ツルゴアXXX

ひっそりと運営しているチラシの裏ブログ。

LAウーマン表紙

『でも、いろいろ必死にがんばってたのよ。信じられないかもしれないけど。
 とにかく…お金のために働くなんて、考えたことなかったの。
 あたしだっていい大人よ。
 「ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングル」のPVくらい見てる。
 それでも勢い込んでロサンゼルスまで来たら、
 ものの48時間で、身ぐるみはがされちゃったの。
 よくある話だけど…油断してたのね。誰だってはじめはそうよ。
 ただ、これだけは言わせて。あたし、若いけど腕は立つわ。
 熱意だってあるし、何より、悪い人間じゃない。
 ことの善悪はわかってる。もしチャンスをくれたら……たった一度でいい…
 あたしがいかに優秀か、どれだけ熱心に働くか、
 正しいことをやり遂げようと努力するか、証明する機会をくれたら…
 ゼッタイに後悔させない。約束するわ』


西海岸が、ホークアイの紫に染まる!
冷笑と諦念が、善意と良識のある人々を蝕もうとする壊れた街で、
頼りになるのは女ホークアイただ一人!


ニューヨーク……人生……そしてクリント・バートンから逃れるために、ロサンゼルスに向かうケイト・ビショップ。だがトラブルからは逃れられなかった。というのも彼女とマダム・マスクは同じ人種――つまりどちらもプールサイドでくつろぐ、金持ちのセレブだったのだ!
心を病んで隠遁生活を送る、1960年代のカルト・ミュージシャンの失われた名作を取り戻すために奔走するケイト。だがその一方で、マダム・マスクがケイトを見つけ出し、彼女に再び命の危険が迫る!


◆収録作品

2013年09月:Hawkeye Annual Vol.4 #1
2014年01月:Hawkeye Vol.4 #14
2014年03月:Hawkeye Vol.4 #16
2014年05月:Hawkeye Vol.4 #18
2014年10月:Hawkeye Vol.4 #20


◆関連作品過去記事
【ホークアイ:マイライフ・アズ・ア・ウェポン】
【ホークアイ:リトル・ヒッツ】

◆Guns N' Roses - Welcome To The Jungle

◆もう一人のホークアイの活躍を描くキュートでフレッシュな第3巻!
ホークアイ第4シリーズの邦訳本、2巻の発売は1年以上も間が空いたのにこの3巻はなんとほんの3ヶ月ちょっとで刊行!
第2巻「リトル・ヒッツ」の続編がけっこう早いペースで読めるというのは実にありがたい。
……んだけれども、上記の収録作品をご覧のとおりこの3巻の収録エピソードはなぜか変則的に。

というのもホークアイ第4シリーズ、前巻収録の#11でクリントとケイトが仲違いするという展開になって以降はクリント編、ケイト編が1号ずつ交互に描かれており単行本に纏められる際にそれぞれケイト編(本書第3巻)、クリント編(最終巻。現在未邦訳)として1冊ずつ刊行されたのです。
そういうわけで本作「ホークアイ:L.A.ウーマン」は全話ケイト・ビショップが主人公のストーリーとなっております。

オシャレなアートとユーモラスな作風はそのままに、女性キャラを主役にしたことでちょっぴり華やかな雰囲気に!
アニュアルを除き、本編アートは新進気鋭の女性アーティストであるアニー・ウーという方が担当。
前巻のデイビッド・アジャとはまた異なるタイプの繊細なアートは眺めているだけでも惚れ惚れするぞ!

ケイト・ビショップ

クリントの家から犬のラッキーを連れて彼と袂を分かち、活動拠点を西海岸に移すも、その後ヴィランのマダム・マスクの罠にハマり無一文となってしまったケイト。
それでもケイトはへこたれず、スーパーヒーロー兼私立探偵としてロサンゼルスで探偵事務所を立ち上げ、新たな活動を開始するのだった!……というのが本作「L.A.ウーマン」のざっくりとしたあらすじ。

作中で発生する事件は結婚式を控えたカップルが盗まれた蘭の花を取り戻すというものや、60年代の伝説のミュージシャン、ウィル・ブランソンの未完成の幻の名盤「ウィッシュ」を取り戻すというお話と、相変わらずヒーロー物のコミックでありながらスケールは小さめ。
そこにマダム・マスクの陰謀も絡み、様々なトラブルがケイトに襲いかかる!といった感じの内容です。

依頼者はゲイカップルにカタブツ刑事、前述した伝説のミュージシャンなどなど個性的な面々が多く、加えて依頼を通してケイトと親しくなっていく描写がまた丁寧で和むんだ。
特に本作に登場する雑貨品店に夜な夜な現れ、ケイトに助言を与えては去っていくくだびれたコートを着込んだ謎の男、ハロルド・H・ハロルドという人物がいいキャラしてる。
(表紙絵の右上に描かれている男がハロルドです)
てっきり新キャラかと思ってたんですが、「Tomb of Dracula」という吸血鬼コミックの1975年第37号でデビューした結構な古参キャラと知ってビックリ。

冒頭に収録されているアニュアルだけは、これまでの巻でちょいちょいアートを担当していたハビエル・ブリードが手がけているのですが、そこでケイトの心理描写に日本漫画チックなデフォルメイラストが挟まれるのがまたカワイかったりします。

あの女の正体はマダム・マスク

◆感想
マット・フラクションのホークアイは安定して面白いな……!
スーパーパワーといった物が一切用いられない、起こる事件も規模が小さくヒーローコミックにしては少し地味な作りのはずなのに演出や人間ドラマの描き方が実に見事でぐいぐい引き込まれて行っちゃう。

お金持ちのお嬢様でありながら無一文に陥ってしまうケイト。しかし探偵を開業して自力で生活費を稼ぎ、新しい友人や居場所を手に入れて新生活を楽しむ彼女の姿がまた良い。アクションシーンもスタイリッシュで美しいです。
……まあそんな幸せ展開が続くはずもなく、本作のラストでは大きな壁にぶつかってしまうのですが(不穏)。
ちなみに本作は解説書によるとこの作品と同じく西海岸を舞台にした探偵ドラマ『ロックフォードの事件メモ』『ヴェロニカ・マーズ』などを意識して作られているとの事。

ホークアイ第4シリーズも、いよいよ次の4巻が最終巻。
現状最終巻の邦訳予定は無いんだけれどもあと1冊というところに差し掛かって来たわけだし、解説書のテキストを見るにまず出ると思っていいはず……!

ヤバいこりゃヤバいわ
第4シリーズではすっかりお馴染みのフレーズ「ヤバい…これはヤバイぞ」はケイト編でも健在だよ!

23 2015

あなたになら言える秘密のこと

あなたになら言える秘密のこと予告編あなたになら言える秘密のこと
【原題】The Secret Life of Words(La Vida Secreta De Las Palabras)
2005年【スペイン】


工場に従事するハンナには誰にも打ち明けられない“秘密”があった。友達も作らず何の楽しみも持たず、アパートと勤め先を行き来するだけの日々を送っていた彼女は無理矢理とらされた長期休暇を持て余していたが、これといった目的も持たずに長距離バスに乗り、見知らぬ街を訪れた。
そこで出会った男から、期限付きで看護士として雇われる事になったハンナ。海の真ん中にぽつんと浮かぶ油田掘削所に連れていかれ、ベッドに寝たきりのジョゼフの看護をすることになる。
数日前に起きた事故で重傷を負い、目も見えなくなってしまっていたジョゼフは塞ぎ込む様子もなく、明朗で、いたって気さくに話しかけて来るが、ハンナはとりあわずに黙々と看護作業に勤しんだ。事故の影響で操業を休止している工場は静まり返っていたが、ここでは様々な人々が暮らしていた。
黙々と看護をしつつもジョゼフのジョークに和まされ、会話に引き込まれていくハンナ。二人は「相手の秘密を知りたければ自分の秘密を一つ教える」という契約を結び、ハンナは実は耳が悪くて補聴器をしている事を教えるが、その原因は明かさなかった。ジョークとも嘘とも分からない“秘密”を教え合って日々を過ごす二人。
やがて、ジョゼフのジョークに声を上げて笑うようにまでなったハンナに、ジョゼフは最後の秘密を打ち明ける。さきの事故の唯一の死者は彼の無二の親友であり、本当は事故死などではなく自ら炎に飛び込んで自殺したのだと言う。そして最後に、それは男の妻とジョゼフの浮気が原因なのだと付け加えた。
数日後、陸の病院がジョゼフを迎えに来る日を明日に控え、ハンナは今まで誰にも打ち明けることの出来なかった最大の“秘密”をジョゼフに語り始めるのだった。

***

海上に浮かぶ油田掘削所で働く人々と、ある過去が原因で心を閉ざした主人公ハンナの交流を描く“ライフ・スパイス”ムービー。
主人公のハンナは大きな“秘密”を抱えて孤独な人生を歩んでいるんだけれども、同じように秘密を抱えている同僚たち、そして看護する事になった患者のジョゼフと言葉を交わしていく内に少しつづ心を開き、感情を表に出すようになっていく。
その過程をじっくり丁寧に描いていくのが実に心地良い。

……のだけれども、終盤ハンナが告白する秘密の内容が他の登場人物の抱える秘密に比べてあまりに重く壮絶であり、それが簡単に救いの手を差し伸べられるような物ではないため、気分よく感動を味わえる類の映画ではありません。
序盤のよくわからないけどなんだか重苦しい空気感、そして少女の声で流れるナレーションの意味が終盤に差し掛かってようやく明かされる。
直接的な映像を用いずに、ハンナの告白だけでここまでショッキングな気分にさせられるとは。
人々との交流、ハンナとジョゼフとの恋愛を描きながらロマンティックな雰囲気にはならない、かなり乾いたラブストーリー。
ラストはある種ハッピーエンドなのかもしれないけれど、ハンナの秘密……壮絶なトラウマが完全に癒えたのかはわからない。
邦題はなんだか甘ったるい感じだけど、ストーリーは重たく、テーマ性が非常に深い一作でした。

【『あなたになら言える秘密のこと』サラ・ポーリー 単独インタビュー - シネマトゥデイ】

デッドプールソウルハンター表紙
「♫ デップーマン!デップーマン!なんでもできる!
計画も得意さ 悪党を捕まえたらサクッと串刺し
 ホラ!デップーマンのお通りだ!♫」

『マーベル・ナウ!』のデッドプール第2巻!
デップー、汚れた魂の回収業者に!?
悪魔との契約の行き着く先は――

悪魔・ベティスに雇われたデッドプール。その任務とは、過去に悪魔と取引をした人間たちの魂を回収することだった。契約履行のために汚れた魂を持つ人々を暗殺していくうちに、事態はスパイダーマン、デアデビル、ハルクを巻き込んだ大騒動へと発展していく。


◆収録作品

2013年06月:Deadpool Vol.3 #7
2013年06月:Deadpool Vol.3 #8
2013年07月:Deadpool Vol.3 #9
2013年07月:Deadpool Vol.3 #10
2013年08月:Deadpool Vol.3 #11
2013年08月:Deadpool Vol.3 #12


◆関連作品過去記事
【デッドプール Vol.1:デッド・プレジデント】

◆デッドプール、汚れた魂を狩る!!
ストーリー性がかなり強くなったデッドプール第3シリーズ!
しかしこの第2巻の冒頭に収録されているエピソードはアイアンマンの名エピソード、「デーモン・イン・ア・ボトル」のパロディ的一作となっていて、アートはわざわざ1980年代初頭のコミックを意識した画風、そしてストーリーも当時のノリというか雰囲気で描かれており実に自由。

安定のホステスフルーツパイパロ
広告ネタ『ホステスフルーツパイ』のパロも突然挿入される

デッドプールの歴史的初登場は1991年なのですが、「実は80年代頃から普通に活躍してたんだよ!」という体で話が進んでいくのだからホントフリーダムです。
何故かデアデビル風のロゴをコスチュームに付けているのにも注目。
とはいえ80年代の世界でデッドプールがハチャメチャに状況を引っ掻き回していくだけのギャグ作品にはなっておらず、しっかりストーリーの本筋に関わってくる内容にしているのがまた上手い。

で、話は現代に戻り、前巻ラストで「死亡したシールド捜査官のプレストンの精神がデッドプールの中に入ってしまった!」というあの衝撃的な引きの続きが描かれていきます。

悪魔ベティスに「断ると友人のマイケルを殺す」と脅され、仕方なく彼とかつて取引し、スーパーパワーを身につけた人間を殺害し魂を回収するという仕事を請け負う羽目になってしまったデッドプール。
マイケル、フランクリン、そしてデッドプールの精神の中にいるプレストンと協力しながら、彼女を救い出す(というより新たな身体を見つけてデッドプールの精神世界から解放する)方法を探しつつ、ベティスからの仕事をこなしていくのだった!

……というのが今回のストーリー。
デッドプールが一見無敵な感じのするスーパーパワーを持つ人間を如何なるえげつない方法で始末していくのか、そして悪魔ベティスとの契約の裏を如何にしてかいていくのかというのが本作の見所です。
デッドプールが目的を達成するためなら容赦なく無関係の一般人や仲間にすら危害を加える描写もあり、このところ人間味が増してきている一方でやっぱりちょっとサイコ入っているのが空恐ろしい。

メフィストに合うための方法

◆感想
この第3シリーズは1巻の感想にも書いたけど結構シリアス……というかちょっと暗いね。
もちろん合間合間に(ブラックな)ギャグも挟んで緩和してくれるおかげで読みやすいんだけれども、どうにも友人関係が上手くいかないデッドプールの姿がなかなか切ない。
デッドプールを単なるコメディリリーフとしては描かず、人間ドラマ要素を強めにしているのがこれまでの邦訳と違ってやっぱり新鮮で面白いです。
2巻では「エレノア」という謎の人物の名前が出たりなど気になる伏線が色々ばらまかれたので、来月刊行の3巻をはやく読みたいところ。

【デッドプール:ソウル・ハンター 補足】

◆本日のデプスパ
ソウルハンターでのデプスパ

まあこの時期のスパイダーマンは実はピーターでは無いのだけれど。
気づくまでは行かないまでも、互いに交わす会話の中でこのスパイディに違和感を感じるデッドプールがまた良い。