ツルゴアXXX

ひっそりと運営しているチラシの裏ブログ。

ロボポートレイト表紙

「信じられっか?俺にケンカフっかける奴がいるなんてよー。
 「尊厳の破壊者主役級のクソ野郎」で「全宇宙の破壊者」の俺様にだぜ?
 怖いもん知らずで常識ってもんを知らねー奴は困る!
 俺様は誓うぜ。この報いは必ず受けてもらう。確実にな。
 こいつを宇宙一長い遺書にしてやる!
 俺様を軽く語らねーことだ。てめぇのハラワタ大事にしてーならな!!」


「全員クソ」
警告:この本はキモ男ブツブツ正義君
童貞 知ったかサブカルマン
特に虚弱体質には勧められません。

みんなのクソ野郎、宇宙の賞金稼ぎが帰ってきてしまった!
この憎めない殺し屋“ロボ”に偏屈ばばぁ教師捕獲のミッションが…

殺るしかなかった宇宙最悪の兄弟にロボは逆に殺られてしまう。
ところが天国も地獄もロボの醜態にウンザリ…
ロボは“生き返る”しかなかった!
しかし元の姿で生き返るはずが
手にはビッグガン、口汚くののしり散らす
ゲスな“ロボ子”に生まれ変わっちまったんだ!

※今回はオリジナル・ロボミニシリーズ、“ラスト・ザーニアン”と
“ロボの帰還”続編ミニシリーズを収録。


◆収録作品

1990年11月:Lobo #1
1990年12月:Lobo #2
1991年01月:Lobo #3
1991年02月:Lobo #4
1992年05月:Lobo's Back #1
1992年09月:Lobo's Back #2
1992年10月:Lobo's Back #3
1992年11月:Lobo's Back #4


◆DCコミックスの暴れん坊、ロボが主役のコミック初邦訳!
なぜか、唐突に邦訳が決定し突然ロボが主役のコミックが発売!
「ロボ」はあのスーパーマンやバットマンといった有名ヒーローのコミックを出版しているDCコミックスのキャラクターで、その世界観もDCユニバースにしっかり組み込まれている作品。
DCユニバースといってもメイン舞台が銀河なため、地球が舞台となる他のDC作品とは世界観がかなり異なっていますが。

以前ツイッターで「犬溶接マン」というキチガイじみたヒーローが大きく話題になり、「ヒットマン」というアメコミがエンターブレインから邦訳刊行されるという出来事がありましたが、今回はそういう流れはなく本当に突然の邦訳刊行でした。

※過去記事
【ガース・エニス&ジョン・マクリア他/ヒットマン Volume1】
【ガース・エニス&ジョン・マクリア他/ヒットマン Volume2】

あのアメコミ界の巨匠、スタン・リーも「一番好きなキャラクターだ」と語るロボの邦訳コミックを刊行したのは、ジュリアンパブリッシングという出版社。
基本的に恋愛ノベルや少女マンガ、BL本などを刊行している公式サイトの雰囲気が非常にキラキラしたこの出版社が、何故ロボという暴力的でアナーキーでスプラッタ描写が満載のブラックユーモアなコミックの発売に踏み切ったのかが真剣に謎。
そんでどうも調べてみたら、本書の監修を手がけたヒップホップMCのPUNPEE氏が「出したい!と言ったら出すことになった」という驚くほど軽いノリで出版が決まった模様。
最高か!

◆ロボ。主役。宇宙一の賞金稼ぎと同時にクソ。
ロボ。主役「仕事も無ぇ…天才すぎると逆に煙たがれる、っていうアレだ」

本作の主人公、ロボとはどういうキャラクターなのかについてちょっと解説。
ぶっちゃけ帯の登場人物紹介にある「主役。宇宙一の賞金稼ぎと同時にクソ。」という一文が全てな感じのキャラなんですがもうちょっと掘り下げて紹介します。

かつて銀河系には平和と愛で満ち溢れ、そこに住む人々も皆争いを好まない者ばかりだったザーニアと呼ばれる星が存在していました(過去形)。
そんな星で生を受けたのがこのロボであり、彼はこのザーニア人の唯一の生き残り。
「唯一の生き残り」というフレーズに何か悲劇的なオリジンが用意されていそうなものなんだけれども、実際は非常にクソな理由で生き残りになってます。
彼はザーニア人とは思えないほど残虐な性格で、幼少時から大暴れしまくった結果ザーニア星で初めて警察や刑罰、刑務所の創設を検討するまでの事態になったとか。
そんな事を気にもとめず、年齢を重ねる事に凶悪性が増していったロボは10代後半になる頃、それまでザーニア星には存在しなかったウイルスを保有する虫を発見。
ロボはなんとこの虫を繁殖させてバイオテロを決行、ザーニア人大虐殺を行い、とうとう惑星一つを殲滅してしまうのでした。
その後は銀河バイク「ホグ」を乗り回して持ち前のパワーを活かし、殺し屋、賞金稼ぎで金を稼いで行く内にその悪名を轟かせるようになった……というのがロボのオリジン。

……というわけで、本作の主人公ロボは、立場的にはヒーローでもなんでもないキャラクター。ぶっちゃけ普通にヴィランです。
暴力が好きで好きで堪らない、銀河系に名を馳せる凶悪な賞金稼ぎですからね。
ちなみに「ロボ」という名前は本来発音できない本名を無理やり読ませているもので、あえて訳すなら「自らのはらわたを喰らい、それを喜びとする者」という意味合いになるのだとか。

能力は強大なパワーとほぼ不死身の肉体というシンプルながら凶悪なもので、狙った獲物は銀河中のどこに逃げても確実に追跡できる(一説によると人の発する“オーラ”を感知できる可能性があるとか)、さらには真空地帯でも延命装置なしに生き延びる生命力も併せ持っています。
ほぼ不死身といっても本作の描写を見るに死ぬ時は死ぬ模様で、天国や地獄がロボの扱いに手を焼いて現世に追い返さざるを得なくなるというのが蘇生できる理由の一つであるみたいです。
とんでもねえな!

凶悪な両津勘吉というイメージ

こんなロボですが、DCユニバースに存在する宇宙警察L.E.G.I.O.N.(リージョン)からの依頼を受けて仕事をする事もあります。
文句をいいつつも宇宙警察の仕事をこなしているのは、かつてリージョンのボスであるドッグスに敗北し、「負けたら彼の下で働く」という条件を飲んでしまったため。
ロボは「約束」というものを確実に守るという妙なところでしっかりしたポリシーを持っているのです。まあその約束を何らかの事情で取り消そうとしたら「反古にした」という理由で殺しにかかってくるんですけれども。

◆感想
まさかの関西弁

面白い。面白すぎる。
ロボの性格や行動がクソ以外の何者でもないのに爽快でスカッとするのはどういうことなのか。
リージョンから囚人の護送任務を受けるエピソードはなんと囚人が自分が小学校4年の頃の担任で、仕事だからヒスババアな担任に手を上げる事も出来ずやり場のない怒りをとりあえずチンピラにぶつけて後々大騒動に繋がってしまったり、唐突に殺人クイズ大会に強制参加させられたり、天国から生きて帰ってきたと思ったらなぜか女の身体になってしまうというまさかのTSF展開が盛り込まれていたりと、なんかもうライターがクスリでもやってそうなハチャメチャで斜め上を行くストーリーが進行しまくりの一作。
登場人物にマトモなヤツがただの一人も現れてくれないというのがほんとヒドイ(褒めてる)。ちょいちょいアートが電波ユンユンな雰囲気になったりするのもツボだ!

電波ゆんゆん天国

翻訳もノリノリで読んでいて楽しい!かなり砕けた訳文になっていてスラスラ頭に入ります。
関西弁を喋る殺し屋や個性的な語尾で話すキャラ、軽妙なセリフ回しなどかなり面白く訳されている印象。
上手い翻訳ってこういう事なんだろうなーって。原文がどうなってるのか気になる。

DCユニバースという事でゲスト的に登場するキャラも多数います。
前述したリージョンの面々や悪魔エトリガンに死神デス、本書の帯で「昔のイギリスの正義君。漂う童貞臭。」あんまりな紹介をされているジェネラルグローリーとなかなかにチョイスは渋め。

兎にも角にもロボの魅力がこれでもかと言わんばかりに詰まっている一冊だった!
超オススメです。
マーベルのデッドプールが好きな人はこのロボとか如何でしょうか?ややもするとデップーよりヒドイぞ!!

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◆関連リンク
【PUNPEEツイッターアカウント】
【邦訳ロボ公式宣伝アカウント】

◆ボツ翻訳まとめ

21 2015

ブレードランナー

スタンド・バイ・ミーブレードランナー
【原題】Blade Runner 1982年【米・香】


21世紀の始め、アメリカのタイレル社は人間そっくりのネクサス型ロボットを開発。それらはレプリカントと呼ばれた。
中でもネクサス6型レプリカントは体力も機敏さにおいても人間を遥かに超え、知力はそれを作った技術者に匹敵した。
レプリカントは宇宙植民地での危険な労働や他の惑星の探検などに使われていたが、ある時ネクサス6型レプリカントが反乱を起こし、それをきっかけに人間は地球に戻ったレプリカントの抹殺を開始した。
ブレードランナーはこれらレプリカントを識別し、処分する特捜刑事である。
この処分は死刑ではなく、解任と呼ばれた。
ロサンジェルス2019年11月。この頃、地球人は宇宙へ進出し、残された人々は高層ビルの林立する都市に住んでいた。
絶え間なく酸性雨が降っているロサンジェルスでは、東洋系を始めとして、様々な人々がうごめいていた。その1人デッカードは、ガフと名乗る男に本署へ連れてこられる。そこで彼は元上司のブライアントに、「レプリカント4名が地球に侵入し人間を殺して逃亡、解体処分が決定したので、ブレードランナーとして彼らを見つけ出せ」と命じられる……

フィリップ・K・ディックのSF小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を原作としたSF映画であり、本作で描かれる退廃し薄汚れた騒々しい未来都市は、後年の様々な作品に強く影響を与えているほどに秀逸なビジュアルとなってます。
これが監督のリドリー・スコットが一から創造した完全オリジナルというのだから驚き。今現在に多く見られる退廃的な近未来を舞台にした作品は、大体ブレードランナーの影響といっても過言ではないでしょう。退廃SFのテンプレといえるものを最初に構築した作品というだけでも一見の価値あり。

僕個人の感想としてはストーリーは正直二の次……というかちょい退屈になったりすることもあったというのが正直な感想だったりもするんですが(特に最初がしんどい)、作品全体を包んでいる『雰囲気』と『世界観』がとにかく至高なので、なんていうんですか、映像に浸るというのが一番シンプルな楽しみ方だと思いました。ハードボイルドなストーリーなんだけどゆったり鑑賞するのが自分としてはベスト。
それにしてもいま見てもまったく古さを感じさせないというのはやはり凄い。色褪せない名作という言葉がそのまま当てはまる映画!

 
デッドプールの兵法入門表紙

「ワオ!戦争で勝つ兵法書だ!13篇もある。すげぇ!
 中国語だけど翻訳はできる。これを基にして究極の戦争論が書けそうだ!
 他のことにも応用できるぞ!ライバル社の倒し方を書いたビジネス書とか。
 賢い株の売買方法。同僚とのつきあい方。一儲けできそうだ!
 大手出版社を見つけて契約金をもらおう!」


デップー・ミーツ・イースト!?
『孫子』の作者はデッドプールだった!?
世紀の兵法書と稀代のアンチヒーローの出会いが世界を揺るがす!

『孫子』とは古代中国の思想家、孫武の作とされる、古今東西の兵法書のなかでももっとも著名なものの一つである……が、ここで1つ問題が発生。ひょんなことからタイムスリップしたデッドプールが、『孫子』のテキストを盗み出しベストセラー作家になって大もうけしようと企んだのだ!
しかしそうは問屋が卸さない。現代の出版社に持ち込んだところ、「売れるためには話題性が必要だ」と門前払いを食らってしまう。そこでデップーは考えた……だったら『孫子』は本当に使える本だと証明すればいい!
こうして人間界とアスガルドを巻き込んだ一大戦争が始まった。果たしてデップー先生の作家デビューは成功するのか?


◆収録作品

2014年12月:Deadpool's Art of War #1
2015年01月:Deadpool's Art of War #2
2015年02月:Deadpool's Art of War #3
2015年03月:Deadpool's Art of War #4


◆デッドプール先生作家デビュー!?
ぱっと見ビジネス新書のようなタイトルのこの本は、現在人気急上昇中でノリにノッているデッドプールの邦訳本最新刊!
んでもって本作、かなりフリーダムなデッドプールの姿が堪能できるエピソードとなっています。

あらすじには「ひょんなことからタイムスリップしたデッドプールが~」とあるけども、実際には何の説明もなくデッドプールが古代中国に現れて孫武を殺害。
そこで偶然彼の兵法書をゲットして、その内容にビビッときたデッドプールが出版社に持ち込みをかけるという流れ。
しかし孫子の兵法は長く続くベストセラーな上に、新訳も必要ないほどに様々な著者が刊行している本です。
今更孫子を持ち込まれても仕方ないと門前払い。

門前払い

出版社の人から「孫子が長く愛されているのは様々な著者が独自の解釈を与えているからだ。新しい視点を示してくれれば考えなおす」という言葉を聞き、デッドプールが思いついたのは「全世界が戦争中になっても生き残ることができる術」というもの。
とはいっても今は戦争中でもなんでもない平和な世の中。
出版社を後にしたデッドプールはこれまた「一言ではいえないけども色々頑張った」というテキトー理由で神々の世界アスガルドを訪れ、なんとロキをけしかけてアスガルドでソーの軍勢とロキの軍勢を戦争させるのだった!!

「ベストセラー作家になるため」という本当の理由を隠し、ロキ軍の軍師として戦争を引き起こしてしまうデッドプールが実にゲス面白い。
しかもソーとロキの兄弟喧嘩では終わらず、今度はロキの軍勢を地球に向かわせて更なる大戦争を巻き起こさせてしまうのだからホントとんでもない。そこまでするか!?

つい口が滑った
全ては自著『デッドプールの兵法入門』を出版するためなのだ

こういう展開になるお話なので、デッドプールの邦訳だけどヒーロー大集合&大活躍な光景も堪能できます。
アベンジャーズの面々だけでなく、ファンタスティック・フォーやX-MENなどなど様々なキャラが揃い踏み!
んでもってこんな大戦争が発生した原因がデッドプールだってんだから実にヤバい。

◆感想
実にメタな発言や行動を取り、なおかつサイコ方面にやや振れ気味な性格のデッドプールが楽しめる一冊。
原稿が入っているノートパソコンを壊されてブチ切れ、ロキの兵士を虐殺しまくるデッドプールとそれにドン引きするキャップらのシーンが個人的にツボでした。
今現在刊行されている邦訳デッドプールは純粋なギャグ作品というよりはちょっとシリアス要素もあるストーリー物が多いので、デッドプールのコミックに終始ブラックユーモアを求めるタイプの方には本作がオススメかな?
全4話でややページ数が少なめな代わりに普段の邦訳本よりもお安い価格だし。

ちなみに本作、一応メインストリームのアース616が舞台っぽい扱いではあるようなのですが、デッドプールの裁量でロキの外見が初期(シルバーサーファー誌4号の頃)になってたり、現在死亡中のウルヴァリンが当然のように戦いに参加していたりなど他誌との整合性や時系列などはガン無視しています。自由すぎる。
まあ本作はそもそもにしてギャグ要素が強めな一作なんで、その辺りは深く気にせずに読めってことなんだろうな!

ビターンビターンパロディ
実写アベのビターンビターン

◆おまけ
本作でのデップーとロキの「お前の協力が必要だ」「俺?」「そう」「ソー?」「違う」「俺?」「そう」「ソーの話?」って言葉遊びのような掛け合いは原書での会話が気になったんで調べたらこんな感じだった。

デップーとロキの掛け合い原書