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14 2016

アマンダ・コナー&チャド・ハーディン他/ハーレイ・クイン:ホット・イン・ザ・シティ(THE NEW 52!)

ハーレイ・クインホットインザシティ表紙

「恋愛ドラマはもう勘弁して。ゲロ吐きそう」
『おやおや。認めなよ。寂しいんだろアホ子さん』
「プリンちゃんが恋しいだけよ。ありのままのあたしを愛してほしいだけ」
『愛してるよ!オイラじゃダメかい?』
「生きてる人がいいわ。ちゃんと血の通ってる人。
 あたしを尊敬してくれる人。無条件に愛してくれる人」

『そりゃ無理だ。部屋から出て、いろんな人と出会って、触れ合わなきゃ。
 ペットのビーバーと会話してるだけじゃ、友達は増えないよ』


ハーレイ♥クインまかり通る!

大変だ!あのハーレイ・クインがゴッサムからブルックリンにやって来た!!歩道沿いにある、ちょっと名の知れたビルを相続することになったハーレイは、フリークたちに囲まれてささやかな安らぎを得ていた。しか~し、その首に賞金がかけられていることを知った殺し屋たちが、彼女を放っておくはずはなかった……。
NY裏社会のヤバい奴らを手玉に取れるのは、ハーレイの他に誰がいる!?


◆収録作品

2014年01月:Harley Quinn Vol.2 #0
2014年02月:Harley Quinn Vol.2 #1
2014年03月:Harley Quinn Vol.2 #2
2014年04月:Harley Quinn Vol.2 #3
2014年05月:Harley Quinn Vol.2 #4
2014年06月:Harley Quinn Vol.2 #5
2014年07月:Harley Quinn Vol.2 #6
2014年08月:Harley Quinn Vol.2 #7
2014年09月:Harley Quinn Vol.2 #8


◆PIES IN THE SKIES(うん、この素晴らしき世界)
ここ最近はバットマンだけではなく、様々な作品の邦訳を手掛けるようになった小プロ。
今度はなんと(自称)ジョーカーの恋人、ハーレイ・クインのニュー52版個人誌の邦訳本が刊行されました!

こないだ邦訳されたニュー52版スーサイド・スクワッドではサイコな面が強調された危険な狂人というキャラクターとして描かれていましたが、この個人誌では従来の陽気でエロティックなキャラに回帰しており、作品自体も全編通してユーモラスなものに仕上がっています。
そして軽いノリで容赦なく人が死にまくるブラックな作風でもある。

女医だった頃に担当していた昔の患者が亡くなり、遺産としてコニーアイランドにあるビルを相続することになったハーレイ。
さっそくブルックリンに移住して、楽しい楽しい大家としての新生活がスタートした!
……のだけれど、新しい家主として不動産税と保険料と税金の滞納分、加えてビルの管理費を負担せねばならなくなり、その金額たるやビルの住人から受け取る家賃だけでは全然カバーできない。
そこでハーレイはセラピストと格闘戦型レースの選手という二足のわらじを履いて生活費を稼ぐ事になるのだった!……というお話。
その上現在のハーレイは高額の賞金首となっているため、日々襲撃してくる殺し屋たちをさばいていかなければならない状況!
本作はそんなハーレイのハチャメチャすぎる日常を描く、スラップスティックコメディです。

保健所で処分を待つ状況である動物たちを全部引き取っちゃったり、鉢植えになっていた妙な実を食べたことが原因で人々を魅了するフェロモンが溢れだし、男達に追い掛け回される羽目になっちゃったり、家族が面会に来てくれない介護施設のおばあちゃんのために家族の家を襲撃して無理矢理引き合わせようとする話など、考えなしのアホの子だけど根は優しいハーレイの姿に癒やされるエピソードがてんこ盛り。

根は優しいから騙されやすい
根が優しいのですぐ騙されかけるハーレイ

本作から登場する新キャラクターたちのキャラも非常に濃い!
ビーバーの剥製であるバーニーはハーレイの心の友で、いつでもハーレイの話し相手になってくれる優しい家族……なんだけれどもその声はハーレイにしか聞こえない。ハーレイが妄想をこじらせているだけなのかどうかは読者の判断に委ねられているキャラ。

ハーレイのビルの住人であるビッグ・トニーはその名前に反してものすごいチビ……というか小人症の男である見世物小屋のメンバー。
便利なメカを開発したり上記の画像のようにハーレイをフォローしたり何かと頼りになるナイスガイ。

サイボーグという老人は冷戦時代に改造手術を受けた元スパイで、現役を引退した今もソ連のスパイの動向を探っており、ハーレイを引き連れて潜伏中のスパイの始末を目論むパワフルおじいちゃん。

そしてハーレイの無二の親友であるポイズン・アイビーもしっかり登場してくれます。
危なっかしいハーレイを献身的にサポートしてくれるだけでなく、やたらハグしあったりキスしちゃったりとこれには百合スキーもニッコリ。

お母さんかな?
お母さんかな?

◆感想
これだよこういうハーレイの活躍が読みたかったんだよ!
ニュー52の方でもネアカなキャラであるハーレイが見たかったので、本作の描写には大満足。
『喪われた絆』でハーレイとジョーカーとの関係が変わって結構ショックだったんですけれど、作中の描写を見るになんだかんだでジョーカーに抱いている想いは変わってなかったのね。

とにかく面白かった!事前知識も殆ど不要なお勧めの一冊です。
本作は向こうではかなりのヒット作なようで、『ニューヨーク・タイムズ』のベストセラー・ランキングで初登場7位を取り、その後3週目には3位にランクインしたのだとか。

マッドラブのセルフパロディ
冒頭に収録されている#0は色んなアーティストが入れ替わり立ち替わりでハーレイを描くギャグエピソード
アニメ版バットマンを手がけたブルース・ティムも参加しており、
『マッドラブ』の1シーンのセルフパロディを披露

この一冊を読むだけでもハーレイ・クインというヴィランの魅力が存分に堪能できるのは間違いないはず。
しかも付属の解説書では旧シリーズ全エピソードのあらすじが記載されている力の入りっぷり!
【ハーレイ・クイン誌第1シリーズ】
【ゴッサム・シティ・サイレンズ】

本作はどのエピソードも基本一話完結で展開していくのだけれど、この1巻は最後に収録されたエピソードでちょっとヤバそうなストーカー男が登場するところで終わっているので非常に続きが気になる……!
2巻の刊行も検討中らしいので期待しちゃうね。
【ハーレイ・クイン:ホット・イン・ザ・シティ 補足】
【ハーレイ・クイン:ホット・イン・ザ・シティ 補足 (2)】
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