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11 2016

J・マイケル・ストラジンスキー&オリビア・コワペル他/ソー Vol.2 -邂逅-

ソー第2巻表紙
「王子だ…やはりまだ王子だ。顔も振る舞いも王ではない」
「未だ王にあらず、王子のままよ。
 されど高慢な王子とは違う。赦しを得たからだ。
 父をこの地に残すことが赦されたからだ」

「誰によって?」
「知れた事、そなた自身よ」
「ぬぅ」
「赦されたる王子」「もはや高慢にあらず」「されど」
「聡明とも言い難い」「神々と言えど万能ではなき故にな」「全く…」

A SECRET TO SHARE

ラグナロクの円環に終止符を打ったソーは、オクラホマの地にアスガルドを再建する。

地球のあちこちに転生した神々を呼び集めたソーは、
新たなる治世に乗り出すも、
かつて愛を交わした女神シフの行方は杳として知れなかった…。

北欧神話の香りも高きJ・マイケル・ストラジンスキーの人気シリーズ第2弾、いよいよ登場!


◆収録作品

2008年05月:Thor Vol.3 #7
2008年06月:Thor Vol.3 #8
2008年07月:Thor Vol.3 #9
2008年09月:Thor Vol.3 #10
2008年11月:Thor Vol.3 #11
2009年01月:Thor Vol.3 #12
2009年04月:Thor #600


◆関連作品過去記事
【ロード・トゥ・シビル・ウォー】
【ソー Vol.1 -帰還-】
【シークレット・インベージョン】
【ダークアベンジャーズ:アセンブル】
【シージ】

◆LIVE AND DIE AND LIVE AGAIN AND DIE AGAIN...
ヴィレッジブックスの通販限定シリーズ「マーベル・マスト・リード」の第5弾、『ソー Vol.2 -邂逅-』がようやく届きました。
本作の1巻が発送されたのが去年の5月だったので、ホントようやく続きが読めるといった感じです。
あまりに間が開きすぎて前の話がうろ覚えになってきていたから1巻を読みなおしちゃった。

ちなみにこのソーの第3シリーズは12話までしかないので、何気に前巻とこの2巻で完訳だったり……
するんですが、第3シリーズ#12以降はナンバリングが第1シリーズに戻り、#600から再カウントとなっただけな模様。アメコミってこういう所がややこしい。
それではさっそく2巻序盤のあらすじをば。

◆Diversions and Misdirections
人間の姿で世界に散ったアスガルドの民を呼び戻すため、自分の持つその力のほぼ全てを一気に消費したソー。
失った力を取り戻すため、再建したアスガルドに戻り、魔法の力を備えた筺の中に入ってしばらく身体を休める決断を下す。
この魔法の筺は内部に生と死の狭間を作り、早くに眠りにつかせて回復を早める特殊な筺であるのだが……

筺の中に入った瞬間、ソーの人間体であるブレイクが外に飛び出し、その一方でソーは筺の中に存在するという不可思議な状況が作り出されてしまった。
“生と死の狭間の状態”に置かれるということはつまり、生きた状態と死んだ状態、二つの状態を同時に含んでしまうという事なのである。
かくしてソーから分離したブレイクは「自分のなすべきこと」のためにアスガルドから離れて行動し、一方で雷神ソーは死者の世界を彷徨うことになってしまう。

この死者の世界でソーは、この死者の世界で永遠に悪魔サーターと戦い続ける責務を負うこととなった亡き父オーディンと再会を果たす。
そしてオーディンは、息子であるソーに自分の昔話を話し始める。

戦い方、考え方、そして支配と奉仕の方法、加えて夢を守る方法をオーディンに教えた父……ソーにとっては祖父にあたる男、ボル。
だがそのボルは氷の巨人との戦いで待ち伏せしていた魔道師の攻撃により、氷に変えられてその肉体を散らせてしまう。
ボルの遺言は、「強き魔道師を探し、雪の中に混じった我が魂を集めて再び形を成して助けよ」というものだった。

その後王に即位したオーディン。
しかしオーディンはボルの遺言に耳を傾けようとはせず、ミッドガルドとその民の育成に注力し、さらに年月が過ぎてからは世継ぎである息子ソーに目を向けるようになっていた。

「妻よ、何故に泣く?」
「見えませぬか、オーディン様」
「何がだ?」
「この子はあなた様と同じ目をしております」

その瞬間、オーディンはいつか自分も父と同じ運命を辿る事を悟った。
ボルを忘れようとした罪の重さに押しつぶされそうになり、正気を失いかけるオーディン。
そしてついにオーディンの前に姿を表したボルの霊は、ある誓約をなせば解放すると言った。
それは「自分が殺した相手の息子を引き取り、自分の息子として育てる」という事。
そうして引き取られてきたのがソーの義弟、ロキなのである。

かくしてボルの呪縛から解放されたオーディン。
だがそれは決して、ボルがオーディンを赦しを与えたわけではなかった。
知っての通り、息子として育ててきたロキは今や何世紀にも渡ってオーディンやソーの喉を狙う蛇と化しているのだから……

父オーディンとの共闘

◆感想
ソーが前述したあらすじにあるこの死者の世界から帰還してからは、1巻から続いた状況説明に近い展開が終わり、一気にストーリーが動き始めます。
他の神々と同じく人間に転生しているハズの女神シフの行方、この世を去ったキャプテン・アメリカとソーの語らい、ダークアベンジャーズとの遭遇、そして例によって暗躍し始めるロキ……
北欧神話をモチーフとしているこのソーのコミック。普段読んでいるヒーローコミックスとは異なる味わいのある一作でした。

んでもって近年の作品や実写映画、アニメの影響でチョロ神ないし笑いの神イメージが強くなりつつあるロキですが、本作の彼(彼女)は狡知の神という名に恥じない、悪辣なビランらしい立ち回りを見せております。
ソーのおかげで神々が復活し平穏を取り戻したはずのアスガルドだが、ロキの策略によってじわじわと綻びが生じ始める……その様が実に恐ろしい。あとコワペルの描くロキの見た目がシンプルに怖い。

こわいロキ
怖い

とはいえ過去にこれまで散々騙して状況を引っ掻き回してきたロキの発言を結局最終的には受け入れてしまうという、どうにも純粋過ぎるアスガルドの神々サイドにも問題がある気はする。
この辺もある意味では神話っぽい作風ですね。

ただ、マーベル・マスト・リードはニューアベンジャーズ第1シリーズとこの頃の一連のクロスオーバーイベントの補完が目的になっているとはいえ、この2巻で邦訳が終わられるとすごい鬱エンド状態なんですけど!
せっかくだから3巻も刊行してくれないだろうか……



異文化交流その2
前巻に比べるとシリアス度が大幅に増した2巻だけれども、
異文化交流パートは相変わらずクスリと来る
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2 Comments

アウル  

キャップが死んで1年経つというのに、誰も弔いの行動をしない。
ゆえにソーの取った行動は、マーベル世界の住民たちにどう捉えられたか。

他の面々は割と普通に見れるのに、ロキだけ別コミックのホラー物かと思うほど怖かったですね。
特に、子供が望遠鏡で覗いていたらこっちを見返すときの表情とか・・・(;゚;Д;゚;.:)

2016/01/12 (Tue) 02:22 | EDIT | REPLY |   

michael  

>>アウルさん
>ロキだけ別コミックのホラー物かと思うほど怖かったですね。
レイニル・ユーは女ロキを「影のある美人」って感じに描いていたのにコワペルのロキはなんであんなにホラーなビジュアルなんですかね…

2016/01/12 (Tue) 17:27 | EDIT | REPLY |   

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