世。ヒーロー達との軋轢をものともせずに再選を目指すルーサーは、巨大隕石の接近をきっかけに、長年の宿敵スーパーマンの社会的抹殺を図る。国家権力という巨大な敵を前にした鋼鉄の男に手を差し伸べたのは、盟友にして最大のライバルであるバットマンだった。スーパーマンとバットマン、世界最強のチームとアメリカ合衆国の決戦が始まる!
クロスオーバー大作『インフィニット・クライシス』へと続く大河ストーリーが、ここに幕を開ける!


◆収録作品

2003年10月:Superman/Batman #1
2003年11月:Superman/Batman Secret Files
※「When Clark Met Bruce: A Tale from the Days of Smallville」のみ収録。
2003年11月:Superman/Batman #2
2003年12月:Superman/Batman #3
2004年01月:Superman/Batman #4
2004年02月:Superman/Batman #5
2004年03月:Superman/Batman #6


◆THE MIGHTIEST TEAM IN THE WORLD
映画『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』がいよいよ今月公開となるのを記念して、ヴィレッジブックスから『スーパーマン/バットマン』の単行本第1巻の邦訳が刊行!
本作の邦訳告知自体は2013年10月の第2回海外マンガフェスタにて発表されていたんですけどね。当初から映画合わせで刊行する気だったんでしょうけれども、この日が来るまで長かった……!

スーパーマン76

スーパーマンとバットマン。
DCコミックスを代表する2大ヒーローの共演の歴史は1952年6月の「Superman #76」から始まっており(これ以前にもカバーイラストで共演していることはあったらしいですが劇中で組んだのはこのエピソードが初)、そこから30年以上に渡って何度も共闘を続ける事になっていきます。
ちなみにこの「Superman #76」はかの月刊スーパーマンの第1号で邦訳されているので、気になる人は探してみよう。

スーパーマン76邦訳
ただし翻訳のノリはかなりフリーダム

しかし、1985年の大規模クロスオーバーイベント『クライシス・オン・インフィニット・アース』の展開後、DCユニバースの世界観、そしてキャラクターの設定が大幅に刷新。スーパーマンとバットマンの関係も互いに相容れない価値観を持つライバル同士というものに再定義されてしまったのだとか。
かつては30年以上にも渡って名コンビっぷりを見せつけてきたのに、この関係性の変化はあまりに寂しい。

ですが、1997年にDCコミックスのヒーローチーム『ジャスティス・リーグ』が活躍する『JLA』というコミックの刊行がスタート!
(かつて小プロから「JLA #42-46」までを収録した邦訳本『JLA:バベルの塔』が発売されています)
当然スーパーマンとバットマンもメンバーに加わっており、ようやく日常的に顔を突き合わせる場が設けられたおかげなのか、スーパーマンとバットマンは互いに認め合う親友同士の間柄に再度変化。
そして2003年にスーパーマンとバットマンが共演するコミック『スーパーマン/バットマン』の刊行が始まったのでした!
これはかつての共演誌だった『World's Finest』の最終号#323から数えると実に16年半ぶりになるのだとか。
こんなに間隔が開いていたというのは結構驚き。

前置きが長くなりましたが、そろそろ内容の紹介を。
本書『スーパーマン/バットマン:パブリック・エネミー』は、前述したスーパーマン/バットマン誌の第1巻となる一冊。
この時期はスーパーマンの宿敵レックス・ルーサーがなんと第54代アメリカ大統領の座に付いており、宇宙からの侵略者を退けるなどの大きな功績を重ねてきた結果、かなりの名声を高めている状態。
その一方でルーサーの犠牲を厭わないやり口のせいでヒーロー達との溝は深まっているようなのですが。
そんなルーサーがクリプトン星の残骸であるクリプトナイトの巨大隕石が地球に接近している事を知り、この事態をスーパーマンの社会的抹殺に利用する作戦を計画。

ルーサーの謀略

この作戦のおかげで、スーパーマンにかけられた懸賞金に目がくらんだビラン達が次々に襲い掛かってくるというエンタメ重視なバトル展開が拝めちゃいます。
しかもビランだけでなく、ルーサー大統領の下で働くヒーロー達……グリーンランタン(ジョン・スチュワート)、スターファイヤー、ブラックライトニング、カタナ、パワーガール、キャプテン・アトムとも対峙する羽目に。
果たしてスーパーマンとバットマンはたった二人だけで多数の強敵たちの猛攻を掻い潜り、黒幕であるレックス・ルーサーの野望を食い止めることが出来るのか!?

◆感想
登場キャラが非常に多く、気になる伏線もちらほら張られてサクサク読めちゃうお祭り騒ぎ的な感じの一作だった!!
バトル展開が多めなエンタメ重視な作風というのは先程も書きましたが、作中で提示される謎めいた描写も色々と気になるところ。

スーパーマンのビランである『メタロ』がかつてバットマン……ブルース・ウェインの両親を殺害した強盗かもしれない可能性が描かれたり(1994年から2006年の間はバットマンの両親を殺害した強盗の正体は不明という設定になっていた)未来から老いたスーパーマンが二人の前に現れ、なにか大きな理由のために彼らを殺害せんと突然襲いかかってきたり、今後の伏線回収が気になるシーンが実に多め。

ストーリーは大規模クロスオーバー『インフィニット・クライシス』に繋がっていくとのことなので、これからのヴィレッジの刊行予定も気になるところです。
たしかインフィニット・クライシスも邦訳予定にはあったしね。

それと本作はギャグシーンもちょくちょく盛り込まれているのにも注目したい!
ちょっと忙しい微妙なタイミングでルーサーに話しかけ、ほぼ毎回イヤミを言われるいちいち間の悪いキャプテン・アトムのシーンがなんか好き。
でも一番インパクトがあったのは、ストーリー終盤にスーパーマンとバットマンが乗り込むことになる巨大宇宙船のデザイン。
宇宙船というか巨大ロボットだこれ!!

スーパーマンバットマン宇宙船
いいよね巨大ロボット……巨大ロボットって男の子だよな
ちなみに本作のアーティスト、エド・マクギネスはかなりのアニメ好きなのだとか

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3 Comments

No Name  

半分スーパーマン半分バットマンの宇宙船って大昔の作品に出てきた筈ですが…

2016/03/08 (Tue) 12:21 | EDIT | REPLY |   

michael  

>>No Nameさん
そうなんですか?DCデータベースには本作パブリック・エネミー(Superman/Batman #6)が初登場と記載されてますし、解説には『1962年の「World's Finest #142」に登場したコンポジット・スーパーマンというビランの外観を元にしている』としか書かれていなかったんですけど…
http://dc.wikia.com/wiki/Superman/Batman_Vol_1_6
http://dc.wikia.com/wiki/World's_Finest_Vol_1_142

2016/03/08 (Tue) 17:36 | EDIT | REPLY |   

通りすがり  

ググってみると「(海外のファンが選んだ)アニメやSFに登場した史上最高の宇宙船ベスト15」というのが引っ掛かります。
どうやら本作に登場したメカバージョンがそれの一つに選ばれ、
それが日本で紹介された際、元になったヴィランの設定と混同された様です。
というか紹介する方もそれ位調べろよ!と言いたくなります(笑)
おかげで一部では未だに「奇天烈な外観のあらゆるヒーローの能力を持ち合わせている生きた15mの巨大宇宙船」と認知されてる様ですね。

2016/11/10 (Thu) 09:55 | EDIT | REPLY |   

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