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11 2015

グレッグ・パック&リー・ウィークス他/DCキャラクターズ:オリジン(THE NEW52!)

DCキャラクターズオリジン表紙

“映画やドラマをきっかけに、
 原作コミックを手にする日本の読者はもっと増えるかもしれない。
 そして、入門書のようなコミックがあれば、
 アメコミがさらに広まるのではないか……
 そのような願いを込め、内容と価格面を考慮して編集したのが、
 本書『DCキャラクターズ:オリジン』である”


スーパーマン、バットマン、グリーンランタン、フラッシュ、アクアマン、サイボーグ、グリーンアロー、ワンダーウーマン、スーパーガール、ハーレイ・クイン、コンスタンティン……彼らにも起源オリジンがある。
有名キャラクターたちの知られざる誕生秘話を収録した、日本オリジナル編集のDCコミックス入門書!


◆収録作品

2014年06月:Secret Origins Vol.3 #1
※スーパーマン編、スーパーガール編のみ収録。
2014年07月:Secret Origins Vol.3 #2
※バットマン編、アクアマン編のみ収録。
2014年08月:Secret Origins Vol.3 #3
※グリーンランタン編のみ収録。
2014年09月:Secret Origins Vol.3 #4
※ハーレイ・クイン編、グリーンアロー編のみ収録。
2014年10月:Secret Origins Vol.3 #5
※サイボーグ編のみ収録。
2014年12月:Secret Origins Vol.3 #6
※ワンダーウーマン編のみ収録。
2015年01月:Secret Origins Vol.3 #7
※フラッシュ編のみ収録。
2015年05月:Secret Origins Vol.3 #11
※コンスタンティン編のみ収録。


◆THE STORIES BEHIND THE WORLD'S GREATEST HEROES!
これまで邦訳アメコミで「DCコミックスの入門書」といえばポール・ディニ&アレックス・ロスの『DCスーパーヒーローズ』がよく挙がっていました。
社会問題に立ち向かうヒーロー達を描いた秀作なのですが、その他にも様々なDCヒーローのオリジンを簡潔に纏めたコミックが収録されており、主要なキャラは大体把握できるというまさに読み始めにうってつけな一冊だったのです。

……が、最近まで新品が購入できたこの邦訳本は現在とうとう絶版に。
こないだ告知された重版ラインナップからも外れており、残念ながら新規の人には購入を勧めづらい一冊となってしまったのでした。
【「アメコミ魂」読者の皆様、重版出来ですよ!】

更に言うとDCコミックスは2011年に「ニュー52」と銘打ったリランチ……世界観と設定を大幅に見直し、全作品を第1話からリスタートしてしまったため、90年代~2000年代初頭の作品である「DCスーパーヒーローズ」で描かれる設定はちょっと古いんですよね。
今現在のDCヒーローを把握できる本といえばヴィレッジブックスから刊行されたニュー52の#1まとめ本的な物があるのですが、一部の邦訳本は限られた時期にのみ通販限定で販売という事があったため、今からはちょっと集めにくいのがネック。
そもそも#1ではオリジンが描かれていない作品も多いですし。

【NEW52:ジャスティス・リーグ】
【NEW52:バットマン】
【NEW52:スーパーマン/ヤング・ジャスティス】
【NEW52:グリーンランタン/ダーク】
【NEW52:エッジ】

こんな感じで、DCコミックスの入門書と呼べる作品の購入ハードルがやや高くなってきていたのですが……
小プロからなんと約1300円程度の超低価格な邦訳本『DCキャラクターズ:オリジン(THE NEW52!)』が発売!!
設定や世界観が改められたニュー52版のキャラのオリジンを描いていく、『Secret Origins』第3シリーズの日本独自編集版となる邦訳本です。

本作『Secret Origins』第3シリーズは全11話、原書TPBは全3巻となっているのですが、この邦訳版は全11話の中から独自にエピソードをチョイス。
選抜されているのは単体で映像化済み、もしくは映像化予定のキャラが中心となっています。
そのため今回は収録が見送られたヒーローのエピソードも数多くあります。
下記のヒーローのニュー52版オリジンが見たい場合は原書に挑戦しよう!な!

【邦訳未収録のヒーロー一覧】

#01:ロビン(ディック・グレイソン)
#02:スターファイヤー
#03:バットウーマン、レッドロビン
#04:ロビン(ダミアン・ウェイン)
#05:レッドフード、メラ
#06:デッドマン、シネストロ
#07:ハントレス、スーパーボーイ
#08:マトロン、アニマルマン、カタナ
#09:スワンプシング、パワーガール、ジョン・スチュワート
#10:バットガール、ファイアストーム、ポイズンアイビー
#11:ガイ・ガードナー、ブラックキャナリー


 
Vol.1は#1-4、Vol.2は#5-8まで収録
#9-11まで収録した最終3巻は来年の1月26日に発売される模様

……で本作なんだけど、読んでみるとニュー52で結構細々と各キャラの設定が変わっているので結構勉強になります。
例えばハーレイ・クイン。
旧来のキャラとは違いニュー52でサイコ度が増しましになった彼女は、あの白い肌がメイクではなくジョーカーによって廃液タンクに落とされて変色したものというえげつない設定に変更。

ハーレイクイン新オリジン
その廃液タンクはかつてジョーカー自身が落ちたものと同じタンク

そして、そこまでされても盲目的に慕っていたハーレイが結局ジョーカーに捨てられてしまうという展開は悲しい。
この辺は「喪われた絆」でも描かれてましたが、ジョーカーと絡ませず独立したキャラになりつつあるのは僕としてはちょっと寂しくもある。

収録作品のうち、サイボーグのオリジンはそもそも「ジャスティス・リーグ:誕生」でがっつり描かれてたじゃないか!と思われるかもしれませんが、本書では以前の父親との確執、その後改善された関係の部分がもう少し掘り下げられているのでサイボーグファンは要チェックだと思います。

あと注目なのがワンダーウーマン編かな!
ゴラン・スズカのアートがめっちゃカワイイんだこれが!
表紙にも採用されているリー・ベルメホのカバーアートのワンダーウーマンが物凄いアマゾネス感あるだけに逆表紙詐欺だったりする。

ワンダーウーマン新オリジン
ゆるゆり

全体的にクラシックな雰囲気で作られているエピソードになっていて、意図的に一昔前のコミックを思わせるキャプションが挿入されたり、セリフをちょいちょい説明口調気味にしてたり、テンポが良すぎて流れがシュールな感じになってるのがまた面白い。
冗談めかした導入に合わせて脚注に実在しないコミックブックが挙がっていたりとどこかユニーク。

んでもってトレバー大尉との運命的な出会いもラストに盛り込まれており、「こりゃラブコメ展開の始まりやで!」と期待させられるのですが、『魔性の旅路』での展開を思い出して切なくなった。

バットマンはいつもどおり。
というかただでさえ充実している邦訳本が出る度にオリジンを見せられてる印象がある。
こいついつも両親殺されてんな。

◆感想
面白かった!
チョイスされてるのは有名キャラクターばかりだけど、各キャラの邦訳が充実しているかと言われれればぶっちゃけバットマンばっかりなのが現実だからね。アクアマンやらグリーンランタンやらフラッシュやらが主役のエピソードが読めて嬉しい。

ヒーローのオリジンを知ってるつもりでも、コレ読むまで現在の設定をあんまちゃんと把握できてなかったことが分かって自分のにわかっぷりに改めて驚いたね……
あと独自編集でありながらコンスタンティンという渋いヒーローが収録タイトルにチョイスされたのも堪らないポイント。

コンスタンティン新オリジン
3種類のオリジンのうちどれかが真実という面白い構成のエピソード
……と思ったらそのどれもがウソかもしれないという
コンスタンティンの過去は謎めいている

2005年に映画が作られてるし、ドラマ版も来年2月から放送予定な彼に要注目だ!!
【ドラマ版『コンスタンティン』日本初放送!来年2月スタート】

……というわけで、DCの邦訳アメコミの入り口として充分おすすめできる一冊でした。何より安い!財布に優しい!
先ほど紹介したワンダーウーマンやコンスタンティンのエピソードは単純に話が面白いので読んでみて欲しい。是非。
本書以降も低価格路線は検討しているみたいなので期待しちゃうな!
個人的にはちょっとした短編エピソードを日本独自編集で纏めた邦訳とか読んでみたい。
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