ツルゴアXXX

ひっそりと運営しているチラシの裏ブログ。

セカンドチャンスマン表紙

『俺はスコット・ラング。通称アントマン。
 はいはい、皆まで言うなって。
 今度のアントマンもまたハズレだって、そう思ってんだろ。
 なってみりゃ悪くもないぜ。時と場合によるけどな。
 超人同士のパーティーにゃ“雷を操れる不死の神です”
 “ミュータントな上にアトランティスで王様やってます”
 みたいなのがウジャウジャいるわけよ。
 …で、俺はって?
 小さくなってアリとお喋りできます。
 補足するとアントマン系ヒーローはこれまでにも大勢いて、
 その大半が死ぬか闇堕ちするかしてる。イイトコなしだよな。
 盛ってるだろって?経験者は語る、だよ…』


I'M NOT GIVING UP I'M JUST STARTING OVER

投獄、離婚、そして死……。
数々の悲劇に見舞われてきた2代目アントマンことスコット・ラングは現在、無職。

全うな暮らしを送ろうと努力を重ねるものの、生来の飽きっぽい性格故にヒーロー仲間からさえも疎んじられる日々。
そんな彼の唯一の慰めは、娘であるキャシーの笑顔だけだった。

だがしかし、そんなささやかな幸せにさえ終焉の時はやってくる。
キャシーとの別れを前に、あらゆる困難から逃げ続けてきた男が下した決断とは……?

映画化で俄然、注目の“小さな巨人”アントマンの新たなる旅立ちをユーモアとペーソスを込めて描く話題作、早くも邦訳!


◆収録作品

2015年03月:Ant-Man Vol.2 #1
2015年04月:Ant-Man Vol.2 #2
2015年05月:Ant-Man Vol.2 #3
2015年06月:Ant-Man Vol.2 #4
2015年07月:Ant-Man Vol.2 #5


◆WITH A LITTLE HELP FROM MY FRIENDS
歴代アントマンはなぜか皆なにかしら問題を抱えている人物ばかり。
初代アントマン、ハンク・ピムは天才科学者であり、ピム粒子を発見して肉体の縮小能力を得た偉大な人物なんですが精神的に不安定な部分があり、一般人を危険に晒した咎でアベンジャーズを退団させられ、さらには自作のロボット、ウルトロンをアベンジャーズに襲わせてそれを自分が撃破するという自作自演でチームに復帰しようとするなど問題行動が目立つヒーローでした。

クリス・マッカーシーはアントマン・スーツを盗んでその能力を自分のために使おうとしたシールド隊員。
ただそのスーツの能力を使いこなす前にシールド本部を襲撃したテロ組織ハイドラの刺客に殺害されてしまいます。

3代目アントマンのエリック・オグレディはそんなクリスの友人で、殺された彼からアントマン・スーツを剥ぎとってその能力を私利私欲の為に使いまくった、とてもヒーローとは言いがたいシールド隊員。
改心してアベンジャーズに参加するようにはなったのですが、任務中に子供を守って死亡。

そして本書の主人公、2代目アントマンことスコット・ラング元窃盗犯で、家庭を持ってからも必要な物ができる度に他所に侵入して盗みを繰り返していたガチな犯罪者。
ですが心臓病を抱えていた娘キャシーのため、とある研究施設に監禁されていたソンドハイムという医師を救い出そうとアントマン・スーツを盗み出した事がきっかけで2代目アントマンを襲名。現在に至るというわけです。
ちなみに彼も死亡経験があり。なんか歴代アントマン死んでばっかだな!

で、本作『アントマン:セカンド・チャンスマン』はそんな主人公のスコット・ラングが40にして無職を続けてきた結果必死に就職活動するも世間の冷た~い風を受けまくるハメになるというなんかもう見ていて痛々しいお話になっています。
必死に人生をやり直そうとしているのは分かるのだけれども、面接にリクルートスーツではなく新調したコスチュームを着てきたり、トニー・スタークのコネにすがろうするも滾々と説教されてしまうなどで本当にもう……

ダメな父親だけど娘には慕われている
「どうかしているのは俺じゃなくて世間だぜ」と心の中で愚痴りまくるダメ人間なスコット
しかし子煩悩パパな一面もあるので娘キャシーには慕われている様子
……が、現在娘は離婚した元妻ペギーと生活中
キャシーと違いペギーは親権がないのにやたら娘に会いたがるスコットを鬱陶しく思っている

序盤は彼のダメダメっぷりをユーモラスに描きながら展開していくのですが、それでも何とか実力で銀行の融資を受けるところまで辿り着き、驚いたことにスコットは警備会社を立ち上げてしまいます。
同じく職にあぶれて裏稼業に戻ることを検討していた、B級ビランなグリズリーという男を従業員として採用。
この会社が軌道に乗りさえすれば、娘や元妻にも胸を張れる全うな人生を送れるぞ!

トニーに訴えられる!?
「情けは人のためならずか…誰かが誰かにセカンドチャンスを与え続けないとな。
 これでカルマも赤丸急上昇ってか?人を雇うなんて、何だか会社らしくなってきたなぁ…」

……と、ここまで見るとようやく負け組から脱出な感じに思えるのですが、やはりそんなに人生うまく行くはずもなく、この後スコットは大きな選択を迫られる事件に巻き込まれる事になってしまいます。
そこは是非本編で。

◆感想
めっちゃくちゃ面白かった!!
ダメ中年の就活&再出発ストーリーという痛々しくていたたまれない内容なのに、ユーモアたっぷりなシナリオのお陰でテンポよく、面白おかしく読み進められる作品でした。
身体を縮小してオモチャの家に住み込み、絞って出てこなくなった歯磨き粉をチューブの中に入り込んでまで使用する生活をしている惨めな主人公。
いくらスーパーヒーローやスーパービランとはいっても、仕事しなければ生活できないのだ……

スコットだけでなく、ビランの描写もまた面白いです。
「熊の着ぐるみ被った元囚人をどこの誰が雇うってんだよ、ねぇだろ!」とグチっていたがスコットに雇われてからは彼を「ボス」と呼んで付き従うようになったビラン、グリズリー。
子供の遊び相手になるバイトで食いつないでいたビラン、マシン・スミス。
かつては暗黒街の顔役フッドの元でアベンジャーズと戦ったりもしていたが、今現在は女房に嫌味を言われながら小さな犯罪をこなして「…昔に戻りたい」とこぼす悲しいビラン、クロスファイヤー。
こんな感じで色んな中年男たちの悲哀が描かれ続けているので、一応スーパーヒーロー物なのにやたら親近感が湧いてしょうがない。
ややもすると高潔なヒーローが主役な作品よりも感情移入しやすいかもしれない。

しかしストーリーの終盤はしっかりスーパーヒーロー物らしいバトルシーンや感動的なシーンがありますよ!
主人公のスコットは本当にロクデナシだけど、そんな彼が本作のラストで娘の事を本気で考えて取った選択がもうね……
とにかくお勧めの一冊。事前知識もほぼ不要なのでこれは多くの人に読まれてほしい。

勝手に宿敵扱いされて不快になるタスクマスター
勝手にスコットに宿敵扱いされてちょっとイラッとするタスクマスター

ホークアイリトルヒッツ表紙

「クリント・バートン。あんた、何言ってんの?」
「そっちこそ…なに怒ってんだ?だって悪党が…」
「あんた、正義の味方でしょ?しっかりしなさいよ!
 なんのつもり?こんなマネして!尻尾を巻いて退散?
 見損なったわ。せいぜいクリスマスでも楽しんで」


の名手、クリント・バートンの前に立ちふさがるのは、
ハリケーン・サンディ、デジタル機器、犬の名探偵、女性問題、
そしてプロの殺し屋――


クリント・バートンの過去の恋人が勢ぞろい!その時ケイトは……?
女難に水難……二人の“ホークアイ”に今日もまたトラブルが降りかかる!

アベンジャーズのメンバー“ホークアイ”ことクリント・バートン。弓の名手ながら普通の人間である彼の活躍を描いて、日本でも好評を博した『ホークアイ:マイライフ・アズ・ア・ウェポン』の続刊が登場。
今回はホークアイを巡る3人の美女(ブラック・ウィドウ、スパイダーウーマン、そして前妻モッキンバード)が新たに登場して物語に花を添える一方で、1巻に登場したロシア人地上げ屋グループとの抗争が意外な展開を迎える。さらに2014年のアイズナー賞を受賞した傑作エピソード「ピザ・イズ・マイ・ビジネス」を収録した必読の第2巻!


◆収録作品

2013年02月:Hawkeye Vol.4 #6
2013年03月:Hawkeye Vol.4 #7
2013年04月:Hawkeye Vol.4 #8
2013年06月:Hawkeye Vol.4 #9
2013年07月:Hawkeye Vol.4 #10
2013年08月:Hawkeye Vol.4 #11


◆関連作品過去記事
【ホークアイ:マイライフ・アズ・ア・ウェポン】

◆“スーパー”じゃないヒーローの日常第2弾
ホークアイ#6デコアベンジャーズネタ
デコアベンジャーズネタが入っているエピソードも収録!

オシャレなアートホークアイのトラブルだらけな日常を描くストーリーが絶妙に噛み合っているホークアイ第4シリーズの単行本2巻がようやく邦訳されました!
1巻が邦訳されたのはもう去年の8月なんですよねこれ。正直1巻だけ出してオシマイになるかと思ってたんで続きが翻訳されたのは非常に嬉しい。

で、第2巻も相変わらずスーパーパワーを持ったヴィランと戦うようなスーパーヒーロー物のような展開には決してならず、街を襲ったハリケーン、ぐっちゃぐちゃになったデジタル機器のコード、これまで関係を持ってきた女性たちなどなど、今回もどうにもスケールが小さめな問題にホークアイが立ち向かっていきます。

……が、そんな中1巻で地上げ屋グループを追い払いビルを自分で購入して住民を助けたこと、そして謎のマフィアに追われていた美女を助けたあのエピソードがこの2巻で厄介な展開に繋がってしまうことに。
あの2編って伏線だったのか……

動き出すマフィア
ホークアイの取った行動が原因でマフィアやそのお得意様を激怒させてしまう結果になってしまった
ビルの住人を人質に取られたホークアイはすっかり意気消沈し、街を出て行く決意をするが……

◆PICK UP キャラクター クラウン
クラウン「言ったろ。地獄から来たって」

「マーベルには魅力的な新ヴィランが不足している」と言われている昨今、このホークアイ第4シリーズ#8にて初登場したのが殺し屋である新ヴィラン、クラウン。
本名はカジミエシュ・カジミエルチャク。愛称はカジ。
元はサーカス団の子供だったのだが、幼少の頃に戦争でサーカス団そのものと両親を失い、弟とともに芸を披露しながら生きていた。
しかしその弟もまた戦争が原因で爆発に巻き込まれて死亡。
それからはマフィアに拾われ、殺し屋の仕事をしながら今日まで地獄のような日々を一人で生きてきた男である。

現状このホークアイ誌にしか登場していないんですけれども、道化師のメイクで淡々とターゲットの殺害を実行する不気味さを持ちながら、表の顔は社交界にも出席できる立場な好青年という真逆の顔を見せてくれる点が魅力なキャラクターです。
ただこの2巻では顔見せと彼のバックグラウンドの描写のみに留まっており、本格的に対峙するのはもう少し後な模様。

◆感想
面白い!
日常的な雰囲気と人情モノ要素、そしてヒーロー物的要素を絶妙なバランスで織り込み、また程々にユーモラスなシーンも挿入しているおかげでほんとサクサク読める作品です。
やっぱりこのフラクションのホークアイは面白いな!1巻に引き続きこの2巻もオススメ!

最後に収録されている、2014年のアイズナー賞受賞の傑作エピソードPIZZA IS MY BUSINESSピザ犬の冒険なんてもうアートを眺めているだけでも楽しい作品でした。

ピザ犬の冒険
クリス・ウェアのコミックを思わせる画面作りが面白い

ほぼサイレントで話が展開されていき、犬のラッキーが耳や鼻で感じ取った情報がアイコンとして表示されていく構成。
掴んだ情報をラッキーなりにつなぎ合わせて調査しているようなのですが、その一方で気になっている室内犬の元に寄り道しちゃったりとどこか行動が自由で笑ってしまう。
しかし作中で描かれる情報や展開はかなり重要なもので、話の続きが実に気になる。

解説書では「続刊の邦訳は未定」と記載されていますが、小プロ邦訳コミックの制作統括者・山本将隆氏のアカウントにて3巻の邦訳が決定している事がアナウンス済み!楽しみだ!

これはひょっとしたら最終話まで追いかけてくれる可能性もあるか……!?
NEW52エッジ表紙
RETURN OF 'GRIM AND GRITTY'

FLASHPOINT IS OVER, THE NEW 52 BEGINS

フラッシュと宿敵リバース・フラッシュが激闘を繰り広げた「フラッシュポイント」の結果、3つの世界が融合し、新たな宇宙が生まれた。それは、NEW52の世界。新たなスーパーヒーローの伝説が今、ここから始まる。

2011年、コミックスシーンにかつてない激震をもたらした、DCユニバースのリニューアル企画「NEW52」。75年の歴史を誇るDCコミックスの歴史をリセットし、52冊の新タイトルを一斉創刊するという大胆な試みは、あらゆるコミックファンの注目の的となり、DCコミックスの新時代の到来を告げる狼煙となったのである。

新時代の幕開けを飾った52冊の創刊号の中から、「エッジ」カテゴリーに属する9タイトルを単行本化。
DCコミックスの進化を目撃せよ!


◆収録作品

2011年11月:Stormwatch Vol.3 #1
2011年11月:Grifter Vol.3 #1
2011年11月:Voodoo Vol.2 #1
2011年11月:Deathstroke Vol.2 #1
2011年11月:Suicide Squad Vol.4 #1
2011年11月:OMAC Vol.4 #1
2011年11月:All-Star Western Vol.3 #1
2011年11月:Blackhawks #1
2011年11月:Men of War Vol.2 #1


◆関連作品過去記事
【NEW52:ジャスティス・リーグ】
【NEW52:バットマン】
【NEW52:スーパーマン/ヤング・ジャスティス】
【NEW52:グリーンランタン/ダーク】

◆NEW52 EDGE!
遂に完訳!「NEW52」第1話まとめ本の第5弾!

ここまで来ると残ったタイトルも日本国内では実にマニアックな物が多め。
本カテゴリーは「エッジ」という極めてバイオレンス要素の強いラインであり、登場キャラクターもかつてアメコミのアーティスト、ジム・リーが持っていたスタジオ「ワイルドストーム」からの移籍組が中心となっています。

ヴィレッジのNEW52まとめ本もいよいよコレで最後……
実にインパクトのある作品が揃い踏みなエッジカテゴリーのコミックをさっそく紹介だ!
ストームウォッチ#1

ストームウォッチ第1話

『よかろう。何かが来る。何か巨大なものが。
 それは物体に生命を付与する知性体、我はそれに耐えた唯一の生存者。
 我はそれに先立って現れ、星々を鍛え強くしてそれと戦う力を与える。
 そなたは何か?』


[ライター]ポール・コーネル
[ペンシラー]ミゲル・セパルベダ
[インカー]アル・バリオヌーボ


ワイルドストームからの移籍タイトル。中世より続く極秘地球防衛機構という設定で、メンバーの顔ぶれは基本的に旧シリーズに準拠しているが、マーシャン・マンハンターが加わっている点が見所。


本作は元々はワイルドストームスタジオがイメージコミックス社を経由して刊行していたコミックスの一つであり、ワイルドストームユニバースにおいて世界の要となる組織「ストームウォッチ」の活躍を描いていく作品です。
ちなみに右の人はミストさんではない。

ワイルドストームがDC傘下に入り、その後NEW52においてはワイルドストームユニバースが完全にDCユニバースと統合された(リランチ前はアース‐50がワイルドストームユニバースと定義されていたものの合流はしていなかった)ので、それを強調するかのようにマーシャン・マンハンターがメンバーに参加しています。
この第1話ではストームウォッチの面々が世間で話題のアポロというヒーローをメンバーに勧誘しようとするものの、謎の男に妨害されるという展開。
1話目からストームウォッチの勧誘メンバーがその謎の男に全滅させられててホント大丈夫なのかと心配にならなくもない。


グリフター#1

グリフター第1話

『ああ畜生…勢いで殺しちまった!』

[ライター]ネイサン・エドモンドソン
[ペンシラー]カルロス・アルバーノ
[インカー]ジェイソン・ゴーダー


今やDCコミックスの共同発行人となったジム・リーが率いていたワイルドストームからの移籍組。元特殊部隊員で詐欺師の彼は、連続殺人犯の汚名を着せられながらも、宇宙からの侵略者デーモナイツと戦い続ける。


かつては日本でも邦訳本が刊行されていたワイルドストームスタジオの旗艦タイトル『ワイルドキャッツ』の登場人物の一人、グリフターを主役に据えた個人誌!
【Wildcats (comics)】

このNEW52版では設定がほぼ完全にリニューアルされているため、事前知識が無くとも普通に読めるのが嬉しいポイント。
あと、まさに“90年代”なコスなあたりもそこそこツボ。
地球人に憑依できる異星人種族『デーモナイツ』の脅威に一人立ち向かうグリフターの姿を描いていく作品なのようですが、この1話時点で早くもグリフターが憑依された一般人を容赦なく殺害していてなかなかにえげつない。


ブードゥー#1

ブードゥー第1話

「この店じゃトップの娘がブードゥーと呼ばれるの。
 本名は言えない。ルール違反になるからね」


[ライター]ロン・マーズ
[アーティスト]サム・バズリ


同じくワイルドストームからの移籍組。放浪のストリッパー、ブードゥーがひた隠す秘密とは、そして、彼女を追うブラックレイザーズとは?


「エッジ」カテゴリーの作品は暴力描写だけでなくセクシー描写も他作品より過激!
サム・バズリの描くブードゥーの姿は実にエロティック……
ブードゥーはグリフター同様、「ワイルドキャッツ」の初代メンバーの一人なんですけれども、このNEW52版においてはその立ち位置が真逆になっており、実はデーモナイツのスパイという設定になっています。


デスストローク#1

デスストローク第1話

「デスストローク・ザ・ターミネーター。地上最悪のタフガイ。
 超人の傭兵で、厄介な標的を専門に追う。
 受けるのは不可能な仕事ばかりで…そいつを可能にする。
 反射神経も、筋力も、脳の高次機能も強化されてる。
 しかも戦術の達人だ。
 そう…全く大した野郎だよ」


[ライター]カイル・ヒギンズ
[ペンシラー]ジョー・ベネット
[インカー]アート・シバート


世界最高の暗殺者として知られるデスストローク・ザ・ターミネーターの暗躍を描く。
自家用機で移動中の武器商人の暗殺を依頼されたデスストロークは……。


人気の高いスーパービラン、デスストロークが主役の渋くてバイオレンスな一作。
デスストローク一人で無双していくのかと思いきや、チャラチャラした若者の傭兵たちと組まされたりするなどちょっと軽いノリもあります。
ただ、クールな傭兵と若者たちという組み合わせで話を盛り上げていくのかと思いきや最後には……
本作は(多少伏線は張られるものの)1話完結型という作りなのも本書においてはちょっと嬉しいポイント。
大抵の作品は数話完結型なんで、1話だけ収録するスタイルのこの本だと最終ページで“引き”が多くてモヤモヤ感が半端無いんだよね……!


ーサイド・スワッド#1

スーサイドスクワッド第1話

「チームにちゃんとした名前はない。
 書類上は“タスクフォースX”。だが警備員は俺達を別の名で呼んでた。
 自殺部隊スーサイド・スクワッド
 全員、元はベルレーブの死刑囚だ。毎日23時間独房に押し込められて、
 日光や新鮮な空気なんか夢のまた夢だったが…
 転機はいきなり訪れ、
 奴らは催眠ガスKOLOKOL-1で眠らせて俺達を誘拐し…
 首に、いつでも起爆できる小型爆弾を埋め込んだ。命令に絶対服従する様に」


[ライター]アダム・グラス
[ペンシラー]フェデリコ・ダロッチオ
[インカー]スコット・ハンナ、ランサム・ゲッティ


政府によって極秘裏に組織されたビランチームという設定は従来通り。スーサイド・スクワッドの顔ともいうべきデッドショットに加え、今回はハーレイ・クインも加入(ちなみにハーレイを捕まえたのはブラックキャナリー)。
黒幕のアマンダ・ウォーラーは、あっと驚くダイエットに成功。


アメリカで2016年8月に映画公開が決まり、日本でも話題沸騰中のビランチーム『スーサイド・スクワッド』
元々は1959~1961年の『ブレイブ&ボールド』誌にて、7回に渡り連載された二人の軍人と二人の科学者からなるアドベンチャー物の作品だったのですが、1987年に「ビランのみで構成された政府の隠密部隊」という旧シリーズとは全くコンセプトの異なる作風に舵をとって大きな人気を獲得した作品です。
【Suicide Squad Vol 1】


【新ジョーカー登場! 映画『スーサイド・スクワッド』予告編を徹底分析】

一癖も二癖もあるビラン達がそれぞれの事情でチームに参加し、命がけの戦いで戦死者もバンバン出しながらわずかな平穏の後、またすぐに自殺的な任務に駆り出される……という群像劇もの。
このNEW52版ではいきなり任務に失敗し、スーサイド・スクワッドの面々から敵からえげつない拷問を受けるという血なまぐさい展開からスタート。
本格的に話が動き出すのは2話目からな感じなため、実に続きが気になる一作でした。
……っていうかコレ邦訳出ないかなぁ?かなり面白そうなコミックなんで、映画が日本で公開される頃には便乗して刊行されたりしないだろうか(期待)。


オマック#1

オマック第1話

『ケビン・コー。元気そうだな。
 変身の結果、困惑しているだろうと思ってね』

「困惑だって?会社のトイレにいた僕に、いったい何をした?
 あんたは誰なんだ?僕に何をさせたい?」

『私に注意を向け、君の人生は私のものだという事実を、
 正しく認識してもらいたい。
 私はブラザー・アイ。君に話すべき事は多い。
 まずは恋人に電話したまえ。心配しているぞ』


[ライター/ペンシラー]キース・ギフェン、ダン・ディディオ
[インカー]スコット・コバリッシュ


怪力の巨人オマックへの変身能力を与えられた青年が主人公で、そこに諜報機関チェックメイトやカダマス研究所など、様々な要素が絡んでくる。
ちなみに今回のオマック(O.M.A.C.)は、One Machine Army Corpsの略。


なんとDCコミックスの上席副社長、ダン・ディディオという超ベテランが制作に関わっている一作。
デカいモヒカンヘアに青い肌な巨人というオマックの強烈すぎるビジュアルは一度見たら脳裏に焼き付いてなかなか離れませんな……
ギラギラしたエフェクトに近未来感ある建物やキャラクターが登場しまくっていて、かなり独特な世界観が形作られています。
こういうの好きな人はかなり好きそうな作品かな?


オールスターウェスタン#1

オールスターウエスタン第1話

『ゴッサムに平穏な夜などありはしない。
 ひたすらに暗い。よそ者には一層暗い。
 そしてこの夜には、私の知る最も興味深い事件が幕を開けた。
 劈頭へきとうを飾るは新たな殺人。私はその結果、
 最も興味深い人間心理の研究対象と直接の接触を果たす事となった』


[ライター]ジャスティン・グレイ、ジミー・パルミオッティ
[アーティスト]モリタット


主人公は、映画化もされたジョナ・ヘックス。そのタイトルから西部劇かと思いがちだが、1880年代のゴッサムシティ(場所は東海岸)を舞台に、ヘックスが連続猟奇殺人に挑む。
アーカム・アサイラムの創設者、アマデウス・アーカムも登場。


19世紀末のゴッサムシティが舞台という、バットマンファンの心をくすぐりまくる世界観となっている作品。
あのアーカムを創設したアマデウス・アーカムが初めて生きているキャラとして、ジョナ・ヘックスの相棒として登場するというのも面白いし、ペンギンの先祖、コブルポッド市長も顔を見せたり、バットマンの先祖、アラン・ウェインや『ゲート・オブ・ゴッサム』に登場したゲート兄弟の存在も語られたりと、バットマンの設定とかなり密接な繋がりを見せてくれてニヤニヤしっぱなし。

主人公は顔の右側に重度の火傷を負った南北戦争当時の南軍の軍服を身につけた人間嫌いの賞金稼ぎ、ジョナ・ヘックス。
ハードボイルドを体現したかのようなキャラでこれまた非常にカッコいい。
西部劇ものと思わせて本作はミステリーなので、2話以降も是非とも読みたい……!
ミステリー物なのに1話しか読めないってこれ続きが気になるってレベルじゃないんだけど!


ブラックホークス#1

ブラックホークス第1話

「備えるのが任務です。危険に満ちた時代ですから。
 だからこそ国連は
 ブラックホークス・プログラムを重視しているのだと思いますが」


[ライター]マイク・コスタ
[ペンシラー]グラハム・ノーラン
[インカー]ケン・ラシュリー


あらゆる脅威に対処する、国連直属の特殊部隊という設定で、空のエース集団という従来のシリーズとは、繋がりはないに等しい。


ブラックホークスは元々は1940年代の「ミリタリーコミックス」にて初登場した私設飛行隊であり、ナチスに義憤を抱く各国のパイロットを集めて枢軸軍に戦いを挑むというパイロット物のコミックス。
しかしNEW52版ではその設定をガラリと変えて、世界各国から集められた戦闘のスペシャリストで構成されたメンバーとなり、「秘密の義勇飛行隊ブラックホークス」というコンセプトのみが引き継がれた別物の作品に仕上がっています。
一話目から迫力のある空中戦が展開されるのですが、その後すぐにブラックホークスのメンバー、クノイチ(ニッキ・ネムザール)が油断して自分の体内に爆発の危険があるナノサイトを侵入させてしまうなど、いきなり大ピンチに陥ってしまうストーリーでした。


メン・オブ・ウォー#1

メン・オブ・ウォー第1話

『最初は、目をやられたと思った。
 暗闇の中で、最も聞きたくない音が聞こえた。
 視力が回復した時、自分の目を恨んだ。
 彼の声は囁くよりも弱く…』


[ライター]アイヴァン・ブランドン
[アーティスト]トム・デレニック


現代戦を描いた純然たる戦記物かと思いきや、メタヒューマンが登場するなど、DCユニバースの一部である事を活かした設定となっている。


NEW52まとめ本の最後を飾るのは、極めてリアルな戦記物!!
本作では今では珍しいアンソロジー形式を採用しており、1号で2本のコミックが収録されています。

反政府軍の支配地域に侵入し、拉致されてしまったベル上院議院を傷一つつけずに連れ帰るという作戦に参加する事になったジョー・ロック伍長。
敵は現場を熟知している一方で、こちらの部隊はこの敵地の情報を何も熟知していない。
この圧倒的不利な状況で作戦を開始するも、謎のメタヒューマンが先頭に乱入し、事態は一気に絶望的な状況に……という、超シリアスな内容。
DCユニバースに属しているため超人がストーリーに絡みはするもの、凄く渋い作りのコミックでした。


◆感想
兎にも角にもようやくNEW52第1話まとめ本が完訳された事がめでたい!
そもそもこのまとめ本の底本は1冊の本で、「あまりにも分厚すぎるから5冊に分冊して刊行しよう」という事になった本なんですよね。

それがまさか1巻目の刊行から完訳まで2年以上かかってしまうとは想像もしなかった。
「スーパーマン」「ヤング・ジャスティス」カテゴリまではそれなりのペースで邦訳されていきましたが、国内ではマニアックな「グリーンランタン」「ダーク」「エッジ」カテゴリになると急に出し渋り始めましたからね。
良かったホント刊行が途中で打ち切りにならなくて……!

でまあ感想なんですけれども、毎回同じような事を言ってますが収録作はどれも第1話だけとはいえ、読み進めていくことでNEW52の世界観やキャラクターを大量に把握できるありがたいまとめ本だと思いました。
でもこれもまた何度も言っているけど、やっぱり1話だけを見せられると続きが気になって仕方がないよね!
僕は「アクアマン」、「バットマン&ロビン」「レッドフッド&アウトローズ」「スワンプシング」「アニマルマン」「リザレクションマン」「スーサイド・スクワッド」「オールスターウェスタン」の#2以降をメチャクチャ読みたいです(多い)。

だからみんな小プロやヴィレッジのアンケートでは邦訳希望タイトルを積極的に送ろう!な!
言うだけならタダだし!