ツルゴアXXX

ひっそりと運営しているチラシの裏ブログ。

ハーレイ・クインブラック・ホワイトレッド表紙
「♬ かわいい隣の女の子…俺のハートを熱くするぅ…
 だけど、彼女は小悪魔さ…ダムディダムディダム…
 俺のアームは修理中…愛しい彼女にもう夢中…
 俺の心は愛だらけで…俺の体は血だらけさ…
 かわいい隣の女の子…俺のツールを奪うのさ…
 彼女のせいで頭は故障中…ダムディダムディダム…
 彼女はイカれてる…そこがイカしてる…
 文句ないほどいい女…殺されたって文句ない…
 かわいい隣の女の子…俺をミンチにしたいのさ…
 だけど俺は気にしない…ダムディダムディダム…
 理想の愛しい女…だけどイタイ女
 彼女だけが欲しいのさ…俺のハートが燃えるのさ…
 かわいい隣の女の子…ダムディダムディダム… ♬」

彼はハーレイの宿敵恋人か?
ナゾのサイコ殺人鬼、現る!

ハーレイ・クインが歪んだ愛のプロフェッショナルだったのは、もはや過去の話。しかし、彼女はいままた、歪んだ愛情を押し付けられようとしている。
男の名はレッドツール。彼はハーレイへの愛を証明すべく、さまざまな行動に出る。誘拐から殺人、さらには強制的な挙式まで!
しかも、ハーレイを悩ませるのはそれだけではなかった。ニューヨーク市長が、約束を反故にしてハーレイの自警団活動に介入すると決めたのだ。
ハーレイは逮捕されてしまうのか?それとも、レッドツールが彼女の救世主となるのか?


◆収録作品

2016年05月:Harley Quinn Vol.2 #26
2016年06月:Harley Quinn Vol.2 #27
2016年07月:Harley Quinn Vol.2 #28
2016年08月:Harley Quinn Vol.2 #29
2016年09月:Harley Quinn Vol.2 #30


◆関連作品過去記事
【ハーレイ・クイン:ホット・イン・ザ・シティ】
【ハーレイ・クイン:パワー・アウテイジ】
【ハーレイ・クイン:キス・キス・バン・スタブ】
【ハーレイ・クイン:コール・トゥ・アームズ】
【ハーレイ・クイン:ジョーカーズ・ラスト・ラフ】

◆A New Day, A New Fray(新しい日、新しい敵)
ニュー52版ハーレイ・クインもこの第6巻が最終巻!!
表紙を見ての通り、本巻からハーレイのビジュアルも映画『スーサイド・スクワッド』風のものにイメチェンを果たしました。

セリフがメタいイメチェンハーレイ
「素敵!映画みたい」とセリフが若干メタいハーレイ
でも「OWNED(ジョーカーを打ちのめした)」というイラスト入りのジャケットを着ているのは本作ならでは

で、このニュー52版ハーレイ最終巻、いよいよストーリーを畳みにかかるのかなと思いきや、ここに来て強烈な新キャラを放り込むという新展開を見せてきます。

その新キャラの名は『レッドツール』
様々な武器の扱いに長ける元兵士であり、入院したとある病院で無茶苦茶な手術を受け続け、脳神経を再構成する手術で腫瘍と壊死した扁桃体を取り除かれた結果、体は回復したものの精神のバランスを崩し、また痛覚も失ってしまった。
彼は医者を殺害して病院を脱走し、様々な殺しの道具ツールを保管している自分の物置小屋を拠点としつつ、冗舌でサイコな殺人鬼『レッドツール』としての人生を歩んでいく事に決めたのであった!

で、そんなレッドツールのビジュアルがこちら。

レッドツール登場!

デッドプールじゃねえか!!!!!
作中では「俺の名はデッドツールじゃない」なんてセリフもあったりして、かなり露骨にデッドプールのパロキャラである事をアピールしていたり。
吹き出しが黄色だったりするだけでなく、吹き出しの形がネジなど工具っぽかったりするのが凝ってる。

でもデッドプールに寄せている部分もあれば、単なるパロキャラで終わらないキャラクター性を持ち合わせている人物でもあります。
一見奇天烈なサイコだが、実際は弱者の気持ちをよく知り、弱者のために戦う正義の心を持った優しい女の子であるハーレイ・クイン。
悪党狩りという自警活動を行っているレッドツールは違法行為スレスレなやり方で正義を貫くハーレイに強く興味を持ち、ストーカーを続けて彼女の事を事細かく調べ、強引にハーレイと挙式を行う計画を練っていたのである。

レッドツールは殺人鬼ではあるけども、あくまで狙う対象は善良な人々の平和を脅かす悪党だけ。力ずくでハーレイを物にしようとはするけども、変なところで紳士なのかプロポーズに成功するまでハーレイに手を出すようなことはしていない。
とはいえいちいちアプローチの手段がイカれてるので、ハーレイはレッドツールに厳しいツッコミを繰り出しまくり。
全3話構成のこのレッドツール編はこれまでのエピソードとはまた違った方向性なハチャメチャラブコメな展開で実に面白い!

この後の#29は一話完結の単発エピソードなんだけど、『ハーレイが巨大ロボットに乗り込んで悪と戦う』というこれまたインパクト抜群なエピソード。
「盗難された8台の特別仕様車を取り戻して欲しい」という依頼を受けたハーレイとビッグ・トニー。

しかしそれは以前ハーレイらに息子を殺害されたギャングのボス、カパブロが仕掛けた罠だった!
巨大ロボットに変形できるこの車を使用してハーレイを始末しようとするが、ただで死ぬわけにはいかないとこちらも汎用人形ロボを借りて対抗する……というお話。
一応バットマン関連誌でもあるのにハーレイ・クイン誌は改めて自由な作品だなあと思い知らされた。

巨大ロボットを駆るハーレイ
オッパイミサイル

◆感想
面白かった!!!!!
ニュー52版ハーレイ・クイン誌はジョーカーと完全に袂を分かつという設定がジョーカーとのコンビが好きだった身としてはちょっと寂しかったりはしたけども、「ハーレイがビルの大家となって個性豊かな住人とドタバタな毎日を過ごす」という新たな切り口の一連のストーリーは読んでてホント楽しかったです。
ブラックユーモアも大量に盛り込みつつ、ハーレイがもはやヴィランでなく弱い者の味方として活躍するヒーロー然としたキャラクター性を持つようになったのも面白い変化。

最終話である#30は街の住民に愛される巨木の伐採に反対するために仲間たちと抵抗したり、ハーリーン・クインゼルとして孤独な老人の心を救う姿が描かれたりなど、実に心温まるエピソードで締めくくられています。

【ハーレイ・クイン6:ブラック・ホワイト&レッド 補足】

ただ前述したとおり、一応本巻がニュー52版ハーレイの最終巻なんだけど市長との確執に決着がついていなかったり、証人保護プログラムを受けた恋人メイソンがこの最終巻ではまったく登場しなかったり、本巻で登場した新キャラ、レッドツールが今後もストーリーに絡んできそうな状態のままだったりなど、話的にはあんまり完結してる感じじゃなかったりします。

実はこの後始まるリバース版ハーレイ・クイン(ハーレイ・クイン第3シリーズ)のライターはそのままアマンダ・コナー&ジミー・パルミオッティが続投しておりストーリーが完全に地続きな内容となっているため、真の完結はもうちょっと先。
具体的には今年12月20日発売の第3シリーズ#34まで続く模様。
【CONNER & PALMIOTTI Leaving HARLEY QUINN】

小プロがこのアマンダ・コナー期を最後まで追いかけてくれることに期待だね!!
バットマン―ワーナー映画公式原作コミック表紙

「なんと、わが心をついばむオンドリがここにも一羽……
 君がブルース・ウェインですかな?」

「ジャックって知ってるかい?悪党で、卑怯者で、乱暴者で……」
「私の趣味ですな」
「悪いことを考えすぎて、頭がおかしくなった。
 そしてどうなったと思う?結局はおだぶつさ。
 おまえもそうなりたいなら、手伝ってやる」
「一寸おたずねするが、青い月のなかで悪魔と踊られますかな?」
「何?」
「必ずこの質問をすることにしているもので……胸に風穴をあけてさしあげる前にな」


悪がはびこるゴッタム・シティで、次々と悪者を退治するヒーロー、バットマン。その正体を突き止めようと、報道カメラマンのヴィッキは、記者ノックスを引き連れ取材を開始する。一方バットマンは化学工場を襲った悪者ジャックと対決し、ジャックは廃液の毒の中に落ち死亡……したかに思われたが、ジョーカーとして蘇る!真っ白な顔に不気味な笑みがはりついたジョーカーは、バットマンへの復讐に燃えるのだった。


◆収録作品

1989年:Batman: The Official Comic Adaptation


◆Tell me my friend, have you ever dance with the devil in the pale moonlight?
たまには古い邦訳本も紹介したい!!(唐突)
というわけで1989年11月に刊行された本書『バットマン:ワーナー映画公式原作コミック』をレビューします。
本作はティム・バートン監督による、あの1989年の映画版バットマンをコミカライズしたという一冊だ!


もう有名過ぎるほどに有名過ぎる映画版のコミカライズだし、既に絶版本だし、全部で約60ページほどの薄い本なのでネタバレ多めでいきます。
あとこの邦訳本ではゴッサムシティはゴッタム・シティ、記者ヴィッキー・ベイルはヴィッキ・ヴェイルと訳されているため、本レビューもこの表記にのっとって書いています。

ちなみに本コミカライズのライターはデニス・オニール、アーティストはジェリー・オルドウェイ
基本映画のストーリーをなぞるだけなのにライターとアーティストが豪華すぎでないか。
【Dennis O'Neil - Wikipedia】
【Jerry Ordway - Wikipedia】

***

ジョーカー印のスマイレックスソース

ゴッタム・シティの治安を守るため、夜毎バットマンとして自警活動に勤しむブルース・ウェイン。
そんなある日、バットマンは化学工場を襲ったマフィアのジャック・ネイピアという男を追い詰めた結果、彼を廃液の中に落としてしまい、警察の追っ手から逃げるためにその場を後にしてしまう。

しかしジャックは生きていた。廃液の中に落ちたことが原因なのか、狂気に陥ったその日からジャックはジャックという名を捨て“ジョーカー”と名乗り、マフィアの有力者であるカール・グリソムの右腕であることを止めて彼を殺害。
復讐相手であるバットマンを呼び寄せるために、ゴッタム・シティを恐怖に陥れんと様々な事件を起こし始める。

一方、幼い頃に自分の両親を殺害した男がジャック・ネイピア……ジョーカーである事に気づいたバットマン。
バットマンとジョーカー、互いに因縁のある者同士が復讐に燃え、ゴッタム・シティを舞台に対決するのであった。

ジョーカーとの決戦だ!

***

本コミカライズは映画版とは微妙にラスト付近のシーンが異なっているのも注目ポイント。
このコミカライズではジョーカーが落下して死亡した後、『バットマン』も地面に倒れており警察が『バットマン』を包囲するのですが、実は記者のノックスがバットマンを逃がすためにケープを被って寝転んでいただけであり、その隙にブルースが現場から離れるというシーンが存在。
また映画ではヴィッキはノックスに対して頬にキスをしていたのですが、本コミカライズでは口にキスをしていたりといった場面が。
この一連のシーンは元々ワーナーがDCコミックスに送った元の脚本には存在していたようなのですが、結局映画ではケープシーンは削除され、口へのキスは頬のキスに変更。しかしコミカライズは既に制作済みであったためにこうなってしまったのだとか。

ケープをかぶらせそのスキに撤退

頬でなく口にキスするヴィッキ

◆感想
約60ページというのもあり、さすがに色々とはしょられてはいるけど映画版を思い出せる程度にはしっかり数々の名シーンを抑えていて良い塩梅のコミカライズでした。
ジョーカー関係の名場面も一通り抑えてあるしね。ジョーカーと化したジャック・ネイピアがグリソムを射殺するシーンはややあっさり気味になってたけど……あのシーン映画では陽気なBGMが流れ始めるのが最高に好き。
あと「眼鏡をかけた男をなぐりはすまいな?」「(無言の顔パン)」の流れをカットせずにちゃんと入れてるのはナイスすぎると思いました。

眼鏡をかけた男をなぐりはすまいな

映画を見たのはもうだいぶ昔で記憶もかなり薄れてると思ってたんだけど、これ読んだらかなり呼び起こされたなぁ。今更ながらブルースの両親の仇がジョーカーというのはものすごい大胆な設定改変なのにストーリーにしっかり馴染んでいる。

読んでてかなり懐かしい気分に浸れました。この邦訳は大量に刷られていたのかあまりプレミアが付いておらず、というか今のところ元値の550円以下で売られていることが殆どなので、興味があるなら手にとって見ても良いんじゃないでしょうか。
ちょっと翻訳が硬い感じはあるけど。

◆おまけ
本コミックは向こうでは『Newsstand Edition』と称してカバーアートを新しくしたものも存在します。
以下がそのカバーアート。

1989バットマンコミカライズニュースタンドエディション